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ミリオンクォータ  作者: 緑ネギ
1章
102/321

第102話 魔法の仕組み

 コーネイン商会の工房で仕事をする。今日は杖を重点的に取り組んでいるため、既に5本終わった。最初の1本に比べたらかなり魔力効率が良くなったのが分かる、まあさっき昼寝をして魔力が回復したのもあるが。


 そう、寝たら魔力が回復する。いや何もせず座ってるだけでも回復するが、それは共鳴で使った魔力分だけ戻る感じだ。一方昼寝は、それを超えて上限まで回復する、つまり満タン。


 もし昼寝せずに工房に来ても仕事は出来ただろうが、次第に辛くなったはず。でも今なら続けてやっても平気な気がする。やっぱり人間、疲れたら寝るのがいいね。


 ギュイイイイィィィィィーーーーーン


「ふー」

「随分と杖も慣れたようだな」

「適応能力が高いからね、それも英雄の力だよ」


 杖はあと2本か。余裕で全部終わるな。


 しかし不思議だ、杖だぜ? こんな棒で魔法の飛んでいく速度が劇的に変わるってどういう仕組みなんだよ。そもそも魔法ってどういうこと? 何で氷の矢とか風の斬撃が何もない空間に生成されて、尚且つ飛んでいくのだろう。


「魔法ってどういう仕組みなの?」

「やや複雑だが、しっかり聞けよ」

「うん」

「まず魔法を使うのに必要なスキル、撃性具現(げきせいぐげん)を覚えないといけない」

「撃性具現」

「これは属性スキルの派生スキルだ、レベル6以上で覚える」

「必ず覚えるの?」

「いや人による。だから属性レベルがいくら高くても、撃性具現を覚えていないと魔法は放てないのだ」


 なるほど、魔導士の必須スキルなのね。


「例えば火の斬撃波で説明しよう。まず火の精霊石から魔素を抽出し、空気中に魔素集合体を作り出す、魔導士が集中すると杖の前の空間が少し揺らめいているのが分かるか、あれだ」

「うん、見たことある。光ったりしないんだね」

「最初の頃は光る。しかしそれだと前が見えないので、まずは光らないようにする訓練が必要だ」

「ああー、そっか!」


 確かに。派手に光るとカッコいいけど、眩しいだけだ。


「そしてある程度の密度に達したら斬撃波の形にする、そこに撃性具現のスキルが必要なんだよ。斬撃波の見た目は三日月形が多いな」

「へー」


 マルガレータの風の斬撃波もそんな形だった。


「そして斬撃波は飛んでいき、魔物に到達すると剣で切った時と同じ効果が発動する、剣鉱物の話で言っただろう、切断は切る力、斬撃は進む力と、あれだ」

「と言うことは斬撃波は剣身みたいなものなんですね」

「うむ。だから剣身と同じように切断と斬撃が備わっている。それを数値化することはできないが、魔導士の斬撃レベルによってある程度予測は出来る」


 なるほどー、一時的に刃物を作り出して飛ばしていたのか。


「そして火の斬撃波なら、切り口の内部が燃焼し、魔物の再生を阻害するのだ」

「属性の効果はそこで発揮されるんですね」


 しかし魔法が飛んでいくのは何故だろう。


「先生! 何で魔法が飛んでいくんですか?」

「杖の魔法射撃を使っている。その力は共鳴させないと発動しない」

「あ、そこで杖ですか」


 おっと、仕事をしないと。


 ギュイイイイィィィィィーーーーーン


 そっかー、マルガレータは剣も使えるから強い斬撃波を作り出すことが出来るんだ。


「剣士でも撃性具現を覚えていれば魔導士ができるんですね」

「確かにそうだが、属性も高いレベルが必要だぞ。杖の前で作り出す魔素集合体は精霊石から抽出するもので、属性レベルによって密度が変わって来るからな」

「低い密度で斬撃波を作るとどうなるのですか」

「小さかったり、細かったり、飛んでいく途中で消えたり、人によって違うが、魔物に攻撃するなら最低限これだけという密度はある」


 なるほどね。属性と斬撃、両方高くないと攻撃魔法にならないんだ。


「ではリオン、火の斬撃波の工程を説明せよ」

「はい、まず火の精霊石を通して魔素集合体を空間に作り出します、それがある程度の密度になったら撃性具現のスキルによって斬撃波に変え、同時に杖の魔法射撃の力で飛ばします」

