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ミリオンクォータ  作者: 緑ネギ
1章
114/321

第114話 冒険者の栄光

「お前は15時からだったな」

「うん、それまでケイスたちやミーナと遊ぼうかなって」

「たまには息抜きも必要だ、ましてや子供なんだから」


 遊ぶと言ってもやること決まってるけどね。にしてもこの世界の子供はテレビやゲームが無いから普段何してるのか謎だ。ああ、仕事のお手伝いかな。


「俺とソフィーナは今から商会へ行く」

「そっか、忙しくなったね」

「リーサに伝えておくから一緒にいろよ」


 そう言ってクラウスとソフィーナは出て行く。直ぐにクラリーサが入って来た。


「やあ、子供らと遊ぶんだってね」

「うん」


 とは言ってもみんなが家にいるとは限らない。ひとまず搬入口裏か、行く途中にミーナの所に寄ってみるのもいいね。


 家を出てレーンデルス家を訪ねる。


「こんにちは」

「おう、リオンか、いらっしゃい。親父はいないぞ」


 アルベルトが居間にいた。そういやフリッツに明日の訓練討伐の同伴も頼まないと。


「ミーナかエドはいますか」

「ウチの母さんと一緒に中央区へ行ったぞ」


 何か買い物かな。エリーゼと一緒に行ったらしい。


「おじさんは行かないの?」

「俺はこれでも魔物討伐指揮だからな、なるべく西区にいなきゃならん」


 おー、意識変わったか。いや、それを口実にダラダラしたいだけかもしれん。


「家でゆっくりできますね」

「お、流石はリオン、よく分かったな。ついて行くのが面倒なんだよ」


 フッ、やっぱり。これでいて実力は西区でトップなんだよな。スヴァルツ商会の特別契約になるそうだし。


「あいつらが帰るまでここで待つか」

「いえ行きます、おじゃましました」


 ミーナたちが中央区でどのくらいいるのか分からないからね。アルベルトと話してもいいけど今日は子供と遊ぶと決めたんだ。じゃあ搬入口へ行ってみるか。


「約束はしてなかったのかい」

「うん」


 クラリーサに問われて応える。そうだね、次からは約束しよう。


 搬入口近くにはカスペルとランドルフ、そしてフェデリコがいた。子供たちはいない。


「おお、リオン、いってらっしゃい」

「じーちゃん、まだ中央区へは行かないよ。ケイスたちを見なかった?」

「さーの、見とらんぞ」

「ワシの家で遊んどるぞ」

「あ、そうなの、それってランじいさん()の中?」

「ああそうだ、ピートにゲームを買ってやっての、それを集まって遊んでおるぞ」

「え! ゲーム!」

「リオンも行って遊んでおいで」

「うん」


 なんと、この世界にゲームがあるのか。

 クラリーサと共にランドルフの家に向かう。


「こんにちは!」

「おー、リオンか!」

「あー、リオンだ」

「丁度良かった、一緒に遊ぼうよ」


 居間にはケイス、ピート、ロビン、それからピートの父親がいた。テーブルの上にはボードゲームのようなものが広げられている。あー、なるほど、こういうヤツね。


「今もうちょっとで終わるから見てなよ」

「うん」


 ボードには『冒険者の栄光 基本セット』と書かれている。そのゲーム盤には森や川などの自然地形が描かれており、格子状に線が引かれていた。将棋やリバーシの盤面みたいだね。そのマス目に剣を持った人形が3つと魔物っぽい模型が2つ置いてあった。


「よーし、俺の番だ! でやっ!」


 ケイスはサイコロみたいな小さい物体を転がして、出た目の数だけ人形を動かし魔物の隣りまで到達した。


「そんで攻撃だ、えいっ!」


 ケイスは別のサイコロを転がし、出た目に注目する。


「やった! これで止めだよ!」

「ぐわあ、やられたー」


 ピートの父親はワザとらしく言葉を発し、ケイスはそのガルウルフっぽい魔物を盤面からよけ自分の前に置く。よく見るとケイスの前には1体、ピートの前に1体、ロビンの前に1体、魔物の模型が置いてあった。


