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ミリオンクォータ  作者: 緑ネギ
1章
84/321

第84話 クラウスの特別契約

「そうだ、商会長、話をするなら共鳴をしてからにします。座ってるだけの時間が勿体ないので」

「では頼む」


 机の上にあった槍を手に取る。む! 杖が増えてるぞ。こ、これはもしや、試験素材なのか、杖なんてどうやるかさっぱり分からん。


「杖が気になるか」

「あ、はい。もしかして試験素材が出来たのですか」

「うむ、杖は特殊なのでな、やや時間が掛かった」


 えー、特殊って、やっぱり難しそう。まあひとまず槍だ。


 穂身を見つめ魔力を流す。


 キイイィィン


 よーし、最初のとっかかりが槍はちょっとコツがいるんだよな。


 キュイイイイィィィーーーン


 よーし、よし。


 ギュイイイイィィィィィーーーーーン


 出来た!


 シュウウゥゥーーン


「ふーっ、完成です」

「しかし、時間の使い方を気にするとは、職人らしくなったではないか」

「ええ、まあ」


 俺の仕事って、ほとんどが休憩だもんな。こういう話す場こそ活用すべきだ。


「ところでクラウス、血は止まったとはいえ放っておけば傷跡が残る。ナタリアとエリオットの話は終わったのだ、今すぐ礼拝堂でしっかり治療をしてもらえ」

「ああ、いや、実はもう完治しているんだ。家でリオンの手によってな」

「なに!」


 クラウスは腕の布をほどいた。


「傷跡が無いぞ、本当に怪我をしていたのか」

「ああ。確か長さ10cm、幅1cmってとこだ。まあ浅い傷だがな、この辺に縦に入っていた」

「ふぅむ、傷を治すこと自体に治癒スキルが必要だが、傷跡を完全に無くすのは、それなりの熟練を要すると聞く」

「うん、あれは魔力を使った、共鳴した後みたいに疲れたよ」

「フッ、やれやれ、エナンデルの治療士が聞いたらどう思うか」


 むむ、そっか、あの人たちは魔力を使い果たして寝ちゃったんだよね。でもまあ火傷だったし、広範囲の傷跡を治療したらそれは極度に疲れるよ。それもあんなにきれいに治したんだから。


「礼拝堂に行ったことにしても問題ないかな」

「治療記録には無い、傷の完治となるからな、向こうからしたら辻褄が合わん。だから知り合いに治療を受けたとしろ、それが誰かなぞ勘ぐったりはせん」

「あー、確かに。その方がいいな」

「リオン、身内の傷なら治すなとは言わんが、そう毎回ごまかせるとも限らん。頻度は考えろよ」

「はい、商会長」


 あ、でもミランダは、密かに伸ばしておけって言ってたじゃんか。傷を治すことこそ貴重な実践だろう、いや他に何かあるんか。その辺の適切な訓練も教えてもらわないとモヤモヤする。


「さて、ミランダ、例の特別契約の商会、追加もまとめてきたぞ」

「おお、助かる」


 クラウスはミランダの前に紙を差し出す。


「……ルーベンス商会は子爵の指示でこれか」

「そう言ってたぞ。もう大して俺の獲得に拘っていないようだ」

「金額を見るとな、ただ予想は出来た。これはクラウスを安く見ていると言うより、誰でも似たような提案なのだろう、そういう方針だ」

「つまり抑えて数を取ると」

「うむ」


 ふーん、まあ分からんでもないけどね。


「クラウスよ、正直、お前の価値を算定するには少々難しい面もある」

「と言うと?」

「気を悪くするなよ、確かにサラマンダーの止めを刺したことは誰もが認める偉業だ。しかし、年齢は35歳。これから伸びるより数年維持して後は少しずつ衰える、無論、それは私もだ。それからコルホル村西区という狭い活動範囲。やはり宣伝効果を期待するには様々なところへ行き、背負っている武器を多くの人に見せる必要がある。お前の置かれた環境では効果が限定的なのだ」

「確かに、その通り」


 うん、そりゃまあ、将来有望な若い冒険者に、あっちこっち行ってもらうのが一番いいよね。前世みたいにテレビ中継されるワケじゃないし。あれ待てよ、じゃあ俺はどうなんだ。


「商会長、俺は訓練討伐しか行きません。見せる人は限られてますが」

「お前はそんなこと度外視だ、名目だ名目、そんくらい分かれ」

「あ、はいー」


 おいおい、ちょっと口が悪いな。クラウディアのことで機嫌悪くなったか。そういや伯爵の席でも椅子を動かすタイミングをワザとずらしてたし。ミランダって、ちょっと気に入らないことがあると直ぐ仕返しするタイプなんだな。まあ、そこが可愛いと見ることもできる。


