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Shining Heart  作者: 201Z
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1−2


〜時計塔〜


「着いたっすよ」


そこは大通りの先の広場にある千年もの時を告げたと言われる時計塔。


「時計塔か、懐かしいな」


「やっぱりよく見えるっていったらここでしょ」


「小さい頃フェイとリーシュと三人でよくここで遊んだよねぇ」


「そうだよなぁ」


「二人とも早く登ってパレードを見るっすよ」


時計塔の入口には朽ちた立ち入り禁止の札がついているが気にも止めずに三人は時計塔の中に入り塔の中間のフロアに着いた。

そこは時計塔の動力室の下の階にあり、周囲を囲むように窓が並んでいる何もない部屋。


「この高さならパレードがよく見えるっすよ」


リーシュは窓を開けた すると外には夕日に染まる街並みが広がりパレードの明かりが光の川のように流れていた


「さすがここならよく見えるなそういえば新国王ってどんな人なんだろうなっレイナ」


「え〜っとたしか前国王が病で倒れてその後を引き継いだのが執務官だった新国王ラムダス様みたいよ」


「あっ来たっす、あの大きなカーゴに乗って手を振ってるのがそうっすよ。フェイ」


「ん〜ここからだと顔まではよく見えないな」


フェイは窓から乗り出し、目を凝らすがはっきりとは見えず諦める。


そこへ、後ろからレイナの声が聞こえた。


「ねぇ、二人共ちょっとこっちに来て」


「なんっすか?」


「どうしたんだぁ?レイナ」


「この床にある三つのくぼみはなにかな?」


そこには床の石板が外れていて三つくぼみと見慣れない文字が円を描くように刻まれた床があった。


「小さいな時よく来てたけど床板の下にこんなものがあるなんて全然気付かなかったな」


「いったいなんなんすかね」


いきなり時計塔の鐘の音が鳴った。


「やばい、母さん手伝いしなきゃなんないんだった。悪いけど先に帰るっすよ」


リーシュは時計の鐘の音を聴くや二人に告げると急いで階段を降りていった。


「リーシュは相変わらず、そそっかしい奴だな」


「そうね、まぁフェイも人のことは言えないじゃない?」


レイナは微笑みながら言った


「そうかなぁ」


フェイも微笑みながら返した。


外ではパレードが終わり帰る人で賑わっている二人は窓辺で外を見ながら話を交わしいる。すると後ろからドサッという音が聞こえた。


二人が振り返るとそこには人が倒れている。

二人は急いで倒れている人物に駆け寄り声をかけた。


「大丈夫ですか!?」


うつぶせになった体を起こした時、フェイとレイナはその人物に見覚えがあった。


『あれ?この人どこかでみたような』


すると倒れていた人物から朱く輝く球体が転がり出た。


「なんだろう、これ?」


「そんなことよりフェイこの女の人、全然目を覚まさないよ」


レイナの言葉にフェイは咄嗟に朱い球体をポケットにしまい、倒れていた女性に視線を移す。


「とりあえず、家に運ぼう」


フェイは女性を背負い、時計塔を降りて外に出ると時計塔から一番近いフェイの家へと向かう。




〜フェレストア城〜


「なに!オーブを盗まれた!なにをしておったのだ」


ラムダスは憤慨し、キルクを叱責する。


「申し訳ございません陛下、妙な霧に阻まれ取り逃がしてしまいました」


「おのれ〜小娘とみて甘く見ておったわ、それで捜索は?」


「まだ何の手掛かりも」


「くっ、キルクなんとしてでも小娘を捜し出せ!」


ラムダスはキルクに言い放ち玉座から立ち、自室へと向かった。


突然、空間が裂けて暗闇が口を開ける。その暗闇の中から黒のローブを着た男が現れた。


「キルク」


「ギルッシュか」


「オーブを奪われたようだな」


「すまない」


「まあいい、あとはこちらでやる。もうこの国も用済みだしな、それに…お前もな…」


最後の言葉を呟くように言うと黒い球体がキルクを包みこんだ。


「一体どうゆことだ!助けてくれ!」


キルクの叫び声とともに球体は消し飛び、ギルッシュは暗闇へと消えた……




「んっ…ここは……」


深緑の艶やかな長い髪に気品の感じられる顔立ちの青年女性が目を覚ます。


「フェイ!この人目を覚ましたよ。大丈夫ですか?」


「えっえぇ 私は…」


「時計塔で倒れていたので僕の家に運んでベットに寝かせたんです」


「そうなのですか、それはありがとうございます」


「どうしてあんなところに?」