「では魔物の番だ!」


 ピートの父親がサイコロを振り、残り1体となった魔物を動かし人形の横に移動した。


「あー、父さん、何で俺の横に来るんだよ」

「ピートが一番近かったからさ、そして攻撃だ!」


 そう言うとピートが自分の人形をひとマス動かす。ああ、なるほど、攻撃されたら必ずどこかへ避けないといけないのね。


「次は俺だー!」


 ピートがサイコロを転がし魔物の横へ、更に別のサイコロを振り攻撃を加える。その出た目の数だけピートの父親の前にある体力ゲージらしきものを操作する。そうやってケイスたちと魔物側が交互にサイコロを振り進めて行った。


「近くに来た、これで止めだー!」


 ロビンがサイコロを振り魔物の横へ。再びサイコロを振る。


「ガオオォ……」


 ピートの父親が断末魔らしき演技をしてゲームは終わった。


「ケイスとピートが1体、俺が2体だね、俺の勝ち!」

「ちぇー、俺は削るばっか」

「いいじゃん、大事な役目だよ」


 なるほど、止めを刺した魔物の数で競うのね。


「じゃあリオンも加えて4人パーティだ! 父さん、魔物の数増やしてね」

「おお、ではレッドベアも入れるぞ」


 そして俺たちは『冒険者の栄光 基本セット』を遊んだ。この盤面には岩場のマスもあって、そこは侵入不可となっている。ピートの父親は体力のあるレッドベアの駒を使ってケイスを袋小路に追い込んだ。


「攻撃、グオオオン! これでケイスはやられちゃったね」

「えー、おじさん、そりゃないよ」

「ちゃんと地形を見ながら動かないとこうなるんだぞ」


 魔物から攻撃を受けて逃げるマスが無かったら即死らしい。何気にリアルなルールだな。


「あ、俺、そろそろ行かないと」

「じゃあ今回の冒険は終わりだねー、ケイスも死んだし」

「うは、俺は森の中に放置かよ」

「はははー」

「リオン、またこれで遊ぼうぜー」

「うん、その時は誘ってね」


 ピートの家を出て、クラリーサと中央区へ向かう。


「あのゲーム、なかなかによく出来てるよ」

「そうだね、ちゃんと考えて動かないと逃げ場がなくなっちゃうから」

「いや、売り方だよ、拡張キットとか多いからね。盤面も町中(まちなか)があったり、それも繋げて広げられるんだよ。冒険者や魔物の駒も種類がたくさんある」

「へー」


 きっと新しい魔物の駒とか先に手に入れて自慢するんだろう。ちょっとしたコレクション要素もあるのね。


 しかし、異世界でもこういうゲームが普及してたんだ。そりゃそうだよね、この国だけでも5000年の歴史だもん、きっと探せば将棋やチェスみたいな大人も遊べるゲームもあるだろう。


 商会へ到着、工房へ入る。休憩スペースにはフローラがいた。クラリーサは音漏れ防止結界を施し去る。


「リーサは西区へ帰っているの?」

「いや、店内でいるよ。ララが嫌がるんで中央区に出ることもあるけどね。まあ夕方の鐘が鳴るまでには迎えに来るから」

「うん」


 ララも母親が店内で座ってるとやりにくいだろうな。


「さあまずは1本頼むよ」

「はい」


 杖を握る。


『トランサス合金』


 ギュイイイイィィィーーーン


『トランサイト合金』


 ふふ、杖もちゃんと変わってるぞ。あ、そうだ、長さ調節用の途中から下は何でできてるんだろう。


『アイアン合金』


 と言うことは鉄が一番多く含まれてる金属なんだな。あれでも不思議だ。鉄とアイアンは同じ意味だけどみんな鉄って呼んでる。前世で言う日本語と英語みたいな違いだけど、何でこうなったのだろう。