 可愛い? ……俺は何を考えているんだ。


「だからルーベンス商会ならずとも、そこまで好条件を出す必要はないと考えているのさ。故に高額を提示している商会は、何か別の意図があるとみていい」

「確かに、スヴァルツ商会はコルホル村に工房を構えると言っていた、そして村はこれから目覚ましい発展を遂げると、それを見越しているんだな」

「それなら本気だな。ちなみにラウリーン商会は何か言っていたか」

「いや特段、なあ母さん」

「そうね、サラマンダー素材を希望するなら何としても手に入れるとは言ってたわ」


 おお、そうだった。かなり高価になるんだよね、それでも上限なし。


「フッ、あれはかなり高騰している、それでも用意するなら本気度は高いな。もしや村に支店でも出すつもりか」

「ラウリーン商会はカルカリアに本店があるんだろ」

「うむ、西部のアレリード子爵が経営者だからな。ゼイルディクで言うなら、そうだな、ルーベンス商会みたいなものか、冒険者の間で使用者は多いと聞くぞ」


 ほう、ではよりゼイルディクでもシェアを広げる、その足がかりにするつもりなのか。やはり使用者の少ないところに切り込むには、大きなインパクトが必要だ。クラウスはそれに丁度良かったのだろうね。


「商会の提案はもう来ないだろう。とてもいい情報だった、感謝する」

「ロンベルク商会はやはり、コーネイン商会を意識して来ないのか」

「意識も何も、私が直接伝えている。ああ、言ってなかったな、ロンベルク商会がどんな条件を出そうと、ウチはそれを必ず超えると、つまり絶対に渡さないと宣言したのだ」

「そ、そうか」


 うはぁ、それもういいやってなる。


「トランサイトの莫大な利益が約束されているウチと争う気はないだろう。どこまで釣り上がるのか見たい気もしたがな」

「おいおい、アーレンツ子爵は領主だ、あんまり揉めるなよ」

「フッ、商売でいちいち気を使っていては潰される、これくらいで丁度いいのだ。それに正面切って宣言する方が裏でコソコソやるより印象はよいぞ」


 とか言いつつ、クラウスに情報を集めさせてるミランダ。


「あ、そろそろ、次、やります」

「頼む」


 槍を持って構える。杖は槍が終わってからにしよう。


 ギュイイイイィィィィィーーーーーン


 ふーっ、ちょっと槍にも慣れてきたな。


「さて、クラウス、コーネイン商会からも特別契約の提案をする。条件は2年契約、武器費用全額負担、補修も全額負担だ。契約金は3000万でどうだ」

「もちろん受ける、他に選択肢はあるまい」

「よし、では成立だな。契約書類や手続きはこの際リオンと一緒に行う。今、用意しているのでな。すまんがリオンはもう少し待ってくれ」

「俺はいつでも構いません」


 そうだった、俺の正式契約の手続きがまだだったね。


「ところでミランダ、武器費用全額負担は、どんな素材でも構わないのか」

「構わん……サラマンダーにするか?」

「あ、いや、まあ、興味はあるのだがな」

「フッ、お前の武器が魔物素材な時点で想定はしていた。安心しろ、最も上質な角を仮に確保している。明日中にウチより高額な買い手が付かなければ手に入るぞ」

「おおおっ!」

「まあっ!」


 おー、やるじゃん、ミランダ! 流石は商会長、ちゃんと考えてたんだね。


「ウチの職人も心待ちにしているからな、必ず手に入れる。サンデベール中から聞きつけた貴族が来ようとも、絶対に譲りはしないぞ」

「そんな遠くから来るものなのか」

「サラマンダーはAランクだ、その素材はレア度4に相当する。その中でも頭の中央に生えていた最も上質な角、あれの価値はかなりのものだぞ、欲しがる者は数多くいる、そしてその代金を払える者もな」


 もうなんか、貴族のプライドのぶつかり合いだな。恐ろしい世界だ。


「あ、でもそんな遠くからだと運んでいる間に加工期限過ぎるんじゃないの?」

「リオンはよく知っているな、だが心配はない、一時的にゼイルディクの商会と提携するんだよ、そしてここで作らせる」

「あー、なるほどね」

「剣身さえ完成すればあとは持ち帰ってどうとでもなる。作る職人もサラマンダーの上質な素材に触れるんだ、それだけで価値ある経験となり、商会にとっても利益となる」


 ふーん、売ることが出来なくても十分見返りはあるのね。


「無論、そのような素材を扱える、腕のいい職人を抱えている必要がある。まあゼイルディクの商会はどこでも作れるぞ。ここは冒険者の町、故に魔物素材も多く出回る、加工も出来て当然だ。それを勉強しに他の町からやってくる職人もいる程だからな」


