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ミリオンクォータ  作者: 緑ネギ
1章
91/322

第91話 町への往路

「じゃあ私はここで」


 コーネイン商会の前でクラリーサと別れた。


「服はまだいいの?」

「9時半くらいに行けばいい、店内で着替えるからな」

「そっか、今からだと窮屈だよね」

「お前も仕事があるだろ」


 確かに。今が8時だから1時間半後か。


「いらっしゃいませ、ノルデンご家族様。奥へどうぞ」


 キューネルについて工房へ入る。


「おう、おはようさん」

「ロレンソ副工房長、おはようございます」


 今日はエリカは休みかな。

 休憩スペースへ行き、置かれた武器を選ぶ。


「あれ、トランサスではない武器もあるね」

「シンクルニウムじゃないか」

「あー」


 多分、試験素材だ。ははーん、出発前の最後の1本に共鳴変化するのかな。大きく魔力を使って動けなくても、馬車で移動しながら回復すればいいからね。伯爵に会いに行く日は結果的にそうなった。あれをまたやるんだね。


 んー、でも、もうちょっと慣れてからの方がいいかな。あの魔力を吸われる感じが怖いんだよね。明日、借りて帰って家で練習させてもらおう。ここで練習するとトランサイト生産の仕事ができない。


 ひとまず1本やるか、んー、よーし、杖にしよう。どうも杖は1本だけだし。


「お、杖も出来るようになったのか」

「昨日ね、合金はこれが初めて」


 これも長いな、斜めにして持つか。


 キイイィン


「おっ!」

「まあ」


 よし、いける。最初さえ出来ればあとは簡単だ。


 キュイイイイィィィーーン


「ほう、杖は途中からトランサス合金なんだな」

「精霊石を抑えてる爪まで光ってるわね」


 あ、ほんとだ、これ、仮石じゃなくて精霊石だ……風かな。


 ちょ、ちょっと使ってみよう。


 そよそよ……。


 団扇で扇いだ様な風が、俺に向かって吹く。あー、ダメじゃん、俺を攻撃してどうする。いらんことはやめて共鳴変化だ。


 ギュイイイイィィィーーーン


 よし、変わった!


 シュウウウウゥゥゥーーーン


「ふーっ、休憩」

「やるな」

「流石ね!」

「へへ」


 しかし杖って不思議だな。なんせ属性の魔法のみが攻撃手段だからね。よく何もないところに矢とか刃とか作り出して飛ばすことができるもんだ。マルガレータやシーラは凄いんだな。


「皆、おはよう」

「おはようございます!」


 ミランダが入って来ると職人が一斉に挨拶をする。そのまま休憩スペースへやってきた彼女に俺たちも挨拶をした。


「結界を頼む」

「はい」


 一緒に入ってきたブレターニッツが音漏れ防止結界を施す。


「机の中心から半径3m、時間は2時間です」

「うむ」


 彼はそう告げて工房を出て行った。


「商会長、合金の杖も成功しました」

「ほう、それはありがたい。疲れは変わらないか」

「弓とほぼ同じです」

「そうか。それで気づいているとは思うが、シンクルニウムの試験素材を持って来た。ここを出る前に試して欲しい」

「……出来ればもう少し共鳴に慣れてからがありがたいです」


 んー、出来るとは思うけど。急激な魔力枯渇で動けなくなるのは、やっぱりちょっと怖い。


「そうか、分かった」

「明日以降で構わないのですが、お借りして家で共鳴に慣れる練習は可能ですか」

「もちろんいいぞ、全武器種貸してやる」

「ありがとうございます」


 そんなに急がなくていいと言いながら、やっぱり早く情報は欲しいんだね。


「すまんな。私はまだいいのだが伯爵が知りたい様子でな」

「あの置いてきたシンクライトを試したらそう思うだろう」

「その通りだ、クラウス。バイエンス男爵が相当気に入ったらしく、他の武器種も早く試したいとのことだ」

「男爵か、サラマンダーの件では世話になったからな。リオン、出来れば優先して取り組んでくれ」

「うん」


 男爵の迅速な救助が無ければ、俺たちはどうなっていたか分からない。言わば命の恩人だ。伯爵との話も、間に入って仕切ってくれてたし。クラウスやミランダとも年は同じ。これから貴族社会に入る俺たちにとって、とても重要な人物であることは確かだ。ここは意向に沿って印象をよくしよう。