「フローラさん、この延長部はアイアン合金なんですけど、これを呼ぶときは鉄合金になるのですか」

「よく分かったね。まあそこは不思議なんだよ、昔から何故かアイアンは鉄って言ってるから、それに合わせてみんな鉄合金って鑑定するよ。他にもゴールドは金、シルバーは銀、ブロンズは銅って言ってるね」

「へー」


 鑑定情報は統一されてるけど、同じ意味だけど違う言葉で呼ぶ文化もあるのね。


 それにしても鑑定情報って誰が決めたんだろう。神かな。これって世界中のどこでも同じ鑑定結果になるのだろうか。別の国で違う言葉があるとしたら、そこが産地の精霊石や魔物素材はそこの言葉で出てくるのか。


「プルメルエントの南側、山脈の向こうにクレスリンがあって、その先は別の国があるんですよね」

「リオンはよく知ってるね、そうだよ」

「その国で使われてる言語は違いますか」

「同じだよ」

「あ、そうなんだ」

「なんでそんなことを聞くんだい」

「いやー、もし言葉が違うと鑑定結果はどうなるのかと思って」

「鑑定情報は全世界共通と教えられたね。だから別の国から来た精霊石でも鑑定すれば同じ言葉だよ」


 へー、全世界共通なんだ。それは便利だね。


「別の国から仕入れた精霊石には、魔力共鳴効率の高いミスリルや硬度が異常に高いオリハルコンなんてのがあるね。まあ高価だからここらでは出回ってないよ」

「ミスリルやオリハルコン、そんなのがあるんですね」


 なんだか聞いたことがある名前だぞ。それが含まれる精霊石はこの辺では出ないのね。なるほど、精霊石の産地によって含有鉱物に違いが出てくることもあるんだ。


 杖を握る。


 ギュイイイイィィィーーーン


「ふー」

「トランサスはゼイルディク周辺では出るほうだね」

「へー、でも今は高騰してるんじゃないですか」

「それを見越して商会長は大量確保しているよ、感度がかなり低いのも含めて根こそぎね」

「あ、やっぱり」

「今、森で拾って売却したら50倍になってると聞いたよ」

「うわ!」


 確かクラウスたちが申請討伐で見つけてたよな、あれは12万だった。今なら600万なのか!


「だから他の商会でトランサス在庫の少ないところに商会長は売っているのさ」


 むむ、転売もしているのか。


「シンクルニウムも集めているようだね。多分シンクライトが公表される直前にトランサスを売り捌いて、シンクルニウムを一気に大量確保するだろう」

「うはー、でもそんな派手なことしたら怪しまれるんじゃないですか」

「3重4重に仲介を挟んでいるから、そうそう足は付かないってさ」

「はは……」


 あの人、金儲けに全力だな。


「こんなことされたら石屋も大混乱だよ、ははは」


 石屋、または石流し石廻しとも呼ぶ。鑑定士ギルドの中でも精霊石を鑑定できる資格を持った集まりのことだ。生活の根幹を握っているから、かなり立場が強くて誰も逆らえないとのこと。今までいいようにされてきた(ささ)やかなお返しってワケか。


