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戦場へ旅立つ

「ご馳走さまでした」


朝食をささっと片付けて、スマホで時間を確認する。

時刻は8時5分。よし。まだ時間は余裕ある。


「じゃあ、学校行ってくるね」


「はい、行ってらっしゃい」


「お姉ちゃんはや!!いつも早く行くけど何かあるの?」


颯爽とカバンを持ち、靴を履いているとバタバタと急ぎながら咲良ちゃんがやってきた。今日は一緒に行ってくれるらしい。


「ん?特にないけど」


「じゃあなんでこんな早いの?始業は確か9時からだよね?」


まぁ確かに私が通ってる高校は家から徒歩15分位だし、学校に着いても30分くらいは余る。でもね、、、


「・・・人混み・・・やだから」

「・・・それだけ?」

「・・・うん」

「はぁ、、いい加減コミュ障治さないとダメだよ」


うっ!朝から妹の言葉が胸に痛い。

わかってらい!そんなこと言われなくても。

しかし、人には向き不向きというものがね、、


「コミュニケーションは向き不向きで片付けていい物じゃないよ」


「言い訳する前に否定しないでよぉ!」


言い訳する前に封殺されたので、思わず言い淀む。

私だって出来るなら陽キャ連中みたいにキラキラな青春を送りたいさ!でも、いざ話そうとすると緊張して言葉が出ないんだもん。


「ちなみに学校知り合いの人はいるの?」


「・・・いない。ロンリーガールです。はい」


一応挨拶くらいならするよ?

向こうから言われた時限定だけど、、

私からする勇気はない。キリッ


「お姉ちゃんハブられてるの?」


「そんなことはないっ!、、、と思う。自信はないけど」


「そっかー(きっと無口な美人さんみたいに思われて声掛けずらいんだろなー。お姉ちゃん黙ってれば残念要素ないし)」


「ん?どったの?」


なんか言葉の裏にもっと長いなにかがあった気がする。多分悪口だと思うけど、、


「なーんでも。そんなコミュ障なお姉ちゃんに咲良ミッションを授けます!今から1週間隣の席の人に自分から挨拶する事!出来るならご褒美あげちゃう!」


「1週間も!?私から!?そんなの出来っこないよ!」


『いつもなんも言わないくせになんでこいつ最近話しかけてくんだ?』とか思われるよ!絶対!

ちょっと勇気だした陰キャみたいになるじゃん!


「これぐらいの事で騒いでるお姉ちゃんに私涙でそうだよ、、将来就職出来ないよ」


「・・・永久就職するもん」


私が社会不適合者まっしぐらなのは私が一番知ってますとも。だからこそのこの道なのだ!


「どこにさ?そんな片鱗見たこともないけど」


「咲良ちゃん!!」


「妹に寄生するってプライドはないの?」


「ない!母体に置いてきたみたい!」


「・・・色々と母体に置き忘れた物を私が拾っちゃったのかな」


そっか!

だから咲良ちゃんはこんなにしっかりしてるんだね!

納得納得。


「納得しないでよ、、もう!友達の1人も作れない駄目な子を将来養ったりしないからね」


「う〜もし養ってくれるなら頑張って御奉仕するよ?」


それはもうめくるめくビックサービスをね。

チョメチョメとかチョメチョメとかね!おーっとこれ以上は私の口からは言えない!


「た、例えば?」


「膝枕したり〜ハグハグしたり、あとね〜添い寝もしちゃうよ!」


「ごくり、、、、いや!ダメダメ!私をダークサイドに引き込まない!」


「ちぇーあと少しで堕ちそうだったのに」


次回はもっとお色気で攻めるしかないね。

咲良ちゃん私のおっぱい好きだしきっとイチコロだよね。


「なんか邪な気を感じる」


「気のせい、キノセイ」


「むー怪しい。まぁいいや。じゃ私こっちだから行くね!咲良ミッション頑張ってねー!」


「ほ、ほんとにやらなきゃなのー?」


遠ざかる妹の背中に問いかけるも返答はない。

これは暗に『やるよな?おおん』って奴だ。こわわ。


「はぁ、、頑張ろ。お隣さんだれだったかなー」


そもそもお隣の人の名前すら把握してないのに大丈夫なのかという疑問はこっそり胸にしまった。

大丈夫、ダメなら明日から頑張ろ。うん。

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