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ミリオンクォータ  作者: 緑ネギ
1章
75/321

第75話 商会の提案

 コーネイン商会に到着。


「いらっしゃいませ、これはリオン様、お待ちしておりました」

「ララさん、こんにちは。ミランデルとブーツの補修をお願いしに来ました」

「商会長より聞いております、手続きがありますので、そちらへお掛けになってお待ちください」


 玄関付近のソファに座る。ほどなくメシュヴィッツがやってきた。


「預かり証へサインをお願いします。料金は不要ですので」


 サインする。


「ありがとうございます。仕上がりですが、その、ハッキリしたことは申し上げられません」

「え?」

(トランサイトの補修は誰もやったことがありませんので)

(あ、そっか!)


 彼女はしゃがみ込んで顔を近づけ小声で伝えた。ちょっといい匂いがしたぞ。


「恐らくは明日中にお渡しできるかと。ブーツは間違いなく仕上がります」

「分かりました。ブーツも剣と一緒でいいですよ」


 あ! そういや明日は訓練討伐だった。どうしよう。


「承知しました。では工房へ運び、代替武器を持って直ぐ戻ります」

「あ、貸してくれるの」

「はい。貸出も無料です」


 なーんだ、じゃあそうさせてもらおう。


 メシュヴィッツはカウンターの店員と一緒に、武器とブーツを持って奥へ消えていった。あの広間に持っていったんだな。ほどなく彼女は戻ってくる。


「トランサス合金、剣身50cmです。どうぞお持ちください」

「トランサス……ええと」

「あいにく子供用はこの品だけでして、リオン様には不釣り合いですが、どうぞご容赦ください」

「ああいや、そうではなくて……」


 メシュヴィッツに手招きをして顔を近づけてもらう。


(返すときにトランサイトにしても構わないの?)

(全く問題ありません!)


 彼女はそう囁き、顔を上げてニッコリとほほ笑んだ。


「分かりました、使わせていただきます」


 コーネイン商会を出る。


「そうか、訓練討伐だったな」

「うん、ブーツは無くても何とかなるよ」

「しかし、雨かもしれんぞ、朝までに上がっても足元次第では難しいな」

「あーそうだね、ギルドに寄って聞いてみようか」

「その途中、ルーベンス商会に寄っていくぞ」

「父さんの武器だね、分かった」


 中通りを横切り北へ歩く。


「いらっしゃいませ、おお、これはクラウス様! 先日のご活躍、当商会としても誠に誇らしい限りです」


 ルーベンス商会へ入るとアッケルマンが出迎えてくれた。


「クラウスだって?」

「サラマンダーをやった住人か!」

「おお、西区なんだってな」


 ザワザワ……。店内の客が騒がしくなる。


「武器の補修を頼みたい」

「承知しました、手続きがありますので奥へどうぞ。私は書類を持ってまいります」


 カウンター横の応接スペースへ向かう。


 ……。


 ソファに座って待つが、アッケルマンは奥に引っ込んだまま出て来ない。おーい、何してるんだ。


「申し訳ありません! 大変お待たせしました!」


 小走りに彼はやってきた。


「実はクラウス様、支店長から話があるのですが、お時間は構いませんか」

「……リオン、いいか」

「うん」

「分かった、支店長の話を聞こう」

「ありがとうございます! では2階へご案内します」


 アッケルマンについて2階へ上がる。むむ、何の用事だろう。


「お連れしました!」

「どうぞ」


 中に入ると低い机とその両側にソファ、奥には大きな机と高そうな椅子。そこに40代の女性が座っていた。


「どうぞお掛けになってください」


 俺たちがソファに座ると、向かいにアッケルマンが座り、隣りに女性が座る。


「私はルーベンス商会コルホル支店、支店長のハーンストラです」

「クラウス・ノルデンだ、こっちは息子のリオン」

「いつも当商会をご利用いただき、誠にありがとうございます。先日のサラマンダー討伐は見事でありました。その首を落としたのが、当商会の武器であることを誇りに思います」


 あー、この流れはもしや!


