第六十話 傀儡の
始まるよ~
「お前たちは、本来双子として生まれるはずだった」
そして俺は一方的に説明を始める。
セラとサラは本来双子ととして生まれてくるはずだった。だが、片方、おそらくサラだろう。そいつは死産させられた。おそらく、国の王に。そしてその魂は人形に補完され、当初の予定通り、双子として生まれたことにして奴隷にさせられた。その奴隷の首輪に特殊な魔法を刻まれて。なぜこの二人が選ばれたのかはわかっているが、王がその事実を出産前に把握できた理由だけはわからない。候補はいくつかあるが、実際に会ってみないことには何とも言えないだろう。まぁ、そんな話は置いておいて、その二人でなくてはならない理由だが、おそらく、おそらくサラは、自身の器となりえる人形をその魔力が続く限り生成できるスキルを所持している。セラは、呪術の才能があるのだろう。首輪によって無意識に人形を生成しそれにサラを縛り付けている。この二つが合わさって、自信を自爆させながら別の器に魂を補完できる。何回でもよみがえる実質不死の奴隷、サラが誕生した。
「…っと、こんなもんだろ。返事はしなくていい。これから話ができる環境に送ってやる」
直後、サラが走り出す。その体はかすかに輝いている。
同時に、セラが魔法を放ってくる。こいつも普段言葉を発しない系か。
俺は大剣を盾代わりにその攻撃を防ぎ、いなす。サラが懐に入り込もうとするが。無理やり大剣を振るって距離をとる。
「シオン。準備をしろ」
「了解です」
大剣を構えなおしてからシオンにぼそりとつぶやく。そのまま俺は、セラに向かって走り出す。シオンは、杖を構えて詠唱を開始する。
「火の力と次元の力!今一つとなりて!敵を捕らえる空間となりて!その力をもって敵を討たん!」
ちょうど半分を詠唱し終えたころにセラが魔法を放ってくる。おそらく、雷爆だろう。光の塊をシオンに向かって発射する。当のシオンは、詠唱に集中して防御に手が回らないようだ。俺はサラの対応をしているからシオンを守ることは難しいだろう。ただし、普通なら。俺はサラに一瞬隙を見せる。予想通りサラはそのすきを逃さず。ナイフで俺に切りかかる。俺はタイミングを合わせて大剣を振り下ろし、ナイフを弾き飛ばす。それと同時に走り出し、雷爆の光球を切り裂く。雷爆の能力は爆弾だ。その中に内包された雷が俺が雷爆を切ったことで一気に解放される。俺はシオンの前に立ち、大剣を盾に雷を防ぐ。シオンへの雷は防げたものの、俺に対する雷はすべてを防ぐことはできず。2,3発受けてしまった。雷を受けた点が焦げて、しびれを感じる。幸い、右手には雷を食らっていなかったので、剣を振るうことは可能だが、サラが相手だと厳しいものがある。
「それは世界を始めた原初の炎!全てを破壊する創造の炎!すべてをやり直す始まりの炎!司様、準備ができました!」
「少し待ってくれ、隠れ蓑を準備する必要がある」
「わかりました!暴風魔法!爪突風!」
シオンは、爪突風を使い、セラに攻撃する。セラは、魔素障壁を使い攻撃を防ぐと。雷爆を放つ。シオンはこれを魔素障壁で防ぐと…。以下繰り返し。とりあえずあっちは大丈夫そうだな。となると、問題はこちらか。サラがナイフを振ってくる。俺はサイドステップでそれをよける。
「…」
サラが口パクで何か話してくる。口の動かし方的には。なるほど、やはりそういうことなのか?
その後もナイフを振り、避ける。大剣を振り、避ける。を繰り返していると。サラに隙ができる。俺はそのすきを逃さず、大剣の腹を叩き込む。サラは吹き飛んでいき何回かバウンドした後、止まる。ゆっくりと立ち上がると、サラの周りがぼんやりと光る。祝福だ。サラは走り出し、俺に向かってナイフを投げる。俺は大剣でそれを叩き落すがサラは目の前だ。
「…超梔深輝痺浸」
サラがぽつりとつぶやくと、光線が縦横無尽に走り、サラの体が崩壊する。それと同時に大量の砂埃がステージを埋めつくす。俺たちは当たり前のように魔素障壁で光線を防ぐ。そして、
「シオン!いまだ!」
「はい!複合魔法!ノヴァ・オブ・ディメンジョン!」
異空間がステージを覆いつくす。砂埃のおかげで、その空間は客席からは認知されない。
次の瞬間、サラたちは見知らぬ空間に立っていた。
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次回:『自由の意思』お楽しみに!(題名は変更する可能性が90%です)
追記:三月ですね。生存報告?知らない子ですね。別に忘れているわけではないですよ?




