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訳あり少女のルーフェリア冒険譚  作者: 葉山
シナリオ1 探索編
24/44

24 移動B-4⇒桟橋


 対岸側の機音通りからは、ギッコン、バッタン、と機を織る音が聞こえてくる。物珍しそうに見つめるユズに、気を取り直すように話し掛けるロランは既にいつもの調子に戻っているようだ。揶揄いすぎたかな、とほんの少しばかり心配していたタルトは、小さく息をついた。

 いくつもの細い路地を進むと、やがてエルリュート湖の美しい青色が目に飛び込んできた。湖に浮かぶ小さなミルダオ島のシルエットがくっきりと見える。


「あれが、嘆きの桟橋って言われているんだよ」


 ロランが指さした先には岸壁から張り出した黒い桟橋が見える。そこには渡し船が停泊してあり、桟橋の傍らには、渡し守たちの休憩所らしい小屋があるのが分かった。


「カナリスでは、人が死んだらミルダオ島にある墓地に葬ることになっているから、埋葬に立ち会う家族以外の人たちは、ここで死んだ人とお別れをするんだ」


 ロランに先導され、気持ち静かに歩みを進める一行。幸いにも、辺りに人はいないようで、誰とも知らず、ほっと息をついた。


「今は、弔い、ないみたい」

「幸いにも、かち合う、と言う事はなさそうですね」

「良かった! 本当に!」


 力強く頷いたユズに苦笑し、桟橋の袂からくるりと辺りを見渡す。小屋の反対側に、五人の少女の像があるのを見つける。


「とりあえず、像を調べてみるか」

「そうですね。別れを告げる少女たち、はこれでしょうから」


 質素なワンピースにエプロンを付けた少女たち。手に治療道具を持っている者も入れば、祈るかのように手を組んでいる者もいる。石膏で造られたのだろう白い少女の像は、全員が湖の方へ向いている。


「なんか、皆ミルダオ島を見てるみたいだね」

「……ってことは」

「ミルダオ島へ、行けって、こと?」

「いやあああ! 他に! 他に何かないの!?」


 そんなに行きたくないのか、と苦笑されていることに気付かず、ユズは必死の形相でちょろちょろと石像の周りを調べ始めた。

 像の台座部分の裏側に石碑が刻まれていることに気付くと、誰かに教えるでもなくじっと見つめる。

 ロランが先ほど言っていた五人の少女にまつわるお話が刻まれている。内容はほぼ変わらないが、最後に付け加えられている文章を見て、ユズは愕然と座り込んだ。


「いいいやああああ……だめだ、神様はどうしてもアタシを行かせたいんだ……」

「ユズ姉さん、何かあったの?」


 ロランが恐る恐る尋ねると、ユズは無言で石碑を指さした。


「あーと、読むね。『墓地の近くには、少女たちが病人たちを介護した施療院が残されており、その周囲には少女たちを悼んで白い花の花壇が作られています』って、最後の一文はボクも知らなかったな……」


 しみじみと呟くロランの言葉に、三人はハッとした様子で顔を見合わせた。


「愛と勇気に白い花の贈り物。彼女たちの偉業は、愛と勇気にあふれたもの?」

「白い花があると確定したのなら、そうでしょうね」

「よっし、じゃ渡し船でミルダオ島へ行こうぜ」


 親方は意気揚々と、反対側にある小屋へと進む。対照的に意気消沈したユズを宥めすかせるグレンとロランは苦笑を禁じえなかった。


「おーい、誰かいないかー?」

「おう、なんか用かい?」


 ちょこん、とタルトが親方の後ろに着いて行ったものの、その横に大き目な巨体が相手の姿を見せてはくれない。声だけで判断したタルトは、心の中で思わず思ってしまった。

 おっさんとおっさんが話している、と。

 声に出したら確実に親方が凹むから、賢明にも内心で思うだけで留めたが。


「休憩中悪いな。ちょっとミルダオ島まで行きたいんだが、船は出してもらえるか?」

「構わねぇぜ。ミルダオ島までは片道二十分くらいかかる。料金は、一人当たり往復で五ガメルだ」


 お金のことになると、途端に言葉に詰まる親方。仕方なしにペンダントを掲げて前に出る。渡し守もそれなりの歳の男で、種族は違えどやはりおっさんだった。


「これ、大丈夫?」

「大丈夫だ。さあ、乗りな!」


 にこやかに促された一行は、ぐずるユズを宥めすかして渡し船に乗り込んだ。タルトは相変わらず青白い顔をしてしっかりと縁を掴んでいたが、特に何かが起こると言うわけでもなくミルダオ島へ徐々に近付いていく。

 ふと、船頭が親方に問い掛ける。


「ミルダオ島では一時間くらいなら帰りを待ってるが、それ以上かかるなら、いったん帰って指定された時間に迎えに来ることになるぜ、その場合は手数料で五ガメル貰うがな」

「一時間は掛からねぇと思うけどなぁ」


 どうする? と他の面々に向かって問い掛けると、ユズが即答する。


「おっちゃんに待っててもらおうよ。あ、でもミルダオ島って広いの?」

「ミルダオ島の船着き場から墓地までは、歩いて十分かかる。墓地とは反対側にある薔薇園跡までも、船着き場から歩いて十分だ」

「んじゃ、やっぱり待っててよ! ちょこっとお参りして帰ってくるから! 速攻で帰るから!」

「おう、分かったぜ。さ、もうすぐ到着だ!」




うっかり機音通りが対岸ってこと確認ミスだったので、今回カットしましたが、勿体ないので(笑)



<B-2 機音通り>


GM:石畳の細い街路が続いています。

  左右の家々からは、ギッコン、バッタン、と機を織る音が聞こえてきます。

親方:ちょっと様子が変わったな

   さっきのとこといい、ここと言い、

   この辺りは職人通りか

ロラン:ここは機音通り。

    いつも機を織る音が聞こえているから、そう呼ばれているんだよ。

    機織りや服を縫う職人さんたちがたくさん住んでいて、

    ルーフェリア神殿の神官服なんかもここで作られているんだって

グレン:へえ、ルーフェリア神殿の神官服、ですか…

ユズ:あ、グレンさんちょっと自分のも欲しいって思ったでしょ?

グレン:手持ちがあれば、の話ですがね

タルト:金欠、切実な問題

親方:はー、どっかで大金転がってこないかねー

グレン:まあ、地道に、が一番でしょう

    ね?


尚、各伝説等に関しまして、今回関係なかったものは内容省略しています。

是非、実際にセッションして!みて!(突然のステマ)

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