「それで早速ですが、クラウス様には当商会との特別契約を提案したいのですが、いかがでしょうか」

「え!?」


 やっぱり! これは面倒なことになったな。


「特別契約はご存じのことと思いますが、契約金をお支払いし、一定期間、当商会の武器をお使いいただくことです。次にお作りいただく武器の代金は商会が負担しますし、契約期間内の補修代金は不要ですよ。悪いことは無いと思いますが、どうでしょう」


 どうもこうも、次はコーネイン商会で作るんだもん。


「どうして俺を?」

「それはもちろん、サラマンダーを倒した英雄ですから! 今とても注目されてる剣士でございますよ、ですから、当商会としても応援させていただきたいのです」

「なるほど……具体的な条件は?」

「そうですね、契約金は800万、期間は2年でしょうか。次回の武器も400万までは商会負担、それを超えますと申し訳ありませんがお客様負担となります」


 え、800万? 功績に対して安すぎないか。次の武器も400万までって上限あるのかよ。なんだかケチ臭い契約だな。いや、そんなことより、次はコーネインで作るってミランダに言ってたじゃないか。


「俺の価値はそんなものか」


 !?


「これは失礼いたしました。契約金1000万、次回武器上限600万でいかがでしょう」

「……リオン、帰るか」

「お待ちください、これ以上は商会長に相談することとなります。ご存じの通りフローテン子爵がルーベンス商会長ですので、直ぐにとはいきません。明日中には回答をお伝えできるのですが」

「そうか、好きにしてくれ。リオン帰るぞ」

「うん」


 俺たちは武器を持って立ち上がる。


「では、失礼する」


 バタン。2階を降りて商会を出た。


「ギルドへ行くか」

「……うん」


 クラウス、何だか不機嫌だな。


「父さん、怒ってる?」

「……いやな、俺はこれでも、ルーベンスの武器しか使ってこなかったんだよ。それこそ養成所の頃からだ。それなりに売り上げにも貢献してきたつもりだった」


 あー、まあねぇ。でも向こうからすると数いる客の一人だからねぇ。


「まあ、所詮その程度の認識だったワケだ。よく分かったよ」

「ほんと、特別契約にしては安すぎたね」

「リオンのお陰で相場を知っていたからな。そうじゃなければ喜んで契約してただろう」


 俺で1000万だからね。クラウスとソフィーナに振り込んだのを含めると3000万、あまりに安く見られたもんだ。流石にプライドが傷ついたか。


「お、俺はかなり特異な例なんだよ、父さんは、その、評価されてると思うよ」

「そうか、ならいいんだが」


 んー、妙な空気になってしまった。何故だ。そうだ、ルーベンスが悪い!


