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俺の夏!  作者: スーパー
第2章 スタート!東峰高校野球部
19/24

18話 強気と根気

「プレイボール!」

東峰高校紅白戦第二試合が始まった。俺は9番ピッチャー、大輝は6番キャッチャー、新島は1番センター、控えに白川と大塚先輩がいる。知り合いが多くて少し楽になった気がした。相手には、先発に新井がいて、ほかにもレギュラー陣がたくさんいる。相手には不足はないな。だが、疑問におもうことが一つ...

「なんで麟太郎が...レフトに入ってるんだ?」

そう、ピッチャーのはずの麟太郎が外野に入っているのだ。事実、新井より麟太郎のほうが強い、球速も変化球もキレもコントロールもあいつのほうが上、先発にするなら間違いなく麟太郎のほうだ。なのに新井が先発になっている。

「なめられているのか...?」

「麟太郎は多分十分に実力が認められてるんだよ。だから、控えでもいいんじゃないかな?」

新島がそういった。確かに一理ある...が、4番なのには、なんともなー


俺らは後攻、とにかく先制点をあげておきたいな。新島は問題ないとは思うんだが...

「...。...。」

(大輝、なんだか、暗いな...なんかあったのか?)

『よーし!とりあえず塁に出ろ!新島ー!』『いけよー!』

(1番としてまず塁に出ないとな)

「早速だな!新井VS新島の1年対決!」

新井はコントロールがよく変化球の切れが良い。対して新島はパワーヒッターではなく、個人での得点力こそはないが、バッティング技術はピカイチだ。左打ちながら右にも左にも打ち分けられる、そして足も速いから1番バッターに最適な打者だ。この二人が直接戦えばどうなるかはわからないが...

「どちらかといえば...新井のほうに分があるよな」

初対決なら、もちろんピッチャーのほうが有利だろう。自分の得意な方法で勝負できるからだ。自分の得意なとこに投げれるし、逆に相手の苦手なところにも投げられる。

「ただ...それが『普通の選手なら』だがな」

「白川...」

「俺だってそれを経験してるからよくわかるんだ。どんなに得意なところに投げても打たれる、かといって苦手なところに投げてもうまく打ち返される...」

「なら...五分五分ってところか...?」


そんなことを言っている間に第一球が投げられていた。新井が選んだ球種は外角高めのストレートだった。

「凛が...にげた?」

「珍しいな...やっぱ警戒してるんだな...」

----------------------------------------------

(油断はできない...でも!逃げてなんかいられない)

僕は内心そう思っていた。難しい、ただその一心でいま、マウンドに立っている。こんなに緊張しているのは久しぶりだ。前は中学の全国大会の時、一打で同点のピンチだった。あの時は、変化球オンリーで攻めたが、それは相手の打者が変化球が苦手だったからだ。だが今回は違う。

(何もわからない、苦手も知らない、こんな緊張も初めてだ。そんな窮地に立っても、しっかりと立ち向かっていく精神が俺にあれば、もっと強くなっていたかもしれない。だったら...)


「今!ここで強くなる‼」


シュッ!ククッ!

『!?』

僕が投げたボールは、

----------------------------------------------

「な、内角に食い込むツーシーム!」

「勝負しに行ったぞ!」

俺も白川も驚いていた。一球目と違って明らかに気のこもった球だった。

「これは、新島も驚いたんじゃ...」

と思ったのだが、

「...ふーん」

「驚いてる、というよりも、冷静じゃねぇか?」


カウントは 1ボール1ストライク

流れは凜にある...と思われる。このまま根気強く投げていれば抑えられる。

と、思っていたのだが...

シュッ!ククッ!

(あの回転は!ナックル!これはカウントとった!)

「‼」


カキーン!


ストライクを取ったと思われたナックルは

うまくミートされ軽々とレフトの頭を超えた



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