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ミリオンクォータ  作者: 緑ネギ
序章
16/321

第16話 スキル

 カスペルと見張り台で並んで座る。スキルの話はとても興味深く改めて前世の常識が通用しないと実感した。


「じいちゃん、いつまで見張り台にいるの?」

「さあの、ウチのもんがそのうち来ると思うが」

「特に時間を決めてないんだね」

「夕飯までには誰か来るだろうて」


 座ってるだけとはいえ1人で長時間この場所に留まるのはキツイ。なんだか無駄に時間を過ごしてる気がする。もちろん重要な役割なんだけどね。


「リオンよ、明日が洗礼と言ったな。まだスキルは分からんが、やりたいことはあるか?」

「やりたいこと……うーん、よく分かんない」

「仕事は何を知っとるかの?」


 仕事か。リオンの記憶の中ではどれが仕事なのか正しく認識してないよね。ただ前世の記憶が戻った後に見聞きした範囲なら割と知ってる。


「今のところ知ってるのは、冒険者、農家、浄水士、排水士、料理人、それからえっと、防除士、除草士、殺菌士、殺虫士、肥料士、散水士、耕起士……」

「おお、よく出てくるな」


「あとね、騎士、農業ギルド職員、冒険者ギルド職員、雑貨屋、宿屋、司祭、治療する人、それからー、うーん、素材屋、馬車の人」

「中央区の人たちだな」


 物を作る職人もいるだろう。


「武器を作る人、お家、家具、食器、えっと、魔導具を作る人、城壁を作る人、それからー、服、羊皮紙、羽根ペン、インク、そういうのも作る仕事があるんだよね」

「いかにも」

「あとそうだ、養成所の教官!」

「はっは、そうだな」


 想像する分にはまだ出てくるがヤブヘビだな。この世界にある仕事とは限らないし。


「その中でどれに興味がある?」


 まずやっぱり衝撃を受けたのはクラウスの猪退治だ、冒険者すげーと思った。後は浄水士、それから除草士だ、根こそぎ種までって有能すぎる。


「やっぱり冒険者、戦ってる姿はかっこいいし頼もしいよ。それから浄水士、地味な仕事だけど絶対外せない、安定してそうだし。あとは除草士、草だけ枯らすって難しいけど完璧にこなせたら気分いいかなって、そんなところかな」


「ふむふむ、なるほどな。浄水士が安定してるのはその通りだ、目指す人も多いぞ。それから除草士も気に入ったか、ウデのいい除草士は稼げるからの」


 浄水士って人気あるのか、やっぱ安定だよね。そんで除草士は稼げる、難易度は高そうだけど。


「リオン、冒険者というのはな、正直言うと最後の選択肢で構わない」

「どうして?」

「そんなの危険だからに決まっとる」


 まーそうだよね。


「その分、稼げるがな。もちろん腕前が伴っての話だぞ。大物を仕留めたら仲間で割ったとしても多額の報酬が手に入るし、魔石や素材も稼ぎになる。あとは討伐ついでに精霊石も拾えるから実のところそれだけでも食っていく分は困りはせん」

「あ、聞いたよ! 父さんが昔、貴重な精霊石を見つけたってね!」

「ほうそうなのか」

「半年分の稼ぎだって」


 食堂で話してたから誰かに伝わっても問題ないだろう。


「それは希少な鉱物を含んでいたな。ワシの周りにも運がいいヤツはおったぞ。精霊石か、雨上がりに川へ入ってずぶ濡れで探して、そこへ魔物が来るわで、みんな泥まみれでぐちゃぐちゃになって戦ってたな。はっは、バカなことしとったわい」