「今日は雨だから精霊石探しの冒険者もいつもより多く森に入ったってね、こりゃ沢山魔物が来るぞ」

「うわ、それは困りますね」


 でも600万が落ちてるかもしれないなら行くよな。冒険者にとってもボーナス期間みたいになってしまった。


「ところで斧や(のこぎり)も試験素材を作ってくれるってさ」

「あ、トランサイトですね」

「きっと凄い特殊能力がつく、楽しみだね」


 はは、フローラはトランサイトが本当に好きなんだね。


 杖を持つ。


 ギュイイイイィィィーーーン


「ふー」

「もう剣の他も随分と早くなったね」

「慣れましたから」

「訓練討伐とやらに槍や弓を持っていったらどうだい」

「それは考えにはあるんですけどね、シンクルニウムの共鳴にも慣れないと」

「ならシンクルニウムの槍や弓でいいだろう」

「あ、そっか」


 確かに。それなら同時に武器種も慣れることができる。えー、でもいくらFランクの魔物でも、ちょっと舐めすぎじゃないかな。


「商会長に相談してみます」

「多分大丈夫さ、弓なら離れてるからそこまでリスクは無いだろう」


 まあ、もし外してもパーティメンバーがフォローしてくれるだろうし。


「ついでに精霊石を取り付けてみなよ、あんたなら属性レベルも直ぐ上がるよ」

「そうかもしれませんね」

「オススメは土だよ」

「え、そうなんですか」


 あ、これは鉱物粉を鑑定させたい流れだな。はは、フローラは俺を本物の職人にしたいらしい。


 カンカンカン! カンカンカン! カンカンカン!