「うむ」

「火の斬撃波は魔物に到達すると、皮膚を切り裂き、血肉を破壊し、内部を燃焼させて再生を遅らせます。これが一連の工程です」

「よくできた」


 うひー、魔法って面倒な流れなんだなー。


「今は火の斬撃波だったが、これが撃性と属性の組み合わせで変わってくる」

「あ、氷の矢とかですね」

「では説明して見せろ」

「はい。まず水の精霊石を通して魔素集合体を作ります、次に撃性具現の力で氷の矢を作り出し、同時に杖の魔法射撃で飛ばします。矢が魔物に刺さると、血肉を破壊し、凍結させて再生を遅らせます、以上です」


 シーラがやってるからね。イメージしやすい。


「少し違うな」

「え! どこですか」

「矢を飛ばすときの力は杖の魔法射撃だけではない、自身のスキルも加わる。射撃の派生スキルに魔法射撃があるのだ。撃性具現で矢を生成する者は、その魔法射撃も覚えていることが多い」

「なるほどー、あ! マルガレータとシーラの魔法はそれほど速さに違いが無かったのですが、年齢的にシーラが3つ下なのに不思議には思ってました、そういうことなんですね」

「うむ、彼女は杖とスキル、両方の魔法射撃を使っているのだ」


 うへー、シーラって凄かったんだ!


「それに彼女の矢は刺さってからの破壊力が大きい、グリーンラクーンを1撃で倒したことがあったろ。どうやら衝撃スキルも高いようだ」

「そんな優秀だったなんて、だから訓練討伐に来ているのだろうけど」

「魔導士はな、魔法を放つ時の反動を制御する身体能力強化、そして杖の共鳴強化と維持も必要だ。つまり魔力操作も長けていないとできないんだよ。それをあの年齢で実現しているのは相当の逸材だぞ」


 俺みたいに英雄の力とかいうチートじゃなくて本物の天才か。


「さあ、仕事を続けろよ」

「あ、そうだった」


 ギュイイイイィィィィィーーーーーン


 ふー、これで杖は終わったな。


「俺が魔導士をやるには、最低でも4撃性から1つと、4属性から1つを解放しないといけないんだな」

「その通り」

「はは、随分と先の話か」

「興味があるのか」

「そりゃ、まあ」


 攻撃魔法はファンタジー世界の醍醐味だぜ! いつかやってみたいな。


「やってるな」

「商会長!」


 ミランダが工房へ入って来た。商会の用事は終わったのか。


「杖は全部終わりましたよ」

「おお、それはありがたい! 射撃スキルの低い魔導士たちの革新だからな」


 そうか、スキルの魔法射撃を持ってる人との差を縮められる杖だもんな。いや、共鳴率によっては超えるかも。あ、これ、魔法射撃スキル持ちが高い共鳴率で使うととんでもない速度の魔法が放てるのでは。


「商会長会議は滞りなく終わったか」

「それが大荒れでな、収拾がつかず一旦解散だ」

「なんと」


 え、商会長会議、そんなのがあったのか。


「明日、再度集まるが同じだろう。何せトランサイトが扱えない商会の反発が凄まじい」

「やっぱりそうなりますよね。もういっそ全商会の取り扱いを許可したら?」

「そうするとラウリーンやブラームスだけ扱えるのはおかしいと、カルカリアやウィルムの他の商会も手を挙げるだろう。ゼイルディクでも扱えない商会がある方が示しがつくのさ」

