勇者よ、御主がレベル2になるには100000000の経験値が必要じゃ
「勇者よ、御主が次のレベルになるには100000000の経験値が必要じゃ」
「ははっ」
王様の言葉を耳にした勇者は、諦めとも取れる笑いをこぼしてしまいます。何故なら今の勇者のレベルは1、最弱の魔物を倒す力しか持っていなかったからです。
勇者は今一度、王様に必要経験値を尋ねます。
「100000000じゃ!」
さらっと答える王様。勇者はその場で卒倒してしまいます。
ですが勇者は魔王を倒す使命を果すため、気を取り直すと、気の遠くなるくらいの時間をかけて、最弱の魔物を100000000体倒し、遂にレベル2になりました。
「やった……! やったぞ……!! 遂に俺はレベル2なったんだああぁぁ!!」
まるで魔王を倒したかの様に両腕を高々と上げ、力が『2』上がった事を喜ぶ勇者。
因みに、他の能力は一切上がっていません。
それでも、勇者は意気揚々と城に戻ると、王様に次のレベルになるまでの必要経験値を尋ねます。
「次のレベルまで、10000000000000000の経験値が必要じゃ」
勇者は匙を投げましたとさ。
……おしまい。