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最強の錬成職(仮)  作者: ShinoNaki
第一章 プロローグ
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第五十七話 破壊の力

始まるよ~

ガオウはこれまでにないほど命の危機を感じていた。まるで戦場に立たされているような。龍を相手にしているような。それでいてまるで、そう。ゴーレムのような。無機質な者と戦っているような。そんな感覚になっていた。


「こいつはやべぇな。レオン!こっち手伝えるかぁ?」


ガオウは一人では対処できないと判断した。だから、大道の相手をしているはずのレオンの手を借りようとした。しかし、返事が返ってこない。

そういえば、一切戦闘の音がしない。驚くほど静かだ。

ガオウはふとレオンがいるはずの方向を振り向く。そこにあったのは無様に吹き飛ばされ、白目をむいて気絶しているレオンだった。


「こっちは片づけたから、後は頼んだぜ」


大道は、面倒くさそうに欠伸をしながら天道に話し、フィールドから出ていく。

ガオウが呆気にとられていると、再び第六感が危機を知らせた。再び右に避ける。

直後、先ほどとは比べ物にならない剣技が左腕を掠る。焼けるような痛みが左腕を襲う。幸い出血はひどくないが、ただでさえ感覚がない左腕に追い打ちをかけられたのだ。左腕はこの試合中はもう使えないだろう。

ガオウは覚悟を決めた様子で天道に立ち向かう。


「こりゃあこっちも切り札を出さないといけねぇか。獣王流奥義、獣拳!」


ガオウの拳に魔力が集まる。そこからガオウの体全体に広がり、虎のような形を作り出す。

ガオウは何回か大きく深呼吸をした後、走り出した。さっきよりもはるかに速いスピードで天道に詰め寄る。そのまま拳を突き出す。スピードと重さを兼ね備えたその拳は、まさに必殺の一撃だろう。

天道は一歩下がりながら剣の腹で拳を受け止める。完全に衝撃を殺すことはできなかったが、被害を最小限に抑えることができた。

天道は剣にエンチャントをした後ガオウに切りかかる。急に剣が光ったことで一瞬だけ目を背けてしまったガオウはその攻撃をほぼもろに受けた。

体に赤い線が走り、そこから血が流れ出る。鈍い痛みがガオウを襲う。ガオウは顔をしかめながら後ろに飛んで距離をとる。幸い傷口はそこまで深くなく、まだ戦闘を継続することは可能だろう。どちらにせよ、長期戦ができそうにもないことは確かだが。


「…こりゃぁ少しまずいかもな。特に、そのエンチャントが面倒だな」


エンチャントされた剣は刀身が光っているものの、詳しい能力は不明だ。毒のようなデバフ系統の能力を付与させるものの可能性もあるし、単純に切れ味を強化した可能性もある。現状、デバフは確認できないが、遅効性のものである可能性も十分に考えられる。どちらにせよ、今まで以上にその剣が危険になったことに変わりはない。

天道が走り出す。気持ち先ほどより早いスピードで詰め寄ってくる。そのまま光り輝く剣を振りぬく。言葉にこそ出さないものの、その剣筋は王剣流七光斬のそれだった。刹那のうちに七回着るのの技がガオウを襲う。


「獣王流!絶拳!」


ガオウは魔力をまとった腕を体の前に出し盾の代わりとする。多少の切り傷こそあるものの、魔力のおかげで戦闘不能とまではいかなかった。

ガオウはそのままその拳で殴りかかる。おそらく今までの攻撃よりもはるかに速い、まさに最速の突きだっただろう。だが、天道は少しだけバックステップをした後、後ろに飛んでその衝撃をほぼ殺すことに成功した。再び両者の間に距離ができる。

わずかな時間だけにらみ合いが発生する。ピリリとした空気感が会場を支配する。まるで、戦場のような。独特な空気感だ。

先に動き始めたのは、天道だった。光り輝く剣を持って走り出し、剣を振るう。そこから飛ぶ斬撃が発生し、ガオウを襲う。


「獣王流!破拳!」


ガオウは拳にまとった魔力を飛ばし、その斬撃を相殺する。

そのまま天道は、自らの間合いにガオウを入れると、剣を振りぬく。

ガオウは腕をクロスさせてその斬撃を防ぐ。カーンと金属と金属がぶつかるような音が響き、どちらとも少しだけ後ろに下がる。

そこから天道は再び剣を振るう。

上、下、右、左。あらゆる方向から、絶え間なく斬撃がガオウを襲う。

ガオウは、絶拳、破拳をうまく使い急所にあたらないように避け、防ぐ。

このままだと、天道の体力が尽きるのが先か、ガオウの体力が尽きる。又は、集中が途切れるか。どちらにせよ、ガオウが不利なことに変わりない。

ガオウは、一瞬悩むような表情をした後、苦虫を嚙み潰したような顔で叫ぶ。


「獣王流!絶技!転!」


直後、ガオウも魔力が倍以上に跳ね上がる。同時に、ステータスを確認できるものなら気付いていると思うが、HPがかなりの速度で減少している。おそらく、自らの命を生贄にする代わりに、その他のステータスを強化するものだろう。

ガオウはその魔力を使い、虎のようなものを作り出す。魔力でできたトラは、真っ先に天道に向かってその腕を振りおろす。天道は剣を使ってその腕の攻撃を防ぐ。が、ガオウはそのすきを見逃さず、絶拳を放つ。

天道はそれを左に避け、カウンターを放つ。虎が盾となり、その攻撃を防ぐ。虎とガオウが同時に攻撃を放つ。

天道は後方に大きく飛んでその攻撃をかわす。

再びにらみ合いになる。片方は緊張した様子で。片方はただただ無表情で。

天道が剣に魔力を込め始める。まるで必殺技を打たんとするばかりの魔力の込め方だ。そのまま天道は走り出し。全力で剣を投げた。一直線に飛んで行ったその剣はガオウの胸元を狙っていた。


「くそったれが!」


ガオウは魔力の虎を盾に防御の準備を進める。

虎は多少その剣を受け止めていたものの、貫かれて消滅した。わずかな間だったが、それでも十分だった。


「獣王流・絶技・転!」


ふたたびHPを消費し魔力の鎧を生成する。その鎧の魔力を両手に集中させる。その拳は、文字通り必殺の一撃となる。


「獣王流!破拳!破拳!破拳!破拳!破拳!」


ガオウは何度も魔力を飛ばし、簡易的な障害とする。剣のスピードが少しばかり落ちた。


「獣王流!絶拳!」


渾身の力を込めて絶拳を放つ。その拳は剣の腹にあたり、金属同士がこすれるような音とともに火花が散る。しばらく拮抗した後、剣は激しく光を放ちながら吹き飛んでいった。

その光でガオウの目は一時的につぶれる。だが、己の感を信じてガオウはもう片方の拳を突き出す。

その拳は一直線に天道を狙い――

ご視聴ありがとうございました。よろしければ、感想や改善点などありましたら、ぜひ、ぜひぜひ!お願いします。

次回:『せーやく』お楽しみに!(題名は変更する可能性が90%です)

追記:今回から、月一になります。

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