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最強の錬成職(仮)  作者: ShinoNaki
第一章 プロローグ
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第五十九話 カラクリ

始まるよ~

会場一面を砂埃が覆う。地面もあらこちへこんでいて、がれきが散乱している。セラとサラは二人そろって恥のほうで息をひそめていた。シオンが障壁を使って光線を防いでいたのを確認していたからだ。気にするのは魔法だけでいい。セラがそう考えたとき、目の前に剣が迫っていた。司の剣だ。ナイフで辛うじて防ぐものの、衝撃が体中を駆け巡る。その剣圧で少しだけ砂埃が晴れた向こう側に男の人影が見えた。セラは目を見開く。あいつは超近距離で超梔深輝痺浸を受けたのに、なぜ五体満足で立っているのか、と。


「教えてやろうか」


真横で司の声が響く。次の瞬間セラの右腕が宙を舞う。ひじの上あたりから下がごそりとなくなり、血がボトボトと流れ落ちる。セラはその痛みに顔をしかめる。声が聞こえた瞬間とっさに反対方向に飛んだおかげで、何とか腕一本だけで済んだ。額に脂汗が浮かぶ。

サラが魔法を起動する。純白の魔法陣から光が注ぎセラの右腕から肉が盛り上がるように出た後、右腕の形をとる。実質復活したのと同じか。


「それは、完全回復(パーフェクト・ハイル)か?そのレベルの魔法を使えるのに、その首輪をつけているのか」


思わずつぶやく。この世界において、完全回復(パーフェクト・ハイル)を使える人はそれだけで神の代行者なり何かしらの称号を与えられ、崇拝される対象となる。だが、こいつらは首輪をつけている。正確にはかつてのシオンがつけていたものと酷似した首輪だ。俺は一度下がって思考にふける。

なぜ超梔深輝痺浸(レスベル)を使ったはずなのに、サラが生きているのか。確かにこの目でサラの崩壊を確認したのに、今目の前でセラの腕を復活させた。サラだけがその芸当をできるのか。それとも、二人ともできるのか。どのようなカラクリで崩壊から免れているのか。この世界の最強レベルとはこのようなことを言うのか。わからないことだらけだ。ただ一つだけわかるのは、サラは確実に一度死んでいる、ということだけだ。


「また面倒くさいやつが相手になっちまったもんだ」


俺がそうぼやくと、近くにいたシオンが口を開く。


「大丈夫ですよ。最悪ごり押しで行けますから!」


…いつからうちの子は脳筋になってしまったのか。不思議でたまらない。


「それじゃいつもと変わらんだろ。ごり押し以外の方法で勝つためにわざわざ能力を縛ってるんだから」


思わず俺はそう突っ込む。正論のパンチだ。それはそうとして、早く種を明かさないとな。そのためには。


「とりあえず、ほどほどに攻めろ」

「やっぱりごり押しですか?」

「…違う。そうじゃない」


…俺は走り出す。狙うは、サラだ。現状サラが一番めんどくさいと思われる。そいつをたたけば何か変わるか。あるいは、また超梔深輝痺浸(レスベル)を使われるか。どうなるかわからないが、とりあえずやるしかない。

大剣を横に構え、サラが間合いに入ったタイミングで振りぬく。

サラはナイフと体重移動でうまく衝撃を受け流し、素早く俺の懐に入り込もうとする。

俺は無理やり剣を振りぬき、間合いを確保する。サラが詰めてくるので、横向きに大剣を振りぬく。サラは姿勢を低くしてその攻撃をかわし、俺の懐に飛び込んできた。そのままナイフを突き出す。そのナイフは、俺に刺さる直前、障壁に拒まれる。シオンの魔素障壁だ。


「助かった」


俺はそうつぶやいてから大剣を真上から振り下ろす。サラは横にかわす。サラが移動している途中で俺は無理やり大剣の向きを横向きに変える。

どうにかナイフで直撃こそ防ぐものの衝撃で腕が曲がってはならならない方向に曲がっている。

サラは一度距離をとる。それからサラの体が白色の魔力をまとい始める。祝福(べネディクション)だろう。

それからサラは走り出す。狙いはもちろん俺だ。俺は大剣を縦に振り被る。サラは軽々とそれを避けると俺の懐に飛び込んでくる。そして、


「…超梔深輝痺浸(レスベル)


直後、サラの体が崩壊を始める。同時に無作為に光線が乱射される。俺は素早く下がり、シオンの障壁の陰に隠れる。土煙が舞い上がり、周りが見えなくなる。


「シオン!今だ!」

「はい!風属性魔法乱気流(タービュランス)!」


シオンがそう叫ぶと、暴風が発生し周りの土煙を吹き飛ばす。その奥には…。なるほど、二人の人影が見える。だが、その前のあれは。


「…なるほど。わかったぞ。お前たちのカラクリが」


俺は高らか宣言する。


「お前たちの秘密それは、双子であること、セラの職業。そして、縛りだ」

ご視聴ありがとうございました。よろしければ、感想や改善点などありましたら、ぜひ、ぜひぜひ!お願いします。

次回:『人形遊び』お楽しみに!(題名は変更する可能性が90%です)

追記:コロナで苦しんでいた篠原さんです。

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