17 神殿図書館
「寄進、ありがとうございます。貴方の求める知識がありますように」
ロランが五ガメル寄進すると、受付の神官から丁寧に礼をされた。グレンと共に綺麗な礼を返して、二人は静かに図書館を進んだ。
知識を司っているキルヒア神殿だからこその光景だろうか。床から天井までびっしりと埋め尽くされた本棚が、壁と言う壁の全てに並んでいる。中には移動式二面本棚となっているものもあり、隙間なくぎっしりと詰められている本棚が動くたびにギイと重そうな軋む音が図書館に響いていた。机と椅子は入り口の方に申し訳程度に備え付けてある程度で、利用者のほどんとはその場で立ったまま書物に目を通している。
グレンにとっては見慣れている光景だが、初めて足を踏み入れたロランにとっては、驚きの光景だったらしい。入口で口をぽかんと口を開いて立ち止まっていた。
その様子を見て静かに苦笑したグレンは、ぽんとロランの背を押すと、慌てたようにしてロランは一歩踏み出した。
「ありがとうございます」
「いえ、気持ちはわかりますから」
照れたように小声で伝えてくる言葉に、グレンは囁くようにして返した。気を取り直すようにして辺りを見渡す。
【知識の図書館 本好き小鳥の読書会】
仮に知識の図書館がそのままの意味でここを指しているのなら、本好き小鳥の読書会、とは何を意味しているのか。ぐるりと辺りを見渡しても本棚が連なっているだけで、小鳥を指すようなものは特に見当たらない。
鳥関係の書物だろうか、と辺りを付けて関連書籍の棚の辺りへ移動する。背表紙にさっと目を通しても、読書会が関係しているようなものは見当たらない。ロランが近くで似たような書物を開いているのが見えた。後ほど結果を聞くことにしようと決め、グレンはそっと場所を移動する。
(長靴島が、この辺りの……旧水路地区に関連した場所であったことを考えると、少しでもこの辺りの歴史を知っていた方がいいような気がしますが……。この短時間で歴史書を読み解くには少し難しいですね)
それでもなんとなく歴史書を手に取り、簡単に目を通す。三人を待たせていることを考えれば、いつものように深く読み込んでいる時間はない。パラパラとページをめくって、水路についての項目をいくつか目を通す。
(レンナの伝説に、セリーヌの伝説。水路の名前はそこからあやかって付けられているようですね)
関係あるかどうかは分からないが、覚えておいて損はないだろうと、記憶の隅にそっと刻んでグレンはそっと時間を確認した。彼らと別れて十分過ぎたくらいだろうか。
本音を言えばもう少し調べてから合流したいところだが、あの何をしでかすかわからないトラブルメーカーが心配で、早々に切り上げることとした。
ロランに声を掛け、結果を尋ねるもあまり思わしくないようだ。
「ここじゃ、なかったのかな……?」
「もう一度考え直しましょう。見落としている者があるかもしれません」
「うん、そうだね」
こくりと頷いたロランを伴って、グレンは静かに図書館を後にした。
ビックリするほど何もないのですが、ここで区切らないと話の区切り的に繋がりが難しかったです。
あと、この金欠メンバーめっ! って思ったGMは悪くないと思うの。




