表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
訳あり少女のルーフェリア冒険譚  作者: 葉山
シナリオ1 探索編
25/44

25 ヒント5

すみません、うっかりストック切れたの忘れてました。

休みの日にちまちま文章化していきますので、よろしくお願いします。

尚、このシナリオのセッション自体は既に終了しています。


 石組みの岸壁から桟橋が突き出している。船頭が桟橋に丁寧に舟を横付けすると、タルトがいの一番に上陸した。対照的に重い足取りで降りたユズは、上陸と共に深いため息をついた。


「ユズ」

「分かってる。分かってるよ、グレンさん。分かってるけれど、勝手に出ちゃうの。不可抗力なの。これくらい許してよグレンさん」


 ちらりと顔を上げると、「西:墓地/東:薔薇園跡」と書かれた道標が見える。桟橋の袂からは、東西に道が続いており、否応なしに西へ進む道が見えてしまうのである。気が進まないユズの口元から、ため息が勝手にこぼれ出てしまっていた。


「嬢ちゃんは大丈夫か?」

「……少ししたら、大丈夫」


 タルトは宣言通り、ロランが船頭と一時間待っててくれと交渉して戻ってくる間までに顔色を戻した。準備は万端とでも言うかのように、西の小道を突き進む。

 ユズは再び大きくため息をつくと、グレンの服の裾を引っ張りながら、ゆっくりと後を追いかけた。

 船頭の言葉通り、十分ほど歩いた頃にソレは見えてきた。

 黒ずんだ土の地面の上に、無数の墓石が並んでいる。ところどころに、野生のものらしい赤い花が咲いていた。


「彼岸花、かな」


 ぽつりと呟いたユズの言葉は、生暖かい風に溶けて消えていった。細い花弁がゆらゆらと揺れる。ふるりと一つ身震いをしたユズは、ぎゅっと目を瞑る。

 先頭を歩く親方とタルトは、墓石に刻まれた文字に簡単に目をやりながら進む。

 才能溢れたダン・マッカールここに眠る。

 良き妻にして良き母であった愛しのエラへ、安らかな眠りを。

 名も無き冒険者に感謝と追悼の意を捧ぐ。

 家族のもの、個人のもの、名も知らぬ誰かのもの。様々な墓石は刻まれているものの、少女たちを示唆している内容のものはない。


「建物の方、かな?」

「たぶん、そうだろうな」

「はあああああああ!? 墓地の先にあるとか悪趣味いいいいい!!」

「ユズ、静かにしましょうね」

「うえええぇぇ……」


 半泣きの様子のユズに、ロランはそっと手を差し出した。グレンの服の裾を握りしめていたユズは、片手で縋りつくように手を取り、ぎゅうと強く握った。

 痛い痛い、と騒ぐロランに、半べそで謝るその様子は、ユズが年上だと微塵にも感じさせない光景だった。

 呆れてものが言えないまま、ゆっくりと墓石の間を進む。やがて古びた白い建物が見えてくる。


「あれか、施療院は」


 施療院はすでに廃墟となっていて、壁のあちこちが剝がれている。窓にあたる部分にはとうにガラスなどはまっておらず、ぼろぼろのカーテンが風に揺れていた。入口には大きく板が打ち付けられており、入ることはできない。施療院の周辺には、白い花が植えられた花壇が囲んでいる。


「入れない?」

「立ち入り禁止、だとさ」


 代表してタルトと親方が入り口付近を調べるも、立ち入り禁止の札が掛かっているのが分かるとあっさりと引き返してくる。

 及び腰のユズを間に挟んで、グレンとロランは困ったように首を傾げた。


「うーん、どうしようか?」

「いい子なら、行かない。……悪い子なら、行く?」

「行かない行かない! どっちでも行かない!」

「大丈夫ですから、わざわざ立ち入りませんよ」

「ま、ヒントに白い花ってあるから、花壇を調べるのが妥当だろうな」


 この辺りの花壇を調べることにした一行は、手分けするよりも先に、施療院に一番近い場所で、最近掘り返したらしい跡があるのを見つけた。白い花が避けるようにして、土の色が異なっているので一目瞭然である。

 あからさますぎるソレに、タルトとグレンは眉をひそめた。


「んじゃ、とりあえず掘ってみるか」

「墓地の近くの花壇掘り返すの!? スケルトン出たらどうするの!?」

「出たら出たで【バニッシュ】唱えますから」

「グレンさんは神官だからいいけどもおおおっ!」


 嘆くユズに、親方は苦笑を浮かべながらひらひらと下がるように手を振った。


「あー、いいぞ下がってろ。俺が掘るから」

「ボクも手伝うよ」

「えっ」

「男手はあった方がいいでしょう、私も微力ながら」

「ええっ」


 裏切られたぁっ! と叫ぶユズなど構いもせず、男三人は柔らかくなった土を掘り返し始めた。

 当然のように手伝わないタルトは、案の定ユズに縋りつかれたが、膝をついて背中にしがみつかれると言う情けなさっぷりを見て、掘り終わるまでは放っておくことにしたようだ。

 やがて、三人は一抱えもある金属製のトランクを掘り出した。


「はあ、やっと掘り出せたね」

「まさかトランクたぁなぁ」

「開けてみますか?」

「待って!! 火サスの展開が見えるから! 開けるのちょっと待って!!」


 かさす? と首を傾げたタルトだが、ユズがカタカタと震えているのを見て深くは問わなかった。大袈裟に怯えるユズの様子に、タルトはロランとユズお守係を変わってもらい、グレンと共にトランクを調べることにした。

