第七十四話 魔法陣
始まるよ~
ピエロの男が赤い大鎌を振る。聖職者はその手に持つ杖を使い斬撃を防ぐ。聖職者はその場から動かない。いや、動けない。その魔法陣を展開している限り、動くことができない。
聖職者の杖の先が光る。その光は聖職者に吸い込まれていく。聖職者は拮抗していたバランスを崩し、ピエロの男を吹き飛ばした。
「祝福ですか~。面倒ですね~。ほかのものと比べステータスの上昇率がたかいようですね~」
「当り前です。神を信仰しているものが、それ相応の祝福を受けるのですから」
それっきり会話はなくなり、静寂な空間が訪れる。その魔法陣が光り輝き、刻一刻とその形を完成させんとする。
「その魔法陣、只ものではなさそうですね~」
「貴方に答える義理はありません。こちらから行きますよ。雷属性魔法雷空間!」
あたり一面に白い光が蛇のように舞う。その光は様々な軌道を描きながら、いずれもピエロの男を狙っていた。
ピエロの男はその光を大鎌で切り、避けた。ピエロの男はその手にもつ鎌を投げた。不規則な軌道を描き、横から聖職者を襲う。その杖は聖職者にあたる寸前、光の渦に巻き込まれ遠くに飛ばされた。
ピエロの男は鎌に向かって手を伸ばすと赤い糸が鎌に付着し鎌を回収した。再び静寂が訪れる。
「なかなかやりますね。ですが、その様子では私の敵ではありません。神の裁きを与えて差し上げましょう。『二つの光の精霊よ 交わりて 神に代わり 天罰を下せ』雷属性雷光!」
頭上を見ると、激しい光がピエロの男の司会を埋め尽くす。その雷は、なるほど。神の裁きにふさわしい威力だといえるだろう。
光はピエロの男に降り注ぎ、その体を埋め尽くすほどの爆発を起こした。そのあとには、地面には大きなへこみ、そして無数に広がる罅。ピエロの男の姿はどこにもなく、わずかな血痕が残るだけだった。
聖職者はそれを視認すると、その目を虚空に向ける。足元の魔法陣は刻一刻とその形を完成させようとしている。聖職者は不意に殺気を感じた。己の感に従い、手に持つ杖を振り被る。その先でガンッという音が響き、腕に衝撃が走る。
その視界の先に、見知った仮面が映る。その先には血を流しながらも、その両手にしっかりと鎌を持ったピエロの男がいた。
「ひどいですね~。ワタシと貴方の中じゃないですか~。無視しないでくださいよ~」
相変わらずの様子でピエロの男は口を開く。聖職者の男は若干の冷や汗を流す。
「貴方とそんな中になった覚えはありませんが。どうやってあれを避けたのですか?」
「ネタをすぐに明かすのはエンターテインメントではありませんですからね~秘密です~」
近距離でにらみ合いながら言葉を交わす。聖職者がまとう光が一段と強くなり、ピエロの男が弾き飛ばされる。三度の静寂が訪れた。
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次回:『3』お楽しみに!(題名は変更する可能性が90%です)
追記:忘れてないです