 出た! 雨上がりの風物詩、上流から流れてきた精霊石探し。


「聞いたよ! こないだの若い冒険者たちも西区の先にある川が目的だったって」

「ワシらもあのくらいの頃はよく行ってたぞ」


 多くの若い冒険者が通る道なのだろう。それに宝探しするイベントみたいなノリもあって仲間内で色々と盛り上がりそうだ。


「冒険者のいいところはどこの町へ行っても仕事があることだ、魔物はどこにでもいるからの。そして色んな町に行って多くの人と出会い沢山の経験をする。そういう人生を送りたいなら、うってつけの仕事だな」

「あー、そういうのもいいかも」

「その分、危険で不安定で他の仕事に比べれば信用も低い、いつどこに行くか分からないからの」


 確かにフラフラしてる印象だ。


「それに冒険者というのはな、他の仕事に就けないヤツがなる、言わば最後の受け皿という側面もあるんだ。だから色んなヤツがいる、ワケありとかな」


 はー、そうなんか、犯罪歴ありとか逃亡中とかかな、まあいい理由じゃないよね。


「ほとんどはマトモな人間なんだが、たまーにクセの悪いヤツもいる。大概はすぐ居なくなるがの」

「じいちゃん色んな人と絡んだんだね」

「まあの、でも面白かったぞ、いい人生経験にはなる。役に立つかは知らんが」


 人を見る目が養われる? かな。まあ話のネタにはなるな。


「それでだ、まずは冒険者じゃない仕事を目指してみろ。それでうまく仕事にありつけたら極めればいいし無理だったら冒険者になればいい」

「分かった! まずは冒険者じゃない道を考えてみるよ」

「それがいい」


 冒険者が多いこの村で冒険者をディスるカスペル、いいのかそれで。言わんとしてることは分かるけどね。


 クラウスは宿屋で冒険者に囲まれて育ったから分かるけどソフィーナはどうして冒険者になったのだ。彼女は美人で賢い、他に就けそうな仕事がありそうなもんだが。スキルの関係なのかな。


「ねえじいちゃん、浄水士は水属性スキル、除草士は死滅スキルがあればいいの?」

「水属性は今でもあるぞ」

「え、あ、そうか」


 水の精霊石から水を出せるんだもんな。なんだ既にあるのか。


「生まれながらにして4属性のスキルは皆持っておる、かなり低いレベルだがの。逆に言うとその低い4属性しか無いんだよ」

「あーじゃあ4属性は洗礼でスキルレベルが上がるの?」

「そうだ、ワシは水属性が特に伸びた」

「へー、じゃあ浄水士できたかもしれないね」

「それがそうもいかん」


 水レベルが高いだけじゃダメなのか、そういや散水士は水の出し方が違うって聞いたな。


「洗礼で必ず覚えるスキルに測算というのがあっての、これの鍛錬が必要なんだよ」

「測算って基礎スキルだよね」

「うむ、それを使った正確さが浄水士には必要なんだよ。ワシは残念ながらうまくいかんかったの」


 正確さかー、貯水槽に入れる量、風呂のお湯の温度、そういうとこかな。確かに日によって湯加減が違うのはやだな。


 必ず覚えるか。


「測算の他に覚えられるのは何?」

「操具、斬撃、衝撃、打撃、射撃だ。操具は道具の扱いに関するスキルだの」

「あ、耕起士に必要なスキルだったね」

「鍬じゃなくても道具を扱うなら大事だぞ、冒険者だって武器が道具だからな」

「へー」


 ということは道具を使って物を作る職人はレベル高い方がよさそうだな。


「他のは?」

「4撃性スキルと呼ばれる戦闘スキルだ。武器に置き換えるとだな、斬撃は剣、衝撃は槍、打撃は斧、射撃は弓、だな」

「あーなるほど」

「弓を扱うなら射撃の派生スキルである弓技を鍛えるとよい。射撃スキルが高かったら覚えられるぞ」

「へー、じゃあ斬撃が高かったら派生の剣技も覚えてるってことかな」

「その通り」


 なるほど武器種は派生スキルにあるのね。そう言えばソフィーナは火属性と射撃が高いから時間が掛かっても火でできた矢が撃てるらしい。魔導士も4撃性スキルによってできることに影響があるのだろうか。