「んーじゃあ、いっそラウリーンとブラームスを外してゼイルディクに本店がある商会にすれば?」


 表向きはゼイルディク伯爵が卸すみたいなもんだから、ゼイルディクに本店がある商会を優遇してもおかしくはない。


「商会8つは多すぎるが、それが落としどころになるかもな。しかし外された2つの商会、特にブラームスは実力行使にでるだろう」

「な、何ですかそれは」

「我々がウィルムの客に会いに行く道中、多くの護衛を必要とするぞ」

「え! も、もしや、襲撃されるってことですか」

「……貴族は何でもする」


 うは、怖いなぁ、もう。


「納品は偽装して極秘に行う。外された貴族商会では無くとも、強盗を目論む奴はいくらでもいるからな」

「そっか、リスクを負ってでも奪う価値はある」


 そう考えると、ここが生産拠点と知れたら大変なことになるな。


 あ、次やらないと、弓にするか。


 ギュイイイイィィィィィーーーーーン


「ふー」

「まあブラームスもラウリーンも、既に多くの注文を受けているそうだ。それをひっくり返すのは影響が大きい」

「あ、ルーベンスは村に言い触らしてるみたいですよ」

「フン、買える客がいないのにご苦労なこった」

「ミランダ、ここは安全か」

「相手の立場になって考えるといい。まずここにトランサイトがある可能性は極めて低いぞ、売る相手がいないのだからな。それに辺境で、人が少なく、出入りも管理している村に、わざわざ来るか。怪しいやつは目立つ。候補としても最後だろう」