 勝手に開かないように親方に支えてもらいながらぐるりとトランクを調べる。腐臭はしない。血痕の跡もない。トランクの一部がゆがみ曲げられたような跡もなければ、中身が膨張している様子もない。

 だが一つ、つなぎ目の隙間に特徴的な仕掛けがあるのを二人は見つけた。


「罠、ですね」

「バネが見えるから、たぶんそう」

「飛び出してくる系ですが……解除は、砂利が邪魔して難しいですね」

「スカウトツール使っても、難しいなら、無理」


 グレンがスカウトツールから細い針金を取り出して仕掛けを解除しようと試みるも、どうしてか上手くいかないようで匙を投げた。スカウトツールなんて便利な道具など持っていないタルトなど、言わずもがなである。

 解除ができないのなら、やれることは一つである。


「んじゃ、俺が開けるか。もし何かあったら頼むぞ」

「申し訳ないです。が、回復の準備だけはしておきましょう」

「任せた。じゃ、開けるぞ」


 親方はカイトシールドを地面に下ろすようにしてしっかりと構え、ゆっくりとトランクの鍵を外す。

 かちり、と錠が外れる音がしたと同時に、バタンッ! と勢いよくトランクが開く。人型の何かが勢いよく飛び出してきた。


「ぎゃああああぞんびいいいいい!!」

「うわあああっ!?」

「ふんっ!」


 ユズの叫び声につられてロランも叫ぶ。却って叫び声の方に驚いたタルトは、思わず耳を塞いで後ずさってしまった。

 何かが飛びかかってきたように見えた親方は、即座にカイトシールドの後ろに身を隠す。がきん、と何かが当たって地面に倒れた音がした。

 一体何なんだ、と地面に倒れ伏せたソレに目をやると、ぼろぼろの灰色の人形。正確にはゾンビを模された人形であった。


「ゾンビの人形とか、お茶目な罠だなぁおい」

「悪質なものではなくて良かった、と言う気持ちの方が大きいですけれどもね」


 身構えていた親方とグレンが肩の力を抜き、危険がないことを証明すると、タルトはゾンビドールの傍にしゃがみ込んだ。

 おもむろにゾンビドールの腕を掴んで、パタパタとユズに向かって振る。ひぃ、と息をのむ声があがった。


「ボク、コワクナイぞんびダヨ」

「やあああああめええええええ!!」

「嬢ちゃん。今の剣士の嬢ちゃんに、その類の冗談は笑えねぇぞ」


 ご丁寧に裏声を使ったタルト渾身のジョークは、ぷるぷると叫び震えているユズの反応により、苦笑して窘められてしまった。

 意外と可愛いのに、とゾンビドールを見つめながら呟くタルトは、胸元に紙切れが貼られていることに気付く。


「ん、これ」


 読め、と言う事なのだろうか。タルトに手渡された紙片をグレンはゆっくりと読み上げる。



【月への階段 朝昼夕の決まり事】



「月への、階段……?」


 なんだそりゃ、と眉を顰める親方だが、これが次のヒントであろうことは確実である。何かを示唆しているのだろうが、今のところピンと来るものはない。

 身の丈が同じくらいのゾンビドールをぺしぺしと叩いて遊ぶタルトに、グレンは苦笑した。


「続く言葉が嫌で、私に渡したのですね?」

「ん。可愛いって話でも、性格ブスは嫌い」

「け、結構凄いこと言うんだね……。ええと、グレンお兄さん、続く言葉って?」

「そうですね……」


 グレンはもう一度紙片に視線を落とし、苦笑を浮かべながら口を開いた。


「帰りの船の中で、ユズに感情たっぷりに読んでもらいましょう」

「うぇええっ!? なんでぇえ!?」

「さあ、船頭さんが待っていますよ、戻りましょう」

「グレンさああああん!」


 嘆くユズを引っ張りながら、あるいは次のヒントを考え込みながら、船頭が待つ桟橋へと、一行は引き返すのだった。




親方:念のため確認するが、罠はないな?

GM:調べるなら探索判定をどうぞ、10分かかるけど

タルト:これ、あるって言ってるようなもの

グレン:やらないと分からないのでしょう?

    なら、やるしかないのでは?



グレン:2D6+3+1 探索 → 5[2,3]+3+1 → 9


タルト:2D6+4+1 探索 → 11[5,6]+4+1 → 16


ユズ:2D6+3+1 探索 → 8[3,5]+3+1 → 12


親方:2D6 平目 → 5[1,4] → 5



GM:9だから、親方以外は罠があることが分かる

タルト:やっぱり

グレン:解除の必要がありますね



グレン:2D6+3+1 解除 → 4[2,2]+3+1 → 8


タルト:2D6+2+1-2 解除 → 3[2,1]+2+1-2 → 4



GM:あらら

  解除できなかったね

タルト:ごめん

グレン:御免なさい

親方:やれやれ、んじゃ、俺が空ける

   もし何かあったら頼むぞ

グレン:すみません、お願いします

    即死トラップではないと思うのですが

親方:よし、じゃ、あけるぞ

GM:それじゃ、親方がトランクを開けると、

  等身大のゾンビ人形が飛び出してくる

ユズ:ぎゃああああぞんびいいいいい!!!!



GM:(1D6) → 6



GM:あ、ごめん最大値☆

  ゾンビの頭突きを食らって、6dm……お前防護点6かよ!

  ノーダメじゃねぇか!!

親方:問題なかったなww

GM:ぐぬぬ、こんなはずでは…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