「4撃性スキルは剣とか弓の武器だけ? 魔導士には関係ないのかな」

「お、いいとこに気づいたな、これが大有りなんだよ」


 ちょっと教えてもらったんだけどね。


「斬撃は刃、衝撃は針、打撃は球、射撃は矢、多少それぞれ属性にあった形状の違いはあるが、精霊石から出した力を形にして攻撃することができるんだ」

「じゃあ、えっと……火と打撃で、火球!」

「そうだそうだ!」

「おおーなるほど! そしたらー、風と斬撃で切り裂く突風の刃!」

「そうそう、そんな感じだ」


 へー、組み合わせでできること変わるって面白いな。ちょっと厨二っぽくなるのがアレだが。ファンタジーだからいいよね!


「じいちゃんは何ができるの?」

「氷の矢だ(ドヤァ」

「……かっこいい」

「今は出来んがの」

「ありゃ、そうなの」

「魔力が落ちたからのう。まあ出来た頃も矢を作り出すのに時間がかかって実戦では使い物にならんかった」


 ソフィーナと同じこと言ってる。


「ちなみに火、水、風、土の4属性は生まれながらにして持ってるから生涯スキルなんて言われとるの」

「生涯スキルか、へー」

「そして斬撃、衝撃、打撃、射撃の4撃性と、操具、測算は洗礼で必ず覚えるから、まとめて洗礼スキルなんて言われとるぞ」

「洗礼スキル、なるほどねー、後のは?」

「後は追加スキルとか専門スキルとか特異スキルとか呼ばれておる」

「統一されてないんだね」

「勝手に言ってるだけだからな」

 

 でもそっちのスキル群があれば選択の幅が広がっていいな。


「まあ生涯スキルと洗礼スキル、これのどれか1つは高いからそれだけでも普通に生活するくらいは十分稼げる」

「そっかー、俺はどれが高いのかなー」

「その他のスキルは何を覚えるかはお楽しみだ」

「うん、死滅あるといいな」


 ゴーーーーーン!


 夕方の鐘だ。


「おやもうそんな時間か、ウチの連中は何をしとるんだ」

「俺が見てこようか」

「そうだの、すまんが行ってくれるか、誰かに伝えたらお前は夕食に行くといい」

「うん!」


 見張り台を出て城壁を下りる。あ、階段をイザベラが上がってくる。


「あらリオン、じいちゃんはいるよね」

「うん、まだか! って言ってたよ」

「うひゃー、ま、いいか。リオンが一緒にいるみたいだから退屈しないだろうってほったらかしてたの」

「それは、ええと」

「ずっと話し相手になってくれてありがとね」

「俺も楽しかったよ」


 イザベラとすれ違い階段を下りる。放置されるカスペルがちょっと可哀そう、俺も噛んでたからなんとも言えないや。でもだって見張り台はお話しするのに凄くいい場所なんだもん。


 これって他の家の当番の時に行ったら流石にマズいかな。ブラード家の隣りは誰だっけ、小さい子供がいたような気がする。まあ全然親しくないし止めとくか。同年代の子供がいれば多少は顔見たことあるんだけどな。


 フリッツって上がるのかな。レーンデルス家は4日後か。


 前世の記憶なー、話してもいいんだけど信じてくれるかなー。なんたって異世界からだし。それ前提で話せる相手がいれば正直気が楽なんだよな。


 ただどんな反応されるかちょっと不安だな。そう、忌み嫌われるような態度になる可能性もある、この世界の知らないことはまだまだ多いんだ。うん、そうだな、地球で身近にそんな子供いたら怖いわ。魔法の世界から異世界転生してきた中身はおっさんですって。