 ああ、そうか。ここは隔離されてるもんね、警備もしやすい。


「まず狙われるのは本店の商会員だろう。人気のないところで(さら)い、拷問し、情報を聞き出すのだ、トランサイトの所在やいつどこに運ばれるかを」

「うわ」

「金で情報を買う線もあるのではないか」

「或いは身内を人質にするかな」


 うひー、商会員たちも大変だな。一番危ないのはフリンツァー本店長か。


「ミランダも気をつけないとな」

「はは、フリッツよ、わざわざ騎士貴族である商会長を狙うか? これでも対人は一通り訓練している」

「返り討ちに遭いますね」

「私が商会長を狙うなら、ルーベンス商会長、スヴァルツ商会長、カロッサ商会長だな。特にルーベンスはスキだらけだ」


 確かにミランダを襲うのはリスクが高すぎる。


「まあこの支店にも警備は常駐しているぞ、どこに何人とは言えんがな。そして出入りする客や周りを常に監視している」

「そうか、ならいいのだがな」

「本店とこことの行き来にも細心の注意を払っている。トランサイトが運ばれていると絶対に悟られないから安心しろ」

「はい、お任せします」


 やっぱり貴族の力は頼りになる。初期に商会を立ち上げる考えもあったけど、こういう面からも無理な話だった。襲撃されて一発だったわ。


「ところでウィルム侯爵の方はどうなっている」

「まだ情報は来ていない。だがトランサイトについては今日までに伝わっているはずだ、もし侯爵がブラームスから先に聞くことになれば、伯爵の報告義務を問われるからな」

「それは無いだろう」

「恐らく試用に時間をかけているのだ。試験素材3種と合金3種を送っているからな」

「あ、もう現物も向こうに行っているのですね」

「杖も試験が終われば送る、いずれプルメルエントやクレスリンへ行くだろう」

「王都へは送ったのか」

「合金3種は送った。試験素材は新たに作って送ってもいいが、向こうで試せる時間が少なすぎるためいらんだろう。それでも要望があれば対応するが」


 試験素材の定着期間は30日だった。そんなに遠いのか王都は。


「あ、商会長、クラリーサさんもトランサイトのことを知っているのですか」

「いや、お前が職人だとは話していない」

「なら村の噂で知ったのですね、それでクラリーサさんは護身用の短剣があればいいのではと呟いていました。どう思いますか」

「……ふむ、興味深いな。しかし伸剣が使えるとは限らんぞ」

「試してみたらいいのではないか」

「そうだな、フリッツ。分かった、短剣の試験素材を用意しよう」


 いずれ話は行くかもだけど、先に提案してもいいよね。


 さ、仕事だ。次も弓をやるか。


 ギュイイイイィィィィィーーーーーン


「ふー」


 あとミランダに聞くことあったかな、あ、そうだ。


「フローラさんはどうなりました?」

「今日の夕食の席で話す、エスメラルダに招待しているからな」


 やれやれ、直ぐそうやって高級宿を使う。商会長室でもいいじゃん。


「それで考え直したのだが、神の封印は話さないことにする。あの情報はかなりのものだからな。やはり祝福で覚えるためとして様子を見るのがいいだろう」

「分かりました」

「クラリーサにも同じように伝える、明日以降、西区で訓練が出来るだろう」


 隠密の訓練か、何するんだろう。


「フローラは鑑定だろうが、クラリーサにも何か教わるのか」

「隠密だ、詳しくはリオンから話してやれ」

「はい。あ、そうだ、ここでの同伴はフローラさんだけでも構わないですか」

「……店に警備がいるからな、ただ西区との行き帰りは念のため戦える者が必要だ、それはフリッツでも誰でもいい」

「分かりました」


 そっか、ここは安全だからね。その道中だけか。


「さて、私は行く。明日は訓練討伐だったな、帰ったらここで何本か頼むぞ」

「はい」


 ミランダは去った。


「隠密を教わる理由を伝えるね」


 フリッツに鑑定偽装の必要性を話す。


「なんと、そんなスキルがあるのか」

「記録からの推測だけどね。でも俺なら覚えられる可能性高いでしょ」

「そうだな、しかしお前は一体何を目指しているんだ」

「人買い組織対策に鑑定偽装、神の仕向ける魔物対策に剣技、それだけだよ」


 対策する相手が面倒過ぎるわ。


「隠密か、魔物にも有効なら戦い方に幅ができるな」

「そうなのかな」


 何だろう、接近しても気づかれることなく首を切り飛ばせるのかな。酷いもんだ。いいや、魔物に慈悲は不要。


「じゃあ次を最後にするね」


 弓を取る。


 ギュイイイイィィィィィーーーーーン


「ふー、ギルドへ行こうか」

「うむ」


 エリカ工房長に仕事が終わったことを伝えて工房を出る。


「明日は夕方来ますから」

「はい」


 そうララに伝えて店の外へ。ギルドへ向かう。


