プロローグ
気がつくと見知らぬ森にいた。
木の葉から覗く青白い光に照らされ、倒れていた。
周りにいる生き物も見たことのない姿をしており、まるでゲームの世界にいるようであった。ゲーム?ゲームってなんだ?
まあいいや。
これは夢。そう信じたかった。しかし、その願望は儚く消え去った。
近くに通りかかった二足歩行の蜥蜴のような生物達が、一斉に矢を放つ。
その矢が右の頬をかすめた。
痛い。
傷口からは赤黒い血がポタポタと滴り、それを見て自覚する。
夢ではない。
自覚した途端、恐怖がわき出た。
蜥蜴達の強烈な殺意に、身がすくみ、腰が抜け、息が荒くなる。
ヤバい。殺される。何とかしなきゃ。死にたくない。誰か........助けて。
その刹那、後ろにまばゆい光が現れる。
恐怖で抜けた腰を力付くで持ち上げ、光のもとへと走る。
光のもとには、一本の短剣が祭壇のようなものに突き刺さっていた。
その短剣に希望を託し、引き抜く。
引き抜くと光はいっそう強くなり、まばゆい光と共に可憐な少女が現れた。
少女が手をかざすと、光が飛んでいき、追ってきた蜥蜴に向かう。
蜥蜴達の足元に着くと、爆散する。
蜥蜴達は金切り声をあげ、跡形もなく消え去った。
そして森は静まり返る。
まるで何もなかったかのように。
蜥蜴の存在をかきけすように。
手には、あの剣が握られていた。
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あれから何時間たったのだろうか。
もはや時間の感覚すらない。
あれから剣は名にも反応しない。
辺りはすっかり暗くなり、赤い光を放つ月が夜空に浮かぶ。
獣の唸り声のようなものが聞こえ、身を震わしていた。
明かりもなく、水も食料もない。
体はすっかりボロボロで、体力ももはや残っていない。
疲労した頭に眠気が走る。
寝てはダメだ。遭難したとき、寝ることはもっとも危険だとどこがで言ってたな。あれ?雪山の場合だったっけ。
そんな馬鹿げたことを言っていると、薄暗い森の中で仄かな明かりがゆらゆらとこちらへ来るのが見える。
あの蜥蜴達の残党だろうか?
もう逃げたり、戦ったりする体力などない。
警戒していると、明かりはすぐそばまで来ていた。
後ずさりし、死に少し抵抗しようとする。
しかし、足はふらつき、少しの段差でつまずいて転んでしまう。
その音が聞こえたのか、明かりは俺のことを見つけた。
こちらまで走り、俺の生存を確認しようとする。
視界が霞んで、もう顔も見えないや。
しかし、かろうじて人ということは分かった。
その途端安堵し、全身から力が抜け、意識が遠のいた。
はじめまして、ルカともうします。
初めて小説を書いたので、語彙力もなく、分かりにくかったと思いますが、読んでいただいて嬉しく思っています。
実はタイトルやあらすじがなかなか決めれず、妥協案で書きました。
もしかしたら変わるかもしれません。