 へー、ゼイルディクって、そういう側面もあるのね。


「よしじゃあ、俺はラウリーン商会の者に伝えてくる。夕方の鐘までに返事をする約束だったからな」

「行ってこい」


 クラウスは工房を出て行った。


「サラマンダーの剣って凄そうね、どんな強さなのかしら」

「ソフィーナも弓をサラマンダーにするか」

「……火属性とも相性がいいでしょうし、興味はあるわ」

「よし分かった、用意してやろう。無論、特別契約でだ、クラウスと同じ条件でいいか」

「……とてもありがたいけど、断るわ」

「ほう」


 え、そうなのか。どうした、ソフィーナ。


「私はそれほど討伐に貢献していないから、その資格に相応しくないと思うの、それに親子3人が同じ商会で特別契約って、ほら、目立つじゃない。ただでさえ注目されているのに、これ以上はリオンの身の安全にも影響すると思うわ」


 おお、なんと真っ当な意見。ソフィーナは冷静だった。


「それにね……最近、ミランダには本当にお世話になってる。今まで知らなかった世界を沢山見せてくれたわ、お城に行けるなんて夢にも思わなかった。でもね、ちょっと出来過ぎ。これ以上うまく進むのは何か怖くなっちゃって。お金の感覚も随分と変わって、その上武器まで新調したらどんな価値観になるのか分からないの」


 なんと、そんな風に感じていたとは。しっかりしてるなあ。


「変な理由でごめんね」

「はははっ! 構わん、その感覚はとても大事なことだ。私とて最初は戸惑ったからな。うむ、ならば特別契約の話は無しにする」

「ええ、お願い」

「しかし、ソフィーナもサラマンダー戦での貢献は大きいと私は見るぞ。明後日のアーレンツ子爵招待の場で褒美がもたらされる。その品がサラマンダーの弓となるだろう」

「えっ、そうなの? じゃあさっきの話を受けたら2本になってたのかしら」

「いや1本だ。なぜなら私が品を提供すると今決めたからな」

「……初めから私に使わせる気だったのね。ふふ、あなたって人は」

「明後日その目録を子爵から受け取ることになる、よいな」

「はい」


 なーんだ、結局そうなるのかよ。ところで子爵の褒美をミランダが勝手に決めてもいいのか、あんた子爵じゃないだろ。きっと、後でどうとでもするんだろうが。

 

「あの、商会長……俺にはサラマンダー何かないの」

「無い」


 ぐふっ、いーもん、仕事をするぜ。


 槍を持って構える。


 ギュイイイイィィィィィーーーーーン


 ふーっ、これ1本でサラマンダー武器何本作れると思ってるんだ! ぷんすか。


「ラウリーン商会に会えた、伝えてきたぞ」


 クラウスが帰って来る。


「父さん、私、サラマンダーの弓を、戦いに貢献した褒美にアーレンツ子爵から貰うことになったわ。その品を提供するのはミランダなんだって」

「はあ? 子爵の褒美なのにか、しかもそんな高価なもの、いいのかミランダ」

「構わん、いい妻を持ったなクラウス」

「あ、ああ、まあな、ソフィーナにはいつも感謝してるよ」


 まあこれで落ち着くならそれでいいか。多分ミランダはそのつもりで素材確保もしてるんだろう。貴族の厚意は素直に受け取るものか。俺もサラマンダー武器、ちょっと気になったけどね!


「そうだ、商会長、クラリーサさん、ララさんのお母さんなんだね」

「うむ、彼女は信用できる、側にいてもらうといい」

「ただ、今日来て直ぐにとはな」

「クラウス、気持ちは分かるが、私が保証する。クラリーサは音漏れ防止の結界も出来る優秀な騎士だ。いつでも利用するといい」

「え、そうなのか」


 ほー、それは凄い。


「実は家でリオンの込み入った話が出来なくてな、それならお願いするか」

「昨夜や今朝のことを聞けば尚更だ。まあ西区で滅多なことは無いと思うが、用心に越したことは無い。だからといって家で気を使うのは疲れるだろう」

「ああ、助かるよ」


 いやー、なかなかいい人選ではないか、流石だなミランダ。そしてまた都合よくいたもんだ。知り合いの身内なら、全くの他人と随分違うからな。


「さあ、もう直ぐ夕方の鐘が鳴る、今日はここまでにするか」

「あーもうそんな時間か、ミランダに聞きたい事がまだあったのだが」

「私もだ、打ち合わせだけでも意外と時間が掛かるからな、特にお前たちに関することは、あちこちで同時進行している。おまけに日々考えることが増えるのだ」

「貴族のお前でも大変だろ」

「フフッ、問題ない、腕が鳴ると言っておこう」


 すまんね、俺が原因なのは分かってるぜ!


