京浜東北線に轢かれた。
京浜東北線に轢かれた。
私の影が轢き殺された。
マフラーに顔をうずめて、電車を待つ。
太陽の光を受けて、私の影が線路に伸びる。
「まもなく2番線に、各駅停車:桜木町行きが参ります。危ないですから、、」
しばらくして電車がホームに入ってくる。
入ってきて、私の影に迫る。迫る。迫る。
私の前までやってきて、私の影を轢き殺す。
毎日、毎日轢き殺す。
それでも毎日、私の影は伸びる。
懲りずに伸びる。毎日伸びる。
そして毎日轢き殺される。
ものには実体と影がある。
影があるから実体があって、
実体があるから影がある。
私と影。
影と私。
私がいるのは影のおかげ。
影があるのは私のおかげ。