「しまった、勢いで出てきたが、武器の補修を頼むんだった」

「あー、そうだね」

「……この際、俺もコーネインでやってもらうよ、すまんが引き返してくれ」

「ああ、うん!」


 中通りを横切り、コーネイン商会へ向かう。


「いらっしゃいませ! あら、何か忘れ物でしたか」

「いや、武器の補修を頼もうと思ってな、俺の武器だ。別の商会で作ったのだが、頼めるか」

「もちろんでございます! 書類をお持ちしますので掛けてお待ちください」


 玄関横のソファに腰かける。む、客の騎士が1人近寄ってきた。


「クラウス・ノルデンか」

「そうだが」

「先日の活躍、見事であった。そなたの力がなければ副部隊長も危なかったのだ。礼を申す」

「……ああ」


 そう言って騎士は出て行った。感謝してるのに偉そうだったな。

 でもちょっと面白い。ルーベンス商会とは客層が違うから、クラウスへの反応も違ってくるのね。


「お待たせしました。こちらにサインをお願いします」


 クラウスがサインをする。


「ありがとうございます。仕上がりは武器の材質や状態によります」

「ああ、いつでも構わない」

「では、代替武器をお持ちしますので」


 メシュヴィッツは奥へ消えた。


「早速来たか」

「商会長!」


 奥からミランダが出てくる。


「クラウスの武器はルーベンスではなかったのか」

「それがな」

「ほう、何かあったか、よければ聞かせてくれ」


 ミランダがソファに座って来たのでクラウスは経緯を話した。


「はっはっはっ! 随分と安く見られたものだ」

「やはりか」

「明日か、子爵の提示する金額が楽しみだな、はっはっはっ!」


 そんなに笑うなよ、クラウスが可哀そうじゃん。


「あ、ララさん、ごめんなさい」

「いえ、お気になさらずに」


 メシュヴィッツが少し離れて話が終わるのを待っていた。


「それがクラウスの代替武器だな」

「はい」

「プレシューズ合金か、構わないか」

「ああ十分だ」

「さっき裏でお前の武器を見たが、大きく欠けていたな」

「サラマンダーは硬すぎた。ミランダの武器も同じようなものだろう」

「まあな、私も補修中だ。お前のは明日には直る。リオンのもいけそうだぞ」

「え、そうなの」


 ちょっと試してくれたんだね。トランサイトでも大丈夫みたいだ。


「クラウス、他の商会が同じように話を持ってくるかもしれんぞ」

「特別契約か」

「うむ、それで条件を聞き出し、よければ教えてはくれぬか」

「それは構わないが、どうするつもりだ」

「まあ、ちょっとな」


 もう、この人、何考えてるんだか。


「では頼んだ」


 商会を出る。


「ギルドへ行くか」

「うん」


 中通りを北へ歩く。


「商会長、何考えてるのかな」

「知らん、ただ、世話になってるからな、協力できることはするさ」


 冒険者ギルドへ到着。


「あら、クラウス! ちょっと、支所長ー! クラウスが来たわよー!」


 受付のおばちゃんが奥へ叫ぶ。そんな大声で名前を呼ぶから、他の冒険者が出てきたじゃないか。


「あんたがクラウスか!」

「すげぇな、サラマンダーをやるなんて!」

「Aランクの魔物よ! どうやって倒したの!」


 次々とギルド前に人が出てくる。おいおーい、収拾つかんぞ。


「ええい、キミたち! 散れ! 私に用事があって来たんだ」

「なんだよ支所長、話すくらいいいじゃないか」

「そうよ、英雄なんだから!」

「分かった分かった、後でな。ささ、クラウス、リオン、中へ入れ」


 受付カウンターの中に案内され奥の部屋へ。ほー、ギルドの内側に入るの初めてだ。


「ここだ」


 部屋に入る。扉のプレートには支所長室と刻んであった。


 手前に低い机、その両側にソファ、奥には大きい机と椅子。もうこれ管理職の部屋の定番の配置なのね。あー、奥の窓の上にはゼイルディクの文字が大きく掲げられている。冒険者証の字体だ。あれはカッコいいな。