 ふっ、そうやって媚びる相手を意識する辺り、俺も貴族思考に染まって来たか。ま、彼も伯爵家の一員だからね、誰でも意識はするか。


「次やります」


 剣を握って構える。


 キイキュイギュイイイイィィィーーーン


「ふー」

「しかし剣は特に早いな」

「……はい、普段使って慣れているので。疲労も少なめです」

「槍や弓も使ってみるか」

「興味はありますが、そこまで器用に扱えるか自信はないです。訓練討伐ですよね」

「うむ。だがトランサイトならどうとでもなるだろう」

「……そうですね」

「エリオットから聞いた。進路を変えて武器種を変えるのも選択肢に入れるか」

「あ、はい」


 ウィルスンク合金で戦ったのを聞いたのか。なるほど、剣を弱くする他に武器種を変えるか。トランサイトの槍や弓ならヘルラビットくらいならなんとかなりそう。


 んー、それだと剣技を解放する目的から外れるなぁ。まー、ミランダにとっては、職人として効率が上がる方が嬉しいか。


「弓をするなら教えてあげるわよ」

「まだ分からないけど、その時はよろしくね、母さん」

「シンクルニウム合金の剣を持っていくのもいいな」

「いい提案だな、クラウス」

「最初に握るはずだったのはシンクルニウムだ。40%までの共鳴でも十分戦えるぞ。実戦で使うことが共鳴に慣れるために最もいい訓練となる」


 確かに。あの場が一番身につく気がするんだよな。


「ふむ、ではシンクルニウム合金のミランデルを用意しよう。確か子供用が本店にあったはずだ」

「前に寄った時、飾ってあるのを見ました」

「そうか、まあ売れていたら直ぐ作らせる。それでいいか、リオン。無論、特別契約内の提供だ、代金はいらん」」

「あの……はい、使ってみます」


 こんな簡単に高価な武器を持たせる決断をするミランダ。流石、商会長。まあ、シンクライトを考えれば安いもんだけど。


「武器と言えばそう、サラマンダー素材。剣も弓も確保できたぞ」

「おお、そうなのか!」

「よかったわね」

「締め切り直前でウィルムの貴族が高値を付けたが直ぐに更新してやったわ」


 不敵な笑いを浮かべるミランダ。金の暴力って怖い。


「素材は既に本店の工房にある。今日、ウチの屋敷に来る前に寄って、意匠の取り決めや握りをの合わせをするといい」

「分かった」

「楽しみだわ」

「仕上がりは長く見積もっても2週間だ。来月頭には渡せるだろう」


 はー、サラマンダーの剣と弓か。めちゃくちゃ強そう。


「剣やります」

「うむ」


 キイキュイギュイイイイィィィーーーン


「ふー」

「リオンも魔力集束できたから魔物素材も選択肢だな」

「なに、そうなのか」

「ああ、俺のマンティスで試した、70%くらいはいったぞ」

「いやはや……まあ、リオンの才能を考えれば当然か」

「何でも出来るのね!」


 それが英雄の力だぜ。


「ときに今日の子爵との話で、クラウスの屋敷建築も進める」

「ああ、言っていたな」

「まずは場所と規模を決めるのだ。それさえ決まれば工事に取り掛かれるからな」

「それなんだが、川に面した敷地にできないか」

「ほう、西の川か」

「ああ、魚を食材として確保しやすいようにな」


 ランメルトの希望を叶えるんだね。


「それはまた面白い案だな、いいと思うぞ。では候補地として西区南部の森が挙がるな」

「リオンが訓練討伐に行っている森か」

「うむ。あそこを西区から南へ開拓し、東西は街道から川までとすればいい」

「なるほどな、ただそれなりに広いだろ」

「街道から川まで3~4kmといったところか。村から南へ3~4km開拓すれば広さとしては十分だろう」


 こないだ入った進路より北を全部整地するのか。めちゃくちゃ広いな!


