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訳あり少女のルーフェリア冒険譚  作者: 葉山
シナリオ1 探索編
33/44

33 こかるがも

お久しぶりです

お仕事の多忙期が抜けたので、解明編に向けてポチポチしていこうと思いますのでよろしくお願いいたします。



「よーし、じゃ突入!」

「おじゃまします」


 白い卵型の劇場は、栄えていた頃の面影は今はなく、埃っぽい空気と手入れをされることのないまま放置された入口が、どこか物寂しさを誘っていた。両開きになった扉を開けると、ギイと錆びた音が大きく反響した。

 一行が中に入ろうとすると、どこからかタッタッタッタと足音が聞こえる。この辺りは子どもの遊び場になっているとロランが言っていたので、それだろうと当たりをつけるも、姿は見当たらない。


「ロランさん」

「うん? どうしたの神官のお兄さん」

「こちらへ」

「ん。なんか、嫌な予感」


 どうしてか嫌な予感が止まらないグレンとタルトがロランを後方へと呼び寄せる。何事か、と親方とユズが振り返った、そんな時だった。


「それ! くらえっ!」

「うわっ!? やっ、何っ!?」


 振り返った親方とユズの上から、目が粗い網が落ちてくる。ヘビーアックスを構えて備えた親方とは対照的に、避けようとして見事に絡まったユズ。もがき出ようとするも、気が動転して更に絡まっている。

 古典的な罠だった、と回避した三人だったが、ほっと一息つくにはまだ早い。


「かかれぇっ!」

「おーっ!」

「とりゃー!」

「うわぁっ!?」


 小さな人影……子どもの影があちらこちらから飛び出してきて、網を回避したグレンたちに襲い掛かる。

タルトは一つ小さく嘲笑してバックステップで避けたが、驚いて踏ん張ってしまったロランを庇ったグレンは避けることは出来ない。小さな木の枝や、力まかせに振り下ろされた拳がぽかぽかとグレンを叩く。

 致命傷だけは避けるようにして攻撃を一身に受けるグレンの姿に、ユズがこらえきれずに網の中から叫ぶ。


「ちょ、グレンさんに攻撃するなんてっ!」

「ユズ、私は」

「後が怖いんだからねっ! お説教タイム本当に怖いんだからっ! アンタたち覚悟してなさいっ!」

「……ええ、ユズ、貴女も覚悟しておいて下さい」

「ええっ!? なんでぇっ!?」


 アタシ関係ないよねっ!? と嘆くユズにはもう溜息しか出ない。言いたいことは山ほどあるが、それをぐっと飲みこんで<水鳥>で言おうと心に刻み込むことにした。

 ロランが心配そうに見上げてくるので、大丈夫と一言声を掛けて、攻撃の手が止んだ相手を見渡した。

 チャンバラごっこに使うような太い枝、雑誌のようなものを丸めた棒。武器と呼ぶにはあまりにもお粗末なそれらを持った子どもたちは、緊張した様子でこちらを見つめている。


「どうだ! まいったかチンピラどもめ! これ以上痛い目にあいたくなかったら、さっさとオレたちの城から出てけ!」


 とリーダーらしき少年がホールの大階段の上から現れた。仲間の子どもたちも、「そうだそうだ!」「出てけー!」と声を揃えている。

 一人後方にて全てを回避したタルトは、冷めた目でそれらを見下ろし、静かに杖を構えた。


「こかるがも? チンピラ予備軍? ……やってもいいの?」

「嬢ちゃん、だからそれはやめろって。あと魔法行使しようとするのもやめろ」


 一般人に向かって呪文を行使しようとするのはあまりにも危険すぎる、と強めの口調で言い切ると、タルトは不満そうに親方を見つめる。ダメだ、と再度断言すると、しぶしぶ杖を下ろした。


「か弱い女の子に攻撃するなんて、男として最低よ! 最低! どっちがチンピラだっつーの!」

「とにかく、互いに落ち着きましょう? 私たちは敵対するつもりはありません」

「そう言って油断させるつもりだろっ! 皆、騙されるなっ!」

「ねえ、待って!」


 いきり立つ少年たちの前に、ロランは飛び出した。


「この人たちは<水晶の欠片亭>の冒険者さんで、ボクの宝探しを手伝ってもらっているんだ!」

「宝、探し……?」


 何それ面白そう、と一人が言葉を漏らすと、さざ波のように子どもたちの間に広がっていく。そわそわとし始めた子どもたちを見て、親方はヘビーアックスを下ろした。


「宝探し、ここで一緒にやりてぇのなら、なあ、この網外してくれねぇか」

「どうする?」

「リーダーどうしよう?」

「信用できないけど、でも、宝探し面白そうだよ」

「……ま、まあそうだな。宝探しなんて面白そうだし! 俺たちも協力してやるよ!」


 解放してやれ! とリーダーが声高に命じると、子どもたちはわらわらと親方とユズの周りに集って、ああでもない、こうでもないと四苦八苦しながら網を外した。


「はー、やっと解放されたか。いやー、肩ばっきばっきになりそうだ」

「こかるがも、ちょろい」

「タルトさん」

「嬢ちゃん、いい加減にしろ」

「むう」


 グレンと親方の両方に嗜められ、タルトは唇を尖らせた。慣れてきたのは良いことだとは思うが、少し調子に乗りすぎているように感じる親方は、一つ大きくため息をついた。

 一方、年齢が近いこともあり子どもたちと早々に打ち解けたユズとロランは、早速宝探しのヒントを問い掛けていた。


「それじゃ、この意味わかる? 金色の太陽が輝く世界」

「金色の太陽が、輝く世界」

「分かるか?」

「わかんないよ」

「あ、でも金色の太陽と言えば、ホールのシャンデリアは、昔は金ぴかだったって聞いたことある」

「シャンデリア、かあ」

「でも、調べてみる価値、ありそうじゃない?」

「そうかも、ねえ案内してもらえるかな?」

「いいぜ、こっちだ!」


 と、リーダーを先頭にして、子どもたちは一行をホールへと案内するように走って行った。慣れた場所だからだろう、何かを警戒する様子もなく真っ直ぐに走って行くその様子に親方とグレンは顔を見合わせて苦笑し、それからゆっくりと後を追いかけた。



GM:「どうだ! まいったかチンピラどもめ! これ以上痛い目にあいたくなかったら、さっさとオレたちの城から出てけ!」

  とリーダーらしき少年がホールの大階段の上から現れる、

  仲間の子どもたちも「そうだそうだ!」「でてけー!」と声を揃えます

タルト:こかるがも?

    チンピラ予備軍?

    やってもいいの?

親 方:嬢ちゃん、だからそれはやめろって。

    あと行使しようとするのもやめなさい

ユ ズ:アタシ達のどこがチンピラに見えるってのよ!

    か弱い女の子に攻撃するなんて、男として最低よ最低!

グレン:(か弱い?)


ここの皆のタイピング早くて画面前で爆笑してましたw

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