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ハジマリのモノガタリ
彼女は、嫌われていた。
それは、深紅の髪が原因か。物と話せてしまうのが原因か。どちらにせよ、彼女は人々から、忌み、嫌われていたことは、確かなことだ。
彼女とて、初めは努力した。
人見知りで、引っ込みじあんだったが、人と仲良くなりたい一心で。
しかし、彼女は気付いてしまった。人々から、冷たい目で怯えたような目で、見られていることに。
そして、彼女は人と話す努力を諦めた。
何もやりたくないと感じた彼女は、物とも話す事は一切しなくなった。
彼女は段々、生きる意味が分からなくなった。なんで、生きているのか。そんな質問を何度も自分に問いかけた。返事はなかった。
だから、眠りについた。
自分の呪われた力も、深紅の髪も封印して。
彼女は願った。
次、目覚めたときは幸せなことを。生きる意味がちゃんとあることを。
こうして、彼女目覚めることの無い眠りにつき、人々から、忘れ去られた。