チャコの留守番物語
当時の我が家はとても古い建物で、母によると戦後の混乱期に建てられたボロ屋を多少リフォームしたものだったらしい。
かつてミーちゃんが外出用にしていた隙間はそのままでしたがチャコはミーちゃん程アグレッシブでは無いのでそこから外に出る事はありませんでした。
立地としても変で、道路に面してチャコと仲良しのワンちゃんの居る“手前のお宅”、その脇の細い通路を通った先に我が家という妙に使い勝手の悪い土地でした。
ある日母がいつもの様に事務所へ行く支度をしていると、チャコがするするっと二段ベッドを登りさらにその上にある梁の上で「ふふんっ」とドヤ顔をしたそうです。
「むふっwこのチャコを捕まえられるものなら捕まえてご覧なさいな。」
そんな顔だったらしい。
かなり高い場所なので母には届きません。
ある程度呼んでから呆れてチャコを置いて事務所へ行った母。
私が帰宅すると手前のお宅の奥さんから「チャコちゃんすごい声で鳴いてたけど何かあったの?」と心配されました。
そして玄関を開けるとそこにはムスッとしながら疲れ果てているチャコの姿が。
何事かを察した私は「あーこれ留守番が気に入らなかったのかも?」と答えて苦笑い。
確かにチャコは時折、この小さな体からこんな声が?とびっくりする程大きな叫び声を出すのです。
チャコはいたずらっ子でありなかなか頑固でこだわりのある猫でした
家の隙間からたまに入って来るカマドウマを捕まえると、単に捕まえるのが楽しいのか?ずっと咥えたまま得意げなチャコ。
結局顎が疲れて最後には逃げられてしまうのですが、かわいそうだから逃がしてあげようとすると唸り声をあげて全力拒否です。
隙を見て無事逃がしてあげると、逃がした場所から離れずしばらく探し回っていたり。
(何故かGは大嫌いで現れると人間と一緒に逃げ回っていました)
硬くて細かい砂でなければ猫トイレは使わないこだわり。
必ず独りで寝るこだわり。
一説によれば動物が一緒に睡眠を取るのは“最大限気を許している証”らしいですね。
ただチャコが寝ている所にこちらから寄り添うと嬉しそうにゴロゴロ言って受け入れていたので、チャコの中のプライドが邪魔をしていただけかも知れません。
そんなチャコも 避妊手術から帰った後の3日間だけは母と一緒に寝たのだとか。
術後で不安だったのでしょう
傷が癒えたチャコはまた元通りの元気ないたずら猫に戻り、その頑強さから“鉄の女チャッチャーさん”という異名が付けられました。