深く考え込んだ後に答える。


「それは……申し訳ありませんなにも思い出せない…」


「じゃあ 名前は?」


「なまえ…クレア…クレアという名前だったと思います」


クレアは記憶を絞り出すように名前を呟いて言う。


「じゃあ、クレアさんこれを見て何か思い出さない?」


ポケットから朱い球体を取り出して見せた。


「あなたが持っていた物ようなんだけど」


クレアは朱い球体を見た途端、頭抑えた。


「うっ…あたまが…」


クレアは深く頭を抱え込む…。


「大丈夫ですか!?」


「今は無理せずベットに横になってたほうがいいですよ」


クレアはベットに背中を預けると直ぐに眠ってしまった。


フェイは朱い球体を近くにあった布の袋にしまった。


「一体なんなんだろ?この赤い球は」


朱い球体の入った布の袋を触れながら言った。


「クレアさんの反応から見るとなにか重要な関係があるみたいだけど」


「今はそっとしておこう、この朱い球は預かっておいた方が良さそうだな」


「そうね」


そこへコンコンっと家の扉を叩く音が聞こえた。


「はい」


フェイは扉に歩み寄る。


「どちらさまですか?」


扉を開けるとそこには怪しげな黒のローブを着た少年が立っていた。


「…渡してもらおう」


「はい?」


「女とオーブを渡してもらおう」


「あんたなんなんだ?」


「渡せといっている」


「!?」


少年の姿が目の前から消え、後ろからレイナの悲鳴が聞こえた。


「きゃっ!」


「レイナ?」


フェイが後ろを振り向くとさっきの黒のローブの少年がいた。


「何で、いつの間に!?」


少年はベットに寝ているクレアに近づいていった。


「おい!なにを勝手に」


フェイは少年に駆け寄り、肩を掴もうと手を伸ばした。


「邪魔をするな」


すると身体ごと何かに弾き飛ばされ、その勢いでテーブルにぶつかり、布の袋が床に落ちて朱い球体が転がり出た。


「フェイ!?」


「レイナ、大丈夫だ危ないからさがってろ」


「フェイ、何をする気?」


「こんな訳の分からない奴にクレアさんを渡すわけにはいかないだろ?」


フェイは立ち上がり、壁に飾ってあった剣を掴み取った。


「邪魔をするとゆうなら容赦はしない」


フェイは少年に剣で斬りかかったが何か見えない物に阻まれて弾き返された。


「さっきといい、今のといい何かに阻まれてる?」


「冥土の土産にいいものを見せてやろう、出てこい!」


空間がぼやけて何かがでてきた。


フェイは驚き少し後ずさる。そこには目が赤く体は黒い毛に覆われ狼ようで尻尾には鎖が巻き付き、先にはとがったナイフのようなものがついている獣がいた。


「そいつらを消せ」


「レイナ、逃げろ」


「フェイ…怖くて…足が…動かない…」


「チクショウ」


フェイも恐怖を感じながらも震える手で剣で振りかかった。だが何度やっても全然効かない。


「なんで!効かないだ!」


「人間ごときの攻撃が効かないさ、ハウンド!早くとどめをさせ!」


僕は諦めずに剣を振りかざした瞬間、先のとがったナイフがついた鎖が僕の胸に突き刺さる。


「うっぁ…」


「フェイ!!」


レイナの悲鳴が響く。


『こんなとこで…死ぬのか…このままじゃ…レイナまで…殺されてしまう…』


僕がそう思った時、どこからか声が聞こえて来た。


『生きたいか?』


『だれだ?』


『助けたいか?』


『だれなんだ?』


『生きたいか?』


『あぁ!』


『助けたいか?』


『あぁ、助けたい!』


『ならば我と契約し解き放て!さすれば汝に力を授けよう』


『助けることができるならその契約結ぶよ』


『その言葉忘れるな…』




「まずは一人、次は女、おまえだ。やれハウンド!」


少年が言い放った瞬間、朱い球体が強く赤い閃光を放ち、部屋全体に広がった。


「なんだこの光は!」


光の中からフェイが現れ左腕には輝きを放っている朱い球体、オーブが埋め込まれた腕輪を嵌めている。


「フェイ!よかった生きてたんだ…」


涙を流しながらレイナは言った。


「なぜだ!なぜ生きてるんだ!たしかに胸をついて殺したはず!ハウンド!」


ハウンドはフェイに飛び掛かると何かがハウンドを弾き飛ばした。


「くっ!これがオーブの力か、今回のところは退いてやるが女は連れてく」


空間が裂けて暗闇の虚が開く。そして、暗闇の中にクレアを抱えた少年が消えていった。

オーブの輝きは収まり、フェイは崩れ落ちるように床に倒れた…。


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