「商会長、街道沿い3kmが間口になるのですか」

「うむ、メルキース士官学校も同じような規模だ、大したことはない」


 大したことあるぞ、貴族の単位感覚はおかしいのか。


「それだけあれば屋敷までの見通しがいい。防犯効果も高いぞ」

「そうだな、人がいれば目立つ」

「監視所と屋敷の間の森は残すの?」

「訓練討伐で使えるからな。まあ魔物が近くに湧いて気になるなら開発してもいいだろう。訓練討伐の森は、川の向こうにでも新たに確保すればいい」

「よし、じゃあ第一候補はそれでいくぞ、みんないいか」

「いいわよ」

「うん」


 川を考えたらそこしかないな。西区の西側は村から離れ過ぎちゃうし。街道に面しているのもアクセスがいいしね。ただ広過ぎるから管理をうまくできるか。


「次は弓をいきます」

「頼む」


 ギュイイイィィィーーーン


「ふーっ」

「これで4本か、流石に疲れてきたようだな」

「まあね、でも前よりは疲労度が違うよ」

「休憩したら着替えてくるといい」

「ああ、そろそろだな」


 9時20分か。着替えて帰ってきたらもう1本するか。


 ……。


「じゃあ行ってくる」

「行ってこい」


 俺、クラウス、ソフィーナは工房を出る。


 商会を出てエスメラルダ近くの服屋へ。


「いらっしゃいませ、ノルデンご家族様。リオン様はこちらへ」


 店員に奥の小部屋へ案内される。伯爵へ会いに行った日に使った更衣室だ。


「着ていました服はお預かりします。ブーツはお持ちください」


 そうか、もし途中で魔物が出た時にブーツがあるといいからね。しかし、また来るのかな。むー、サラマンダーは4日前だから、神が魔物を操る力とやらを回復してるのかどうか。