 ああ、怖いわそれ。間違いなくウチの子は近づけさせたくない。いやむしろ自分の子供がそんなこと言いだしたら、うわー怖い、無理だ。これは絶対周りに知られないようにしないと。今まで何となく隠してきたけど正解だった。


 でもフリッツぐらいなら。んーまあ、お話を聞いてて、いよいよごまかし切れなくなったらでいいか。この世界のこと知りたいからフリッツ講義はこれからも受けたいんだよなー。


 などと考えながら家に帰るとクラウスとソフィーナがいた。


「遅くなってごめん」

「見張り台で鐘を聞いてからならこんなもんだろ、さ、メシ行こうか」

「うん、あ、その前にトイレ」


 便座に座って用を足しながら考える。


 この2人は気づいてないのか。クラウスはちょっと鈍感なところがあるから大丈夫だろうけど、ソフィーナは怪しく思ってるだろうな、でも言わない方が絶対にいい。


 学校行くのが10歳になる年だったな。ディアナは3月から向こうに行ったんだっけ。村から離れれば多少言動おかしくてもごまかせるか。それまであと2年弱、ボロを出さずに過ごせるかどうか。まーそん時はそん時だ。


 食事を終えて家に帰る、次は風呂だ。


「ちょっとトイレ」


 足早にクラウスが1階のトイレに入る。


「うわ! やってしまった!」

「なにかあった?」


 トイレで騒ぐクラウスにソフィーナが問いかける。


「大丈夫、洗うから」


 なにやら汚した模様。あ、アレか!


「俺の前に入ったのは誰だ?」

「はい」


 手を上げる。食事の前に俺が入ったんだ。出る時に考え事をしてて洗浄棒を戻すの忘れてた。


 洗浄棒。


 それは前世でいうシャワー式トイレの洗浄ノズルだ。用を足した後にリモコン操作でノズルが出てきて洗浄、終わればノズルは引っ込む。なんと似たような設備がこの世界にもあるのだ。


 と言っても仕組みはシンプル。便座の中に突き出た棒の先に水の精霊石が取り付けられていて、用を足した後に魔力を送れば水が出て洗浄してくれる。その精霊石がついた棒を洗浄棒と呼び、これがノズルに相当する部分だ。


 もちろんリモコンなんて無いから手動でその洗浄棒の出し入れを行っている。便座の右側面に開いた穴に洗浄棒が貫通してるので、洗浄したい時は外側に出た棒を押し入れる。洗浄が終わったら棒を引いて元の位置に戻す運用だ。


 そう、俺は棒を戻すのを忘れていた。そしてその後入ったクラウスが用を足したため洗浄棒の精霊石の上に用を足してしまったのだ。棒が便座内に出てると座る前に気づくがクラウスは急いでいたので気づかなかった。


 急いで座る、それ即ち緩い。手洗い場の精霊石で汚れを落としたみたいだ。


 さて今回の事例でも手間が増えて面倒なのだが、もっと大変な手間がかかる事例もある。そう、洗浄棒の上に用を足したことを気づかないまま、洗浄棒の精霊石に魔力を送り水を出してしまったとういう悲劇が……。


