第六十九話 They
始まるよ~
「それでは、ただいまより、帝都大会本戦、予選の最終戦を始めます!最後の組み合わせは、クレアーレ、スクルトシペア対、エマナ、エネペアの対戦です!」
名前の癖よな。ヒント逆さま。出てきたのは、女性のペアと男女のペア。片方は見知った顔だ。そういえば、彼女らは魔族だが、人間界に溶け込んでるな。認識阻害でもしているのか?もう片方は…残念ながら、聞いたことがない。装備的に冒険者だろうが、一切聞いたことがない。この世界にいる日数が少ないせいか、魔族の領地にいたせいか、それとも両方か。ここまでくるということは、この世界基準だと、強い方だと思うが、残念ながら以下略。
「ルビー、あのエマナとエネは有名人なのか?」
「えっ⁉司知らないの⁉ってそうか。日数も日数だし、魔族のほうにいたもんね。主人をほったらかしにして」
ルビーは驚いた表情を見せるが、直後にジトーッとした目をぶつけてくる。ちょっとよくわかんないね。
「その二人は、冒険者のランクがSに最も近いって言われているAランクの冒険者なんだよ」
ルビーはジト目のまま説明をつづけた。
「そうだったのか。Sランクの冒険者ってこの世界にどれくらい存在するんだ?」
ルビーの視線から逃れるように顔を背けながら質問を返す。
「うーん。私が知っている限りだと、片手で数えられるくらいから。ちなみに、Sランクは、弱い竜種なら単独で討伐できるレベルだよ」
なるほどと相槌を討ちながら話題のペアを見る。確かに、そこら辺の雑魚竜よりも強そうだ(絶対に勝てるとは言っていない)。でもなぁ、スクルトシたちはなぁ。弱い部類の龍でも討伐できそうだからなぁ。勝ち目薄くない?
「…これってかなり無謀だよな」
「そうだね。ご愁傷様としか言えないね」
ルビーは合掌をしていた。どこでそんなもん覚えてきた。え?俺らより前に来た転移者だって?そいつら何やってんの。
そんな話はともかく、男のほう。エマナが杖を構える。先端に、ほのかに赤く光る水晶のようなものをつけた杖だ。エマナから出た魔力が杖に集約され、その魔力を増幅している。
魔力が赤く染まりだし、エマナの口がほのかに動く。エネはその間、剣を抜き、クレアーレとスクルトシを警戒している。だが、エマナの前には出ない。魔法に巻き込まれないようにするためだな。エマナの魔力がどんどん高まっていく。
そろそろかな。
エマナが魔法を放とうとする直前、クレアーレとスクルトシが口を開いた。クレアーレは魔法陣を展開し、スクルトシの目が紅に染まる。クレアーレが展開した魔法陣の周りに赤い渦が発生し、魔法陣の輝きが強くなる。同時に少しだけ魔法陣の形が変わった。クレアーレとエマナが同時に魔法を放つ。エマナが放ったのは、爆炎魔法紅炎だろう。対するクレアーレが放ったのは、無属性魔法魔素大砲だ。通常のものとは異なり、ほんのりと赤く、不規則な軌道をしている。
紅炎に真横から突っ込んだ魔素大砲は、やすやすとそれを破壊すると、軌道を変えエマナとエネに向かう。エネが前に出て、その剣を力強く振り下ろす。少しだけ拮抗していたが、魔素大砲は剣を飲み込んでエネとエマナに襲い掛かった。
二人は場外まで飛ばされ、ぐったりとした様子で倒れていた。おそらく意識を失ったな。
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次回:『憎いあいつ』お楽しみに!(題名は変更する可能性が90%です)
追記:They Their Them