「お待たせ」


 ソフィーナが出てきて3人揃った。商会の工房へ戻る。


「最後に1本やります」

「うむ」


 弓を握り共鳴。


 ギュイイイィィィーーーン


「では馬車へ行くか」


 商会の前に止めてあった馬車に乗り込む。これはメルキース男爵家の所有なんだね。家紋を覚えたぞ。


「では行ってくれ」


 ミランダが開いた扉から半身になって御者へ伝える。窓は開かない仕様なのか。いや、開いたとしても頭を出すのにちょっと姿勢が苦しいかも。


 馬車は村を出て街道を走る。


「この森が敷地なら移動に馬車が必要だな」

「そうだぞ、どの貴族も敷地内専用の馬車がある」

「へー、そりゃまた」

「客人を乗せて庭を巡るのだ。今日、ウチのに乗せてやろう」


 なんとも優雅なことで。


「しかし、これだけ開発するとなると時間もかかるな」

「3~4カ月だろう。人手をかけて一気にやればそうでもない。工期に影響するのは天気と魔物対応くらいだ」

「そうか、魔物の湧く森を切り開くのだからな。それにしても不思議だ、森だと魔物が出るのに、木を切ると出なくなるのか」

「うむ。それは長年研究しているがハッキリとした結論は出ていない。謎だな」


 確かに。何をもって湧く湧かないの線引きがあるのか。そもそも湧くって何だ。


「魔物ってどうやって生まれるの?」

「精霊石の様に、突然その場に現れるとされている」

「へー」

「しかし現れる瞬間を見た者はいない。例えば森の中で一晩中監視してても、気づいたらそこにいるらしい」

「不思議ね」


 ふーん。よく分からん生命体だぜ。


「そうだ、エナンデルの治療施設に子爵の用事が終わったら立ち寄るからな」

「おお、そうだった、礼を言わないとな」

「あんな大怪我を治してくれたんですもの」


 忘れてた。そう言えば子爵に会う日に行くって言ってたな。


「あの……町に出ると、また俺を狙って魔物が来ないかな」

「どうだろうな、神の魔物を操る力次第だろう。だが、ひとつの仮説はある」

「ほう、それは?」

「ワイバーン2体が5月3日、サラマンダーが5月14日、リオンが神の意志を感じたという魔物が来た日にちだ」

「11日空いているな」

「うむ、Bランク中位を2体、Aランク下位を1体、これを操る力が等しいとするならば、次回それと同等の魔物を仕向ける日は5月25日となる」


 おおー、なるほど。回復に11日要するってことか。しかしサラマンダーってAランク下位だったのか! あれで下位かよ。


「実際にはサラマンダーと共に20体ほどのE~Cランクの飛行系魔物も来た。私の仮説ではその飛行系の魔物を操るのに1日分、サラマンダーが10日分の回復が必要と見る」

「随分と差があるな」

「それほどAランクは別格なのだ、対峙して感じたろう」

「まあな」

「それでお前たちにこれを渡しておこう」


 ミランダは腰のポーチから試験官みたいな水の入った入れ物を取り出す。


「これは、ポーションか」

「うむ、上級品だ」

「うは!」

「各自1本ずつ身につけておけ。使う時は開け口をひねって蓋を取り飲めばいい、まあ大抵の傷は治せるぞ。使用期限は半年くらいだ、日に当たらないよう保管しろ」


 おおー、これがポーション! 無色透明の液体だ。100mlくらいか。


「商会長はサラマンダーの時、ポーションを使わなかったのですか」

「手元になかったからな。馬車に何本か載せてあったがヤツの尻尾で飛ばされた」


 それでもいくらか携行していたんだね。


「ただ手元にあって使っていたとしても戦うことはできない。仮の状態だからな、魔力を使えば傷口が開く」

「あくまで戦闘後の応急措置だからな」

「うむ、それを使って治療できても2~3時間で効果が切れる。治療士のスキルを行使するまでの繋ぎだ」


 へー、ポーションのみで完治はできないんだ。


「リオン、お前は治癒スキルがある。魔力に余裕のあるうちはそっちで治せ」

「分かった」


 魔力なら自然回復するもんね。ポーションは勿体ない。


「もし今日、神が魔物を仕向けても、操る力の回復量が先程の仮説ならワイバーン1体に届かない。そこまで恐れることは無いぞ」

「Bランク下位か、何がいる」

「そうだな、飛行する魔物ならマンティコアやコカトリス、バジリスク辺りか」

「マンティコアは見たことあるな、まあまあデカかった」

「私も覚えているわ、尾から棘を飛ばすのよね」

「うむ、もし出会えばそれに気をつけねばならん」


 うへ、飛び道具があるのか、それはやっかいだ。


「まあリオンの伸剣があれば直ぐ首を落とせるさ」

「うむ、サラマンダーに通ったのだ、Bランクなぞ簡単に切り裂ける」


 確かにトランサイトは手元にあるだけで頼もしい。


「ただ私が神ならそんな中途半端な魔物は仕向けない。やはりAランクだな」

「だよな、俺もそう思うぜ」

