第12話 驚きとこの先
2軍の紅白戦が終わり、見事紅組が勝利した。その後のミーティングで、烏丸さんが急に一軍昇格者を発表した。枠は全部で5つ。1人目は、白組で唯一まともに俺の球をバットに当てた2年生の大塚 源太。そして2人目3人目は、なんと俺たち柳 純也と源 大輝だった。そして残る枠は2つ...
「1年新井 凛!」
「は、はい!」
「おーー!良かったな凛!一緒に一軍じゃん!」
「ありがとう純也くん。でもなんで僕が選ばれたんだろう?」
「今日は球が今まで以上に走ってたし、そこもしっかりと評価してもらえたんじゃないかな?」
「辰巳先輩!」
辰巳 ひろむ。3年生のキャッチャーだ。話を聞くところ、去年は一軍で甲子園にも出て2試合先発マスクだったという。巧みなリードでピッチャーからも評価がいい。
「今日の9回のピッチング良かったよ!一軍でも頑張ってね!」
「は、はい!」
(4人目は凛か、んじゃあと一人は塩田さんか?それとも内丘さん?)
「1年新島 悟!」
「はい...」
「以上5名!呼ばれた奴はこのあと俺のとこに来い。以上だ」
「新島って、あのライトの...」
「俺と入れ替わりだったやつか」
(...新島...悟もしかして...)
「えーこれでミーティングを終わります。このあとは昼食をとって...」
ミーティングが終わり皆が戻る頃呼ばれた5人は烏丸さんのところえ向かった。
「改めて、俺が1軍コーチの烏丸だ。そして監督は新島 人志という覚えておくように」
「えっ?新島ってもしかして...」
「俺のお父さんです...」
「悟くんの?」
「やっぱり、去年の甲子園のテレビで聞いたのは監督の名前だったんだ。まさかほんとに親子だとは」
「まっ、関係ねぇよ。悟だっけ?これから宜しくな!俺は柳 純也そしてこいつが俺の相棒大輝。んで同級生の凛だ」
「宜しくね悟!」
「宜しく悟くん」
「宜しく...」
「俺は大塚、お前らの1個上になるな、まぁ気軽に声掛けてくれ」
『はい』
「まだ話は続くぞ?お前らは明日から1軍に合流してもらう。その時は5人じゃなく10人だ。これから午後の部から5人上げることになってる」
「んじゃ卓也もこれるかな」
「来れるさあいつなら」
「まぁこの機会、嬉しいのはわかるが浮かれるなよ?1軍は厳しいところだ」
『はい!』
「あとひとつ。大会についてだがお前らもチャンスはある!」
「マジっすか?」
「あぁ、しっかりと練習し成長すれば背番号は貰えないことはないだろう。20までの背番号のうち、この中にいくつの番号がつくか楽しみにしているよ」
『ありがとうございます!』
「そうとなれば原田監督にも一言言っておきなさい」
「そうだな...よし!1年行くぞ」
「はい!」
そうして5人は2軍監督に話に行った。
「原田監督!」
「どうした?」
「今までありがとうございました!」
『ありがとうございました!』
「はいはい。すぐ戻ってくるんじゃないぞ?」
『はい!』
こうして、俺らは2軍をあとにすることになった。ちなみに午後の試合は卓也がいた白組が勝利。7回に登板した卓也は3回パーフェクトに抑え完璧なピッチングをした。そして俺たちに1軍昇格者リストが渡された。
1軍昇格者リスト
・3年 大場 作太郎 投
・3年 大向 広 外
・2年 白井 とをる 投
・2年 大塚 源太 内
・2年 多田 謙信 外
・1年 新井 凛 投
・1年 白川 卓也 投
・1年 柳 純也 投
・1年 源 大輝 捕
・1年 新島 悟 外
ちゃんと卓也の名前も乗っていた。これであの1年生のピッチングテストを行った4人、柳、白川、新井、泉が1軍で揃うことになる。
(これは、かなりハードな争いになるな!)
と思った。しかし、俺にはあんまり関係の無いことだと、後々気づく。なぜなら、
「目指すは中継ぎのエースだからだ!」