「え、魔物の鐘」

「おや珍しいね、これは中央区だよ」


 へー、中央区にも魔物が来ることがあるんだ。


「騎士が対応してくれるよ」

「なら安心ですね」


 騎士団出張所もあるんだ。防衛部隊の出動だね。

 さー、戦いは任せて俺は仕事だ。


 杖を握る。


 ギュイイイイィィィーーーン


「ふー」


 魔物が近くに来ているのにこの落ち着き様。この村に住んでいると慣れるのはいいんだけど麻痺してしまうな。


「あ、そうだ、今日の生産目標は何本でしたっけ、午後は途中から来たので少な目ですよね」

「12本と聞いてるね、今ので14本目だから余裕で達成だよ」

「ありゃ、そうでしたか」

「時間的にあと1本やったら終わりじゃないか、それともシンクルニウムの共鳴訓練をするかい」

「んー、ではあと1本、トランサイトを作って終わりにします」

「そうかい」


 共鳴訓練は家でもできるしね。


 カラーン、コローン、カラーン


 え、何だ、この音色は。初めて聞くぞ。


「魔物対応が終わったみたいだね」

「中央区は太鼓じゃないんだー」


 確か北区はトランペットのファンファーレだったな。もしかしたら東区も太鼓じゃないのかも。


「やってるな」


 工房へミランダが入って来る。クラウスとソフィーナも一緒だ。


「さっきの魔物は大丈夫でしたか」

「キラーホーク3体だ、大したことは無い」


 だろうね。


「あ、明日の訓練討伐の同伴をフリッツ先生にお願いしたいんだけど中々会えなくて、商会長は居場所を知ってますか」

「あれにはもう伝えてある、心配するな」

「そうですか、ありがとうございます」


 なら良かった。まあ家令の勉強があるとは言え、俺の予定は把握してるからミランダも合わせてくれるよね。


「商会長、提案があります」

「言ってみろフローラ」

「リオンの訓練討伐の武器を土属性精霊石付きのシンクルニウム槍か弓にしてはどうでしょう」

「……ふむ、他の武器種とシンクルニウムの両立か、リオンはどうだ」

「もう少し剣で取り組みたいと思います」


 剣技を覚えるためにまずは頑張らないとね。


「そうか、まあその辺の武器も用意してはある。必要ならいつでも言え」

「はい」


 さあ最後の1本やるぞ。


 杖を持つ。


 ギュイイイイィィィーーーン


「ふー」

「これで何本だ、フローラ」

「午前は剣6、弓4、午後は杖5、計15本です」

「そうか、十分だな」


 へへ、少し遊んだけどノルマ達成だぜ。


「さてでは明日の予定を決めようか、と言っても訓練討伐だから村へ帰って少しだがな、恐らく天候は回復するから中止も無いだろう」

「分かりました、目標本数は?」

「明日はトランサイトでは無くシンクライトの試験素材を取り組んでほしい」

「あ、そうでした。訓練討伐で更に共鳴に慣れるから間違いなくできます」

「そうか、武器種はひと通り置いておくが出来そうなものからでいいぞ」


 じゃあ剣からだな、多分もう1本もいけるだろう。ちょっと待たせちゃったから頑張らないと。


「なんだい、明日は鑑定不能を拝めるのかい」

「そうなるな」

「今夜は眠れないね」


 ふふ、フローラ、楽しそう。


「おじゃまするよ」


 工房にクラリーサが入って来る。


 ゴーーーーーン


 そして夕方の鐘が鳴った。


「では解散だ」


 クラウス、ソフィーナ、クラリーサと工房を出る。フローラは残ってミランダと何やら話がある様子。


 商会の外に出ると雨はすっかり上がり日も差していた。


 あ、冒険者ギルドへ明日の予定の確認をしておかないと。さっきミランダに聞いたからいい気がするけど、向こうも待ってるはずだからね。


「ギルドへ寄るよ」


 冒険者ギルド窓口にはアレフ支所長がいた。グロリアじゃないのか。


「おお、来たな。明日は天候が回復するだろうから予定通り5班での活動だ。メンバーに変更はない。いつも通り9時までに監視所へ行ってくれ、ああ商会の馬車でな、シーラも一緒だ」

「分かりました、あの今日は支所長なんですね」

「グロリアは冒険者とデートだ、中通りの飲食店に行ったよ」

「あらら、人気ですね」

「そりゃあそうだろう、可愛いからな」


 アレフ支所長は自慢気な表情。身内だからね、モテるのが嬉しいんだろう。


 西区へ帰って夕食を終える。家に帰るとクラリーサが音漏れ防止結界を施す。

 俺とクラウスは風呂を上がって居間に座った。ソフィーナもほどなく帰って来る。

 さー、シンクルニウムの共鳴強化訓練だ。


「来週から週2回ダンスの訓練だとよ」

「はは、遂に始まるね」

「ミランダは慣れだと言う、とにかく回数をこなせば嫌でも覚えるとな。でも最初は苦労するみたいだから気が重いよ」

「母さんは直ぐ出来そう?」

「分からないわ、でもちょっと楽しみね」


 ソフィーナは前向きだね。貴族社会に憧れてた部分もあったみたいだし、クラウスをしっかり引っ張ってくれ。


「貴族の教養みたいのも勉強するんでしょ、あんまり急に詰め込み過ぎて疲れないようにね」

「はは、心配するな。ゆっくりやってくれるから」

「それにしても、もうちょっと心の準備と言うか、期間があればよかったのに、1カ月前倒しになっちゃったからね」

「あれはな、リオン、お前のためでもあるんだぞ」

「え、どういうこと?」


 何だろう、警備を強化する建前かな。


「人物鑑定を回避するんだよ。お前の鑑定情報が人買い組織に渡るのを防ぐために、人物鑑定をさせない理由を作ったのさ」

「どういうこと?」

「城に行った日を思い出せ、入り口でみんな人物鑑定をしていたがミランダだけしなかっただろう」

「うん、そうだね」

「貴族家の人物を鑑定するのは失礼に当たるんだと。もし鑑定情報が流れたらスキルレベルとか広まるだろ、それが高いレベルならいいけど低かったら何かと都合が悪いのさ」


 へー、それはつまり権威とかに影響するのだろうか。確かに偉ぶっててもスキルが大したことないとそういう目で見ちゃうもんね。スキル依存度が高いこの世界では大事なことなんだ。


「それで俺の叙爵が公表されると、まだ貴族ではないが同等の扱いになる。それで人物鑑定も回避できるってことだよ」

「あー、なるほど! じゃあ鑑定偽装もそこまで急がなくていいのかな」

「いやそうは言っても何があるか分からない、早く覚えるに越したことはないさ」


 まあ引き続き訓練はやるよ。レア度4鑑定もしてみたいからね。


 ベッドに入ってお休みの挨拶を交わす。明日は訓練討伐、鑑定を覚えたみたいに剣技も進展があるだろうか。

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