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Shining Heart  作者: 201Z
13/71

4−1


ストレイヤ山脈〜麓町ゼルゼ〜


「ここが麓町ゼルゼっすか」


「人が全然いないよ」


「まるでゴーストタウンのようですね」


フェイ達はゼルゼに着いたが町の中は人気がなく閑散としていた。


「どうしたんだろう」


「人は住んでいるようですが」


「前に来たときはこんなんじゃなかったのにな」


「とりあえず宿に行きましょう」


フェイ達は町の中心部にあるこじんまりした広場で宿を見つけ入った。


宿の中には宿泊の手続きをするカウンターがあり、カウンターの中には一人の老人がいた。


「すいません、部屋を借りたいのですが…」


「…」


老人は黙ったまま後ろに掛かっていた部屋の鍵を取り、カウンターの上に出した。

クレイルはその鍵を取り、クレイルの先導のもと、フェイ達は鍵に刻まれた部屋へと向かった。

部屋に着くとフェイはフィーをベットに寝かせる。


「なんなんっすかね、あの態度」


「気になるところですが、今はフィーちゃんの母親が何処にいるかを町の人に聞いてみましょう」


「聞くっていったって人気がないっすよ」


「町の奥に教会が見えたけどそこなら何か聞けるかも」


「教会ですか…そうですね、教会なら何か聞けるかもしれませんね」


「なんでっすか?」


「それは教会というなは来る者は拒まず、招き入れるものですから」


『まぁ、何を祀っているかにもよりますが…』


クレイルは心の中で例外は存在すること思う。


「あと教会には私とフェイくんで向かいます」


「なんでっすか?」


「フィーちゃん一人置いて行くわけには行かないですし、レイナちゃんも暫く休んだ方がいいでしょうから」


『だったらフェイが残った方がいいような』

リーシュはレイナを一瞥した。


「そういうことだから二人を頼んだよ」


「分かったっす」


クレイルとフェイの二人は宿を出る。


「どうやら我が眠っている間に色々とあったようじゃな。フィーの母親を送り届けるのか」


「うん、クドルさんの最期の頼みだから」


「そうか…」


「ラスティスに殺され、そして、そのラスティスは何らかの力で朽ち果てました」


「そんなことが…」


話を交わしているうちに目的の教会に着いた。


教会はV字の崖の頂点を彫り造られており完成してから長い年月が経っているため建物は少し風化しているが見上げると鮮やかなステンドグラスがはめ込まれ太陽の光に輝いている。


クレイルは教会の扉を叩いた。


暫くして扉の小窓を開き、神父が顔を見せる。


「はい」


「あのお伺いしたいことがあるのですが」


神父は小窓を閉じ、扉を開けた。


「ここではなんですので中へどうぞ」


二人は神父の言うとおりに中に入ると中はステンドグラスを透る光が万華鏡のようにあらゆる色に輝いていた。


「すごい」


「確かに幻想的ですね」


「ここはフェレストアの時計塔と同時期できたと言われています」


「あの時計塔と、そんなに古いのか…」


「それでご用件とは?」


「ストレイヤの山に住んでいる女の人を知りませんか?」


「あぁ〜あの方ですか…直接的には知らないのですが山の中腹にあるテューレの滝でよくいるのを町の人達が何度か目撃しているそうです」


「そうですか、あともう一ついいですか?」


「構いませんよ」


「この町で何かあったんですか?」


「それは………昨日のことです…突然、ガルムの群れがイフェリアの森の方から現れて町の外にいた者が何人か襲われまして皆さん怖くて外に出られないのです」


「そんなことがそれで群れは何処へ」


「山の方へと向かいました」


「!!それって」


「えぇ危ないですね、急ぎましょう」


「ありがとうございました」


二人は急いで教会を出るとフェイは一人の修道女とぶつかりそうになった。


「おっと!すいません」


フェイは修道女に謝るとクレイルと共に山の中腹にあるというテューレの滝へと急いだ。


テューレの滝に行くまでに数匹のガルムが襲って来たが斬り伏せながら進み、目的の場所へと辿り着いた。


「ここがテューレの滝ですね」


「誰もい…あっ」


そこには一匹のガルムが女の人に近付いて行くのが見え、フェイは剣を手に駆ける。


「ちょっと待って下さい」


フェイは女の人の言葉に動きを止めるとガルムは女の人の傍に座る。


「この子は危険じゃありません」


女の人はそう言うとガルムの頭を撫でる。


フェイはその様子を見て、剣を仕舞う。


「貴方達は何者ですか?私はレイ、この子はガイと言います」


「私達はある人を探してまして…」


ガイは何かを感じ、レイの服を引っ張った。


「ここは危険ですので早くこちらへ」


二人はレイに案内されるまま滝の裏へと案内する。そこには洞穴の入口があり、レイとガイは中へと入っていった。


「どうぞ掛けてください」


フェイとクレイルはレイの示す木箱に座った。


「ここはどこですか?」


「私が倉庫として使っている洞穴です。それで探している人っていうのは?」


「フィーという子を知っていますか?」


「はい、私の娘です。フィーを知っているんですか?」


「えぇ、いま一緒にゼルゼに来ています」


「どうして?」


「……実はクドルさんが…」


口重にクレイルはクドルの死のことをレイに告げた。


「そうですか…あの人が…」


「最後に貴女の元へフィーちゃんを送り届けて欲しいと」


「そんなことを…」


レイはクドルの事を思いながらフィーの事を語り出す。


「フィーは産まれて間もなくの話なんですけど、私の持つ力のせいでフィーが誘拐されて人質にそれで私は誘拐した者達の元へ向かいました。その時はあの人と盗賊団の人達が助けに来てくれて何とかなったんですが…そんなことがあって私はフィーの近くにいる危険が及ぶと思い姿を消したのに…」