 今回クラウスは用を足して洗浄棒を押し込もうとしたら既に入っていることに気づき、尻を上げて確認したのだろう。悲劇は免れたようだ。


「リオン、戻すの忘れないようにな」

「うん、気を付ける」


 ちなみに洗浄後の尻を拭くのは布タオルだ。トイレには専用の布タオルを何枚か常備してあり、拭いた後は使用後のカゴに入れまとめて洗って再利用する。


 風呂を済まして居間に座った。


「いよいよ明日ね!」

「そうだな」

「今日、見張り台でじいちゃんにスキルのこといっぱい聞いたよ。生涯スキルと洗礼スキル、それと他のスキル」

「おおそうか、洗礼終わったらいくらか話してやろうとは思ってたんだが手間が省けたな」

「他のスキルはまとめてみんな何て呼んでるの?」

「俺は専門スキルっていうのよく聞くな」

「そうね、あとは追加とか、特異とか」


 ふーん、じゃ専門でいいか。追加だと派生と混同するし、特異ってちょっと変人っぽい雰囲気もあるしな。


「じゃあ専門スキルはどんなのがあるの?」

「なんだっけな、母さん」

「治癒、結界、鑑定、錬成、えーっと、死滅、あとは、使役、契約だったかしら」

「うわ、いっぱいあるんだね、使役と契約は初めて聞いたよ」


 使役はなんだ、魔獣使い的な? 契約は、うーん。


「使役は馬車の御者とか畜産農家に必要らしいわ、契約は司祭が持ってて婚姻や出生の名づけ、洗礼の儀とかに必要なんだって」

「へー」


 使役は魔獣使いで正解のようだ。契約は戸籍管理みたいな感じか。


「俺ね、除草士にちょっと興味があるんだ、だから死滅があると嬉しいな」

「除草士を知ってるとは勉強熱心だな」

「じーちゃんに聞いたよ。あと、殺菌士、殺虫士、防除士、肥料士、散水士、耕起士」

「おおおっ! よく覚えてるな」

「農業関連ばかりね」

「除草士か、そう死滅だよな。あれは覚えるのが珍しいって聞いたぞ」

「え、専門スキルは覚える確率一緒じゃないんだ」


 なんだスキル自体の希少性もあるのか。


「専門スキルでは死滅だけが極端に少ないそうよ」

「へー」


 なんだーじゃあ除草士は厳しいな。防除士は結界だっけか、そっちに期待だ。


「洗礼が終わって考えればいいさ」

「うん、えっと俺の準備は無しでいいんだよね」

「そうよ、いつも通り起きて朝食後にみんなで行くのよ」

「司祭には言ってあるからな」

「他に洗礼の子供はいるの?」

「さあ、いないんじゃないか」

「ふーん」


 村だし、そんな子供多くないよね。


「じゃあ寝るか」

「うん、おやすみ!」


 2階に上がりベッドに入る。


 洗礼の儀、か。


 異世界転生モノならいわゆるチートスキルなんてのを覚えて、俺強えええっ! みたいな展開もあるよな。いやむしろそういうのが多い。俺もそうなるのか、もしかしてチートなスキル手に入っちゃう?


 フッ、アホらしい。そもそもそういうのは神が授けるんだろう。俺はこの世界の神に嫌われてるんだぜ、前世の記憶があるだけで。そんなヤツにもっと力を与えるワケがない。


 まあでも元からある4属性に加え4撃性、操具、測算は必ずつくんだろう。それだけでも冒険者はできそうだし、道具を扱う仕事なら沢山あるさ。


 いや、まさか、全部スキルレベル最低で攻めてくるかもしれない。いやーキツいなそれは。両親のフォローが心苦しいわ、今から目に浮かぶ。


 まてよ、もしかすると、必ずつくスキルがつかないという無茶をしてくる可能性も。おいおい、そんなルール違反しちゃっていいのかよ。いくら神でも。


 そう神だ、相手は神なんだ。もしかしたら、も、もも、もしかしたら、今ある4属性をも削ってトイレも行けないようにされるかもしれない。


 や、やめろよぉ……。そういうのはかなりしんどい。


 いやでも分からないぞ、俺はこの世界の異物なんだ、異物は排除だ! まさかのスキル一切無しで一気に追い込んでくるかもしれないぞ、ここの神は! なにせ神だ!


 ぐぬぅ……。今から憂鬱になった。


 どうしよう、逃げるか。コルホル村を出てどこか遠くへ。スキル無しが知られる前に。


 フッ、そんなの魔物にやられて終了だぜ。


 洗礼にちょっと期待してた俺だったが、よくよく考えると暗い未来しか見えないことに気づく。


 もういい、寝る。

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