「よく来た、まあ座ってくれ」


 そう言うと、何を思ったかアレフ支所長は部屋から出ていき、しばらく帰って来ない。


「放置されたね」

「ああ」


 ほどなく彼は帰って来る。手元のトレーには紅茶が入ったカップが3つ載っていた。


「いやー、すまない。茶を出せと言ったら、自分でやれと言われてな、はは、私が入れたんだが、よければ飲んでくれ」

「いただきます」


 はは、立場の弱い支所長か、何だか憎めないキャラだね。


「支所長、ここに来たのは訓練討伐の日程を確認したかったのです」

「ああ、そうかそうか、明日だったな。だが恐らく中止だ、雨が降りそうだからな。明日朝に最終決定する、7時だ。その時雨が降っていたら言わずもがな」

「分かりました、では失礼します」

「おいおい、昨日の話を聞かせてくれよ」


 クラウスは上げかけた腰を下ろす。ぷぷ、実はちょっと苦手なんだな。


「アーレンツの通りを馬車で走っていた時のことです……」


 それでもクラウスは丁寧に経緯を話した。


「いやー、素晴らしい! 村の誇りだよキミたちは! 今の話を紙にまとめてギルド内に貼り出しても構わんか」

「それはいいが、貼る前に念のため見せてくれ」

「ああ、分かった」


 うむ、それがいい。謎の脚色は十分あり得る。


「じゃあ、忘れんうちに今から書く、すまんが見送れん」

「はは、勝手に出るよ、ではな」


 支所長室を出る。段取りは変だけど熱意は伝わるね。面白い人だ。


「話は終わったかい、ここから出てくれよ」


 受付カウンター脇から外へ出る。


「もう帰るか、中に入ったら冒険者に捕まってしまう」

「そうだね」


 足早にギルドから離れる。さっき支所長に話したことをまた話すのは疲れるね。でもまあ、数日はこんな感じだろう。それだけのことをやったんだ、仕方ない。


 中央区を出て西区へ続く道を進む。


「あ、フローラさんじゃないかな」

「そうだな」


 西区城壁近くの圃場でフローラが野良仕事をしている。


「こんにちは!」

「おや、あんたらかい」


 俺たちに気づいたフローラが近寄ってきて小声で話す。


(サラマンダーの首はトランサイトで切ったのだろう)

(え、あー、首回り半分かな、届かなくてさ)

(はは、そうかい。それで商会の話は進んだのかい)

(んー、まあまあかな)

(それじゃ次の議会だね)


 お、それを知ってるのか。この人、そういう世界好きなんだね。


 フローラに手を振り西区へ帰る。


「ただいまー」

「お帰り」


 奥からソフィーナが出てきて居間に3人座る。


「武器、明日には直りそう?」

「そうだな」

「あ、俺、先生に話があるんだ、ちょっと出てくるね」

「……待て、俺も行く」

「あ、うん」


 クラウスと家を出る。


「リオン、その、お前はもう要人だ。あまり一人で行動するな」

「あ、そっか、分かった」


 まあ西区でどうこう無いだろうけど、念には念を入れないとね。うん、もう親子だけの保護責任の域を越えた広がりだ、俺に何かあると多くのところに影響がある。それをクラウスは感じているんだ。


