第十話 【縁の下の力持ち達の悲喜こもごも】
とあるサブリーダーの一幕
「アイツ無茶しなきゃ良いけど」【空響の旋律】のさっきまでの掛け合いとは違い、心配そうな声。
あー、意外と気に入ってたのかな邪推してしまう、ツンデレさんめ。こういうゴシップは見てる分には面白い。
ん?そうじゃない、姉の観察対象が死なれると困る?姉が悲しむのが辛いと。【研究者】さんの妹さんかー納得、姉妹そろってもてるでしょうねー。
パーティーリーダーの渋い声が、皆に聞かせるように紡がれる。
「仮にも機甲士を冠する【クラス】だ。実際耐久力は機甲士としても異常だろう。問題無いとして止めなかった。」
「クラスを得て2週間程度とは思えない戦闘力はある奴だ。無茶はする事になるだろうが、こういう機会はいつか来る。俺の目の前でやらせたかった。」付き合わせてすまんなと・・・このリーダーの判断力は、今まで組んで来たパーティーの中でも随一だ、この2週間一度も間違わなかった。今回もきっと正しい判断なのだろう。彼に話していない私たちの任務内容、「命に代えても魔導機甲士の地上帰還支援」だとしても。
「戦闘1,2班は介入出来るぎりぎりの位置まで移動、彼の感知範囲には入らない用注意しろ。介入の際は指示する。動け。」
「観測班と、補助員は上層階へのゲートで待機、指示があるまで撤退は認められない。」
「戦闘3班は彼らの護衛だ。周辺の制圧はしとけ。」
「戦闘班が介入し彼を回収出来たら、戦闘1,2班の状況にかかわらず先に地上を目指せ。3班は道を切り開け。」
リーダーの指示に即皆動いていく、其処に淀みや迷いはない、我先に素早く離れていく。
・・・これで【スクール水着騎士】じゃなければなー、いや選べないけど。
私も人のこと言えないんですが【バニー魔法使い】だし。
よくちょっかい掛けられるし。
「サブリーダー、支援を頼む。」
頼まれちゃったかー、仕方ないお仕事しましょ。
リーダーの後を付いていく。
いやいやこれ以外と良いんじゃないか、視線避けに。
この仕事の後、予定がないか聞いてみよう。
ふふ、楽しみが出来た。
短くて済まぬう