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第1話 終わりと初めの一歩
「ストライクー」
2アウトランナー満塁のピンチ...カウント3ボール2ストライクで同点場面。
「あと...あと一球で」
俺は今出せる全力の一球を投げた。
結果は、押し出しの四球でサヨナラ負け。
俺の夏は県大会で幕を閉じた。
あれから約9ヶ月後、俺はスポーツ推薦で東京の名門校「東峰高校」に入学した。甲子園常連校でベスト4にも入ったことのある学校で、各県から実績のある選手達が入学していてかなり有名である。
しかし、かなりの名門であるのに一度も甲子園優勝をしたことがないことでも有名だ。世間からは、「監督がダメなんじゃね?」「方針のせいでは?」「基礎がなってねー」「名門取り消せー」などの声があるそうだ。しかし、俺に不安はなかった。
「そんな歴史、この俺が変えてやる!待ってろ甲子園!」
そして俺は、次の新しい道へ一歩踏み入れたのだった。