 城壁の階段を上がる。


「こんにちは」

「おお、リオンか、それにクラウスも、昨日は大変だったな」

「ああ、死にかけたよ」

「はっはっは、何せサラマンダーだからな、しかしよくやった」

「フリッツ、ボスフェルトの養成所がやられたそうだ」

「うむ、聞いたぞ、直ぐに見舞金は送ったが、若い力が失われるのは辛いな」


 冒険者の卵たちも立ち向かったのかな。でも相手が悪すぎた。


「さ、俺は下りる。1時間くらいしたら迎えに来るよ」

「ほう、だがリオンは1人でも家に行けるだろう」

「いや、来る。リオンは俺が付く」

「……分かった」


 クラウスは見張り台を離れた。


「どうした」

「多分、俺の身を案じてくれてるんだ、1人にさせないように」

「なるほど、しかし伯爵から護衛の話はなかったのか」

「うーん、昨日は無かった、また家令なりに伝えるんじゃないかな」

「そうか、ところでここに来たのは込み入った話があるからか」

「その通り」


 ミランダに大人の記憶や英雄の力を話すか聞いた。


「ふーむ……お前が話したいなら止めはせんが」

「あれ、フリッツは止めた方がいいと」

「ミランダが封印の解放に躍起になる懸念がな」

「あーまあ、それは可能性あるね」


 確かに、貴族なら最適な環境を用意できるだけにね。


「ワシの考えではな、大人の記憶は言わんでもいいと思う、それで英雄の力はミランダの他に、クラウスとソフィーナにも伝えたらどうだ」

「そうだね、もう隠す必要性は感じられない。ミランダは大丈夫かな」

「まあ大事な職人だ、加減はするだろう」


 うん、昨日も俺を最初に逃がそうとしてくれたんだ。無茶はしない。


「だが話す時期は少し開けたらどうだ。このところトランサイト絡みで動くことが多い。少し落ち着いてからでも」

「サラマンダーは俺を狙っていた、あれは間違いなく神の差し金だよ」

「確かに広いゼイルディクの中であの場所に降り立ったのだ、偶然にしては出来過ぎる。なるほど、村にいると更なる脅威が、そして町に出るとそこが戦場になる、そう認識させるのだな」

「うん」


 それを把握していれば心構えにもなる。


「では今日話すか、傷の完治を待っている時間に丁度良かろう。ミランダに伝えれば直ぐに予定を決めてくれる」

「実は今、中央区から帰って来たところなんだよ、また行くならクラウスもついてくるだろうし、何の話かと聞かれたら答えづらい」

「そうか、ならワシが行ってやる」

「すまないね」


 声を掛けられるのが少ししんどそうだし。もうウロウロしない方がいい。


「ではクラウスが上がって来て一緒に下りたらアルベルトを呼んで来い、見張りを代わってワシがミランダに会いに行く」

「何て言うの?」

「重大な案件がある、とでも言うか」


 はは、またかと思われるね。


「彼女はその場で時間と場所を指定するだろう。それを直ぐ伝えにいってやる」

「分かった、手間かけるね」

「森を見るのが飽きてきたところだ、丁度いい」


 あ、雨が降り出した。少しだけど。


「ところで伯爵との話はどうだった、孫との婚約を引き合いに出してきたか」

「あー、それはもう、随分違う方向になりそう。まず叙爵するのはクラウス、15歳じゃないと貴族になれないんだって、だから俺の代わりさ」

「なんと! はっはっはっ! そうか、そうだったか! いや年齢制限があるのは知らんかった。なるほど、それはクラウスも戸惑ったことだろう」

「うん、でも直ぐ覚悟を決めたよ。ミランダも協力するってさ」


 フリッツのお陰で少しは心の準備があったからね。


「お、楽しそうだな」

「おー、クラウス、お前、貴族になるのか」


 見張り台にクラウスが来た。


「その話をしてたのか、ああ、初めは男爵だとよ」

「となるとコルホル男爵だな、いやー、はっは、これは大変なことになった」

「他人事みたいだが、フリッツ。あんたに家令を頼むことになるだろう」

「は!? ワシが家令? 何を言っておる」

「真面目な意見だ。ミランダの勧めもあってな、確かに考えるとフリッツが適任だ」


 フリッツは真顔で固まる。ははは、こんな表情見たことない。


「……色々考えがまとまらん」

「まあ家令ではなくとも、執事なりなんなり、領地や屋敷に関係する任には就いてもらう。俺に人事権があるからな、逃さんぞ」

「……これはまた、随分と話が進んだのだな。フッ、いいだろう、お前の望む役割を全うしてやろうではないか」

「すまない、側で支えてくれ」


 2人はいい顔で向き合う。


「まさかの話で驚いたが、少し頼みがある。リオンと下りてアルベルトを呼んできてくれぬか」

「分かった、行こうリオン」


 クラウスと階段を下りた。


「先生が家令なら安心だね」

「ああ、信頼できる男だからな」


 レーンデルス家に到着。


「こんにちは!」

「あ、リオン!」


 ミーナが駆け寄って来る。居間にはアルベルトとエリーゼ、そしてエドヴァルドもいた。


「クラウスも一緒か、どうした?」

「フリッツが上がって来いだとよ、アル」

「なんだよ、もう飽きたか。分かった、行く行く」


 ぶつぶつと言いながら支度をするアルベルト。はは、それでも素直に従うんだね。


 俺とクラウスは家に帰った。

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