「そんなことが」


「その後、あの人は私を捜しだし、何度も尋ねて来ては一緒に住もうと言ってくれたのですが私は断り続けました。それなのにどうして私の元へフィーを…」


「僕には両親がいないけど…どんな理由で遠ざけようともやっぱり子供には母親が必要だと思います」


「それと話に出ていた力何ですが、恐らくフィーちゃんも貴女と同質の力を持っているみたいです」


「まさか!」


「不思議ではないですよ。親子なのですから」


「そう…ですよね…そんなことを気付かなかったなんて…」


「じゃあ、早くフィーちゃんに会いに行きましょうよ」


フェイは立って外へ出ようとしたがレイに止められた。


「待ってまだ外へ出ては危険 ガルムの群れが山の中を徘徊しているから」


「心配ないですよ、ここまで来れたんですから」


「いえ、此処にいるガルムは普通と違います。普通、ガルムは決まった縄張りから出ません。しかも群れで行動するなんてそれに彼等の声が聞こえないんです」


「でも、このままここにいるわけにはそれにまたゼルゼが襲われるかも知れません」


「分かりました。ではガイに外の様子を調べてもらいます」


ガイは外の様子を調べに洞穴から出ていった。




ストレイヤ山脈〜麓町ゼルゼ〜


ベッドの上で眠っていたフィーが目を覚ます。


「あれ〜?ここは?」


「起きたっすね、フィーちゃん」


「ここはストレイヤ山脈の麓町ゼルゼだよ」


「お姉さんはだぁれ?」


「紹介はまだだったね。私はレイナ、よろしくね、フィーちゃん」


「うん、レイナお姉さん」


「遅いっすね」


「何が遅いの?」


「フェイとクレイルさんっすよ」


「お兄ちゃん達、どこへいったの?」


「ちょっと教会にね」


外で遠吠えのような声が聞こえ、その後に人の叫び声が聞こえた。


「また出たぞぉ」


「なんっすか?」


リーシュは窓を開け、閉まっていた雨戸を少し開け隙間から外の様子を見るとガルムの群れが街の中にいた。


「なんっすかこれは…」


「どうしたの?リーシュ」


「ガルムの群れが町中にいるっす。これで外に誰も居なかった理由が分かったっすね」


「どうしたの?」


「大丈夫、心配ないっすよ。レイナはフィーちゃんを見ててっす」


「どこ行くの?」


「ちょっと表の様子を見てくるっす」


そう言ってリーシュは部屋から出ていった。



テューレの滝


ガイが戻ってきた。


「どうでした?」


「…」


「なんてこと!」


「どうしたんですか?」


「ゼルゼが襲われています」


「なんだって!?急いで向かわなきゃ」


三人とガイはゼルゼに急いで向かう。


ゼルゼに向かっていると途中で一人の男と出会った。


「どうしたんだい?そんな急いで」


「ゼルゼがガルムに襲われているんです」


と言い、行こうとしたら止められた。


「待ってよ、まだ用は終わったないんだからさ」


その言葉に振り向くといきなり何かが頬を掠めた。


「うわっ!」


「何をするんですか!?」


「今、あんた達をゼルゼに向かわせるわけにはいかないんでね」


男は両手に数枚のカードを扇状に広げると三人と一匹の方向へとカードを投げる。


投げられたカードは三人と一匹を囲むように配すると光の格子状のものが現れる。


「この力まさか…帝王の配下の!?」


「惜しい!でも近くて遠いかな」


「では、何者ですか?」


「そうだな……取り敢えずフェイクとしておくよ」


フェイクは少し考え込み言った。


「じゃあ、また何処かで…」


「待てよ!」


フェイの言葉を気にも止めずにフェイクはゼルゼの方へ歩いて行った。


「これは?」


レイは光の格子に触れようとしたがクレイルに止められた。


「触れないでください」


クレイルは地面に落ちていた小石を光の格子に投げたすると小石は粉々になった。


「これじゃ出られない、早くゼルゼに向かわなきゃいけないのに」


「どうやら物を媒体とした力のようですね。だとすればカードを破壊すれば解けるかもしれませんね」


クレイルはもう一度、地面に落ちている小石を広い、今度は格子と一体なっている、カードに向けて投げると弾かれ地面に落ちた。


「クレイルさんどうしたら?」


「フェイくん、エレメンタルブレードでこのカードを切ってもらえますか?」


「はい」


フェイは剣を構えてカード目掛けて振り抜いた。カードは二つに別れ、光の格子が切れた。


「やった消えた」


「えぇ、急ぎましょう」


「ガイ、先に行って襲われている人がいたら助けてあげて」


ガイはレイの言葉通り一足早くゼルゼに駆け出し、その後を三人も急いだ。


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