第六十一話 解放
始まるよ~
「ようこそ。私の世界へ。サラさんにセラさん。」
シオンが微笑みかける。なぜか神に見える。あっ。今はこの世界の神か。
「…とまぁ行ってもこの世界の権限を司様に譲渡するんですけどね。ちょっと待ってくださいね…」
シオンが半透明なパネルを操作し始める。サラとセラはきょろきょろと周りを見渡している。いきなりここは私の世界だ!と言われても理解できないだろう。
サラがこちらを見ると走り出した。
切り替えが早いな。いや、切り替えもくそもないか。
大剣を捨ててサラの攻撃をよけていると、目の前に半透明の板が出現した。この世界の設定をいじることができるパネルだ。権限の更新が終わったか。となると、最初にするべきは。あれだな。
半透明のパネルを操作しひとつのボタンを押す。
「どうだ。喋れるようになったんじゃないか?」
「…何をばかなことをいのですか。……へ?」
セラがぽつりとつぶやき目を丸くする。どうやら奴隷の設定で喋れなくなっているようだったからな。
「…なぜ私がしゃべれるのです?あのくそ野郎に拘束されてるはずなのです!」
意外と感情が豊かなようで。シオンが一瞬ビクッ!となってる。俺も驚いた。
「ここは俺たちの世界。元の世界の設定など知らん」
「…よくわからないけど、あなたのおかげなのです?ありがとうなのです!」
「安心するのはまだ早い。まだまだこれからだ」
投げ捨てていた大剣を拾い走り出す。目標はセラだ。セラはとっさに避けようとするが、体が思ったように動かない。
「…なぜ…なのです」
「大丈夫だ。サラが守ろうとしていないだろ」
セラはゆっくりとサラのほうを向く。サラは特段動かずにセラのほうを見ている。
大剣を振りかぶる。目標は、首。
セラはそのことに気が付いたのか、ギュッと目をつむる。
大剣を振り下ろす。
パキンという音を立てて首輪が壊れる。
「…え?」
セラは再び目を丸くする。端的に言うなら、奴隷から解放された、ということだ。
「…ダメなのです!この首輪のおかげでお姉ちゃんの魂はこの世にとどまっているのです!」
それと同時に、その首輪は、セラの能力を補助するものでもあった。おそらくセラ本人にはまだそれほど力がない。首輪が破壊されてしまった今、サラは。
セラは取り乱しながらサラがいる方向に振り向く。そこには慈愛の笑みを浮かべるサラがいた。
「大丈夫。ツカサさんがどうにかしてくれる」
セラはまたまた驚いたような表情を浮かべる。おそらく、首輪のせいでサラは喋ることができなかっただろうからな。
「この世界では、死んだ者の魂はそのものの信念に応じて、世界にとどまる時間が違う。サラ、お前の願いは何だ?」
「私の願いは、妹を守ること。私は元々いないはずだった。それでも、私を姉だと慕ってくれるセラを守りたい」
サラは相変わらず無表情で。しかし、決意に満ち溢れた声色で話す。ちなみにセラは目に涙を浮かべ、泣き出す二秒前みたいな表情をしている。サラはセラを抱きかかえると、頭をなでる。
とうとうセラは泣き出してしまった。正直時間がやばいから早く泣き止んでほしいが。
「シオン。あとどれくらいだ?」
「そうですね。あと五分持てば良い方でしょうか」
シオンは脂汗を額に浮かべている。魔力特化にしたシオンでもそれくらいが限界か。
「セラ、サラ。時間がない。俺の用件を伝えよう。お前たち、俺たちの仲間にならないか?」
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次回:『久々に見るあの人』お楽しみに!(題名は変更する可能性が90%です)
追記:毎週の生存報告?知らない子ですね。