「次は、そうだな、明日午前9時にクラウスとソフィーナは商会へ来てくれ。リオンは訓練討伐だ、同伴は誰を予定している」

「フリッツ先生かな、まだ言ってないから分からないけど」

「そうか、まあ大人なら誰でもいい、ああ、トランサイトを知っている人物限定だがな」

「ならカスペルかランドルフもいけるぞ」


 あーしまった、いつも同伴のこと忘れるんだよな。西区に帰ったらフリッツに直ぐ言わないと。


「ところで皆、1つ願いがある」

「ほう、ミランダから願いか、いいぞ俺たちにできることなら何でも」

「リオンが英雄を超える力を数多く持っていること、そしてそれが神に封印されていること、これをエリオットやメルキース男爵へ伝えてもよいか」

「……俺は構わないが」

「私もいいわ」


 そっか、封印の解放に何か考えがあっても、隠していると動き辛いのだろう。


「俺もいいよ。商会長なら言うべき相手もちゃんと分かってると思うし。そもそもそんなこと聞く時点で信用は出来る。黙って他に言っちゃっても分からないもんね」

「はは、そうだな。では必要最低限で信頼のできる相手にのみ話す」

「そもそも英雄の力とか信じてくれるの?」

「……正直、昨日の時点では半信半疑だったが、今朝の治癒スキルで確信となった。クラウスの傷も治ったようだしな」


 ゴーーーーーン


 夕方の鐘だ。あー、色々聞きたい事あったのに仕方ないね。


「じゃあ俺たちは西区へ帰るよ。補修代金の負担ありがとう」

「気にするな」


 工房を出た。


「リオン様、ブーツをお持ちください」

「あ、そうだった」


 ララから受け取る。


「明日明後日と私は休みですから、何かあればブレターニッツへお願いします」

「メルキースへ行くの?」

「え、ええ、まあ」


 ちょっと恥ずかしそうな仕草をする。くっ、お泊りか聞きたいが8歳の子供がそんなこと聞くのは間違いなくおかしい。おっさん思考よ収まれ。しかし、いーねー、デート楽しそう。


「あ、クラリーサさんにはお世話になります」

「いえいえ。今朝、母が商会に来たのでびっくりしました」

「あれ? 事前に伝わってなかったの」

「はい」


 まあ急な配属だったし。


 西区へ向かう。


 ふーっ、明日は久々の訓練討伐だな。しかしクラウディアの件、ちょっといらんこと言っちゃったかも、ミランダにはミランダなりの考えがあるからね。とは言え、そんな目的で一緒に戦うのはやりにくいぞ。


 何だよ、俺に相応しい令嬢に育てるって。クラウディアもたまったモンじゃないな。それが貴族の家に生まれた宿命と言えばそうかもしれないが。


 あー、じゃあ、ディアナはどうなるんだろう。案外ソフィーナも貴族教育に目覚めるかもしれん。それが原因で親子の関係が悪くなるのは避けたいところだ。まあ、いらん心配か。


 食堂では半分ほどの住人が残っていた。あ、フリッツ。


「先生、明日の訓練討伐、同伴いけますか」

「もちろん」


 良かった。多分、そのつもりで空けてくれてるんだろうけど。フリッツも家令となるならその準備も必要だろうし、あまり長時間拘束させるのは悪いな。今度からカスペルに頼むか。


 食事を済まし家に帰る。


「お帰り、皆さん」

「あ、クラリーサさん」


 そうだ、結界をお願いしよう。


「クラリーサ、家に入ってくれるか、頼みがある」

「喜んで」


 クラウスもそのつもりだったみたい。


 家に入って居間に座る。


「ミランダから聞いた。音漏れ防止の結界が出来ると」

「ああ出来るよ、今から必要かい?」

「すまんが頼む、2時間いけるか」

「3時間にしてあげるさ」


 クラリーサは机の上で手を広げしばらく止まる。


「……この机の中心から半径3m、効果は3時間だよ」

「すまない」

「いいんだよ、そのために来たようなもんだから、毎日やってあげるよ」

「そうなのか、助かる」

「ああ、でも明日は夕方まで村にいないけどね」


 なんだ、配属翌日から離れるのか。俺にくっつく役目はどうなった。


「では失礼、ああそうだ、私はリーサでいいよ、敬称も不要だ。町では子供たちからもそう呼ばれていたからね」

「分かった、リーサ」

「じゃあね」


 クラリーサは去った。


「念のため確かめる。リオン、玄関まで行ってくれ」

「うん」


 玄関扉から居間のソファに座ったクラウスとソフィーナを見る。2人とも何かこっちに向かって言っているようだが、ただ口をぱくぱくさせているだけで声は聞こえない。へー、凄いな。クラウスが手招きをしたので側に戻った。


「全然聞こえなかったよ」

「よし、これで気兼ねなく話せるな」


 結界も便利だなー。出来れば封印を解除したいところだ。あー、でもこれ、もし強盗とか入って周りに助けを求める時困るな。1人の時は利用しない方がいいだろう。

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