「フリッツ、リオン、いらっしゃい!」

「グロリアさん、明日の訓練討伐はどうなりました?」

「ええと、ちょっと待ってね」


 グロリアは奥へ消えた。あれれ、聞いてないのかな。


「おー、来たか」

「アレフ支所長!」

「私から伝えるぞ、明日は5班だ。メンバーはリオンとクラウディア様、それからパメラとカルロスだ」

「班が変わるのですね」

「うむ、エリオット部隊長の指示でな。クラウディア様は知っているだろ、それでパメラとカルロスは2人共10歳、ラウリーン中等学校1年だ」

「そうですか」


 カルロス……どっかで聞いたことあるな。

 あ! 思い出した! ディアナと同じクラスで席が近い子だ。


「どうした知り合いか」

「いいえ」

「そうか、進路はな、監視所の東側。Fランクしか出ないそうだ」

「では強くてもヘルラビットですか」

「うむ、リオンの実力と不釣り合いなんだがな、まあ部隊長も考えがあるんだろう」


 シンクルニウムでも余裕そうだな。


「時間はいつも通りだ。監視所まではシーラと共に商会の馬車で行ってくれ。同伴はフリッツか」

「うむ」

「分かった、頼んだぞ」


 ギルドを離れて西区へ続く道へ。


 ゴーーーーーン


 夕方の鐘だ、丁度いい時間だね。


 搬入口を入って食堂へ、クラウスとソフィーナはまだ来てないな。


「私がついてるからフリッツは食べな」

「では頼む」


 クラリーサが近づいてきて付き添いが変わった。


「父さんと母さんは畑かな」

「その様だ、魔物襲撃の後処理とか言っていたよ」

「昼間大型が来たもんね、畝が崩されたのかな」


 そういや畑もしばらく見に行ってないな。部屋付き城壁の進行具合もちょっと気になる。今度クラウスが出る時について行ってみるか。


 10分くらい待って2人がやってきた。一緒に夕食をとる。


「また畝がやられたの?」

「まあな、でももう直した。ただ踏まれた野菜はもうダメだな」


 それでも残ったのを育てるしかないね。


 夕食が終わり居間へ。クラリーサは音漏れ防止結界を施し去って行った。もう毎日やるみたいだね、ほんとありがたい。俺は今日の仕事の内容やミランダから聞いたことをクラウスとソフィーナに伝えた。


 あ、そうだ、結界のスキルも教えてもらおうかな、俺が出来れば手間を取らせることは無いぞ。


 それにクラウスは言っていた、みんな鎧とか盾を装備していないのは、避けるのが前提の戦い方のためだと。大昔はそういう装備もあったらしいけど、今は誰も使っていない、騎士すらも軽装だからね。


 では避けられないような場面ではどうやって攻撃を防ぐか、クラウスは諦めると言っていたな、そこまで追い込まれた自分が悪いと。それでも防ぐ手段は1つある、結界の障壁だ。高いレベルの障壁ならばサラマンダーの炎でも防げると言う。


 剣技を覚えて強くなるのはいいけど、他にも身を守る手段があれば安心だ。幸い治癒スキルがあるから応急処置は出来るが、そもそもそんな傷を負わなければいい。だったら唯一の防御手段、障壁も覚えておいて損はない。


 隠密が優先だけど、結界もちょっと聞いてみようかな。


 風呂をすまして居間に座る。2人に明日の訓練討伐の内容を伝えた。


「Fランクしか出ない進路か、いくらなんでも弱すぎると思うが」

「シンクルニウムでも共鳴させれば強いもんね」

「まあかなり余裕を持って、剣技の習得だけに集中するのだろう」

「その10歳の2人、パメラとカルロスとも仲良くするのよ」

「うん」


 とは言え、俺はクラウディアとペアなんだろうな。


「クラウディアは魔導士で戦うかもしれないわね」

「え、できるの?」

「あの子は属性レベルも高いから」

「じゃあ、撃性具現や魔法射撃も覚えてるんだね」

「あらリオン、よく知ってるわね」

「うん、先生に聞いたんだ。もしかして母さんもできるの?」

「ええ、でも時間が掛かるから実戦では無理よ」


 そうだ、言ってたな。炎の矢を作ることが出来るって。


「矢に属性付与できる弓士はみんなそうよ。属性レベルより弓技レベルが伸びたから弓士をやっているの。クラウディアはどっちが伸びるか分からないから、きっと両方試すのよ」


 マルガレータも最初は剣士だったけど、属性が伸びたから魔導士になったんだよね。なるほどー、あのくらいの年齢の時はまだ道が定まってないんだ。とは言え、戦闘タイプに選択肢があるのは優秀な証拠だ。誰もがそうではない。


「明日は見張り当番だから早く寝るか」

「あ、そうなんだ」


 奥の部屋に移動して俺はソフィーナのベッドに入る。クラウスが照明を消してお休みの挨拶を交わした。クラウスが貴族になるのはまだ先の話、今は西区の住人として務めを果たさないとね。

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