無愛想な子猫
その猫はペットショップの里親募集のケージの最奥でムスッとしていたそうだ。
他の猫達がケージから出して欲しくて人間にアピールする中、たった一匹微動だにせず、只々こちらを見ていたらしい。
その子猫を抱いている母を見て私の口を突いて出た言葉は「なにそれ」でした。
地元商店街の一番端にあるペットショップ。
その店頭には里親募集のケージが設置されていて、シーズンにもなればその中で子猫が何匹も新しい家に迎えて貰うのを待っていました。
母はそこへ発作的にふらっと立ち寄り子猫を貰ってきたのだそう。
曰く「一番無愛想なのにした」…えっ?
寄ってくる猫ばかりの中でこの子だけが来なかった。
だから面白いと思ったのと、そんな性格の子は貰い手が少なそうだからとの事だった。
そして「ミーちゃんがヤキモチ妬いて早く帰って来る様にと思って」
私が思わず「なにそれ」と言ってしまったのは、ミーちゃんの事を諦めてしまったのか?という反発心からでした。
でも正直な話ミーちゃんが戻って来る見込みはありません。
兄と私が家を離れ父と母だけになった我が家。父は力仕事も多く、夜早い時間に寝てしまうので母の話し相手はミーちゃんしか居ませんでした。
なので今ではその時の母がどれだけ寂しかったか気持ちが良く解ります。
その子はチャコと名付けられました
小さな白っぽくて耳や尻尾やあちこち薄い茶色が入っていて、ふわふわで…そして何となくムスッとしている子猫です。