「ジルニトラの続報はあるのかしら」

「いやない、ウィルム西の目撃が最後だ。とは言え1日で飛んでこれるからな」

「確かに」

「ジルニトラってどんな魔物?」

「大きさはサラマンダーほどだろう、黒い鱗で覆われている。火も吐くが、全属性の魔法も使うそうだ」


 うわ、魔法! それはやっかい。


「出会ったら最速で首を落とすしかないな」

「うむ」


 うまく狙えればいいけど。


「ところで子爵で思い出したんだが、家令ナタリアか、彼女は西区に花壇を設置すると言っていた。あれの費用は子爵持ちなのか」

「そうだ」

「あら、リオンの報酬から出す話にしてたわよね、いいのかしら」

「よいのだろう。気になるなら今日聞くがいい」

「そうするわ」


 こっちがやりたいことを、名目だけ子爵の指示でしてもらう、だから費用は俺たちと思っていたが構わないのか。まあ、どの道まだ1本も売れてないから直ぐ払えないけど。


「そうだミランダ、ランメルトとイザベラに伝えたぞ」

「うむ、ブラード家も把握する必要があるからな。それで受け入れたか」

「多分」

「もし信じられないと言うなら私が説明してやろう、エリオットも同席してやる」

「そ、そうだな。その方が分かりやすいかもしれん」


 貴族家の者から直接聞けば信じるしかないよね。昨日は俺の共鳴を見せたことくらいで、あとは話の中のことだから。


 身内と言えばディアナの護衛はどうなったんだろう。


「商会長、姉のディアナに護衛はついたのでしょうか」

「取り急ぎ、ラウリーン中等学校付近に不審者が目撃されているとして、保安部隊を数多く配置している。当面これで問題ない」

「何でもありですね」

「いや、不審者は本当にいたことはある。女子の前で下半身を露出する意味不明の男などな」


 あー、異世界でもそんな趣味のヤツがいるのか。


「そんなのディアナなら大して驚かないだろう」

「ダメよ、逃げないと危ないわ」

「そうだ、武器を持っているかもしれん。しかし、そういう性格なのか」

「割と肝が据わってるわね。もっと女の子らしくして欲しいんだけど」

「ははは、流石は村の子だ」


 もし一緒に女の子友達がいたら守りそう。正義感も強そうだしね。


「ソフィーナよ、心配することは無い。ディアナは夏休みが終わればバイエンスの貴族学園へ編入することになるだろう。そこなら正しく貴族令嬢として指導してくれるぞ」

「まあ!」

「無論、警備は最高レベルだ」

「それなら安心だな」


 へー、貴族学園ってあるのか。ですわよ、おほほほ、が飛び交う校舎か。


「冒険者の心得があるならメルキースの士官学校でもいいが」

「あー、騎士はどうかな、聞いてみないと分からん」

「まあ夏休み中に決めるとよい、編入はいつでも出来るが休み明けが区切りがいいからな」


 しかし、ディアナ本人の知らないところで話を進めていいのだろうか。


「商会長、姉がラウリーン中等学校を卒業したいと言ったらどうするのですか」

「それでも構わんが、貴族家令嬢が平民学校に通うと無理が生じる。友人も気を使うだろう。これまでと同じようにはいかんのだよ、それが身分だ」

「ああ、そうなんですね」

「素直に相応しい環境に身を置くことだ。なに、貴族学園とは言え、貴族ばかりではない。金持ちの平民も多くいるぞ。気の合う仲間は必ずいる」


 そっか、まあディアナならどんな環境でも適応しそうだけどね。


「貴族学園のあるバイエンスってバイエンス男爵の領地ですよね」

「もちろんだ。バイエンスは他に伯爵第一婦人の次男が子爵を務めている」

「城のあるエナンデルは伯爵が領主なんですか」

「いや、伯爵第一婦人長男の子爵と、伯爵家ではないが魔導具士の男爵がいる。ちなみに伯爵はゼイルディクの領主だぞ、貴族となるなら覚えておけ」

「ああ、そうでした、失礼」


 エナンデルとバイエンスは伯爵一族でほぼ固めているのか。


「バイエンス男爵は第二婦人の子だったかな」

「うむ、長男だな」

「バイエンスには飲食店は多くありますか」

「沢山あるぞ貴族向けから平民向けまで。メルキースの2倍の人口があるのだ当然だろう。しかしなぜそんなことを聞く」

「姉は休みにメルキースのデノールト地区で色々な飲食店を巡るのが楽しみだそうです」

「ははは、ならバイエンスへ行けば遥かに楽しめるぞ」


 おおー、ならよかった。


「貴族の子供らでも、休みにはミュルデウスやハンメルトへ行き飲食店巡りもすると聞く。あっちならウィルムに本店のある飲食店も店を出している。より様々な味を楽しめるだろう」

「私も昔行ったことあるわ、全然雰囲気違うのよ」

「へー」


 ディアナもそれなら満足出来そうだね。いいじゃん、貴族学園。

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