01 幸せの時間
あらすじでも触れましたが、公式シナリオルーフェリアツアー1を使用しています。
多少の改変をしていますが、未プレイの方はご注意ください。
でも、本当に、このシナリオ好きで、誰かやってくれよぉ!他の人のセッション内容もみたいんだよ!
って思いでいっぱいです。
また、リプレイ掲載方法ですが、基本的に小説文体を取っています。
実際のセッションはオンせ、どどんとふ使用です。あとがきにちょこっとそのダイスの荒ぶり具合をのせて行こうとは考えていますのでどうぞよろしくお願いします。
「タルトちゃん。お誕生日おめでとう」
「ありがとう、おかあさん」
「タルトもとうとう十四歳か……。エルフ族で言えば、もう大人扱いができる歳、だもんなぁ」
「こんなにちんこてぇ赤子だったってのに、時が経つのは早ぇなぁ……」
「おとうさん、早足。それ、やめて」
「そうさな。嬢ちゃんはもう大人の仲間入りだ、ちゃんとレディ扱いしてやらねぇと可哀想じゃねぇか」
「親方、アンタが一番子ども扱いしているようにしか見えねぇって」
周りの大人たちが笑っている中で、タルトはぷくっと頬を膨らました。せっかくの自分の誕生日だと言うのに、皆ちゃんと祝ってくれない。それが不満で不満で仕方がなかった。
親方も早足も、おとうさんも、男の人たちみんな、タルトの誕生日にかこつけてエールを飲んでいるだけ。祝ってくれる気なんてちっともない。
むう、とむくれるタルトに、おかあさんは機嫌を直して、と何かを差し出してきた。
「開けてもいい?」
「もちろんよ」
綺麗に包まれた小さな袋を開くと、青い滴型の水晶が付いたペンダントが、ことりとタルトの手の中に落ちてきた。
タルトがキラキラと目を光らせてそれを掲げると、おかあさんがそっとペンダントに手を重ねた。
「これはね、タルトちゃん。おかあさんが昔過ごしていた冒険者の店でもらった、証なの」
「証……? 今のとは、違うの?」
「違うの。ここでは、駆け出しの頃からお世話になっていた、思い出深い場所」
おかあさんは記憶を懐かしむようにしてペンダントの表面を撫でていた。
冒険者の証は、その冒険者の店が認めた者にしか与えないもの。それを自分なんかがもらってもいいのだろうか、とタルトは困った顔でおかあさんを見上げた。おかあさんはソレを察したのだろう。優しく微笑んで、タルトの首にそっとそれを付けた。
「もしも、タルトちゃんがちゃんとした冒険者として活動をするなら、この冒険者の店から始めるといいわ。おかあさんのことを伝えたら、きっと力になってもらえるから」
「でも、まだおかあさんたちと一緒にいるよ?」
「……もしも、その時が来たら、の話よ。頭の片隅にでも置いておくといいわ」
癖の強すぎるタルトの髪を優しく撫で、おかあさんは小さく微笑んだ。
タルトはそっとペンダントトップを撫でて、複雑そうな顔で口を開こうとした、そんな時だった。エールの匂いをぷんぷんさせたおとうさんが、背中を強く叩いてきたのは。
「そうだぞ、タルト。冒険者たるもの!」
「……沢山の可能性を広げておくこと?」
「そうそう、それそれ!」
「ぎゃははははっ! オトーサン、適当に言ってんじゃねぇって話だっつーの!」
「まあ、あながち間違ってはいないがな」
台無しである。
おとうさんも、早足も、親方も。普段の姿は憧れてしまうくらいにカッコいいと言うのに。この酒におぼれている姿だけはどうしても好きになれない。困ったものだわね、と苦笑するおかあさんは、止める気配はない。
それでも、せっかくの誕生日だからとタルトは寛大な心で流すことにして、一緒に笑った。
涙が出るほど、暖かなひと時だった。
PC1:タルト
種族:ナイトメア 生まれ:魔術師
冒険者レベル1
技能:ソーサラー1
コンジャラー1
スカウト1
セージ1
特技:魔法誘導
言語:共通交易語 エルフ語 魔法文明語 魔動機文明語(読)
メモ:ナイトメアは隠している。泳げない。対人恐怖症。
髪の色:テンパ銀色 / 瞳の色:蒼 / 肌の色:白いよ
経歴1:高レベルの魔法をかけられたことがある
経歴2:大切な人と生き別れている
経歴3:両親に愛されて育った
穢れ度:1
本作の主役に置いている子