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Shining Heart  作者: 201Z
12/71

3−4


イフェリア〜遺跡の地下〜


「うぅぅ…」


フェイ達は祭壇の方を見るとガーディアンが黒いオーラを放っていた。


「まだ闇が抜けてない!?」


「だいじょうぶ」


フィーが落ち着いた声色で呟くと黒いオーラは消えた。


「………我が名は守護者エラネーク助けて頂いて感謝する」


「いえ、こちらも仲間を助ける為にしたことなので礼を言われることは」


「どうやら大精霊がいるようだな」


「どうしてそれを?」


フェイの腕の腕輪が光の球体に包まれた。


「我は精霊を守護する者だからな造作もない」


「なにを!?」


「ん〜力の消費が激しいようだな…」


光の球体はオーブに吸い込まれた。


「ここはどこじゃ?」


「グレネリス!?」


「治癒を施した。それと…」


エラネークが言葉を区切ると地面に横になっていたクリスタルに亀裂が走り、水となり消えた。


「レイナ!」


フェイはレイナに駆け寄り、抱き起こして名前を呼びかけた。


レイナは呼び掛けに反応を見せる。


「よかったぁ…」


「ホントよかったっす」


「無事のようですね」


「ん…ここは?」


レイナがゆっくりと瞼を開ける。


「大丈夫?」


「うん、何が…」


レイナは何があったか思い出した。


『確かゴートさんに地下牢から助けてもらって…』


フェイは場所と今までの経緯を話した。


「…なんかごめんね」


「俺こそ、なんか…ごめん」


「な〜に二人で謝りあってるんすか」


「なんかその…」


「なんかね」


「まったく熱いの〜」


「グレネリスなにを!さっここを出よう」


フェイは話題を逸らす。


「そうっすねぇ〜」


リーシュはフェイ達を見ながら含み持たせたように言う。


「立てるか、レイナ」


「うん」


フェイは手を差し延べた手を取り、レイナが立ち上がろうとした時、突如、フェイ達の後ろで光が輝きドサッと音がする。


フェイ達は振り返ると……。


「痛いだる…」


「何なのよ…」


「まただぜ…」


そこには重なるように倒れてる三人組がいた。


「我が元に戻ったことで遺跡が正常に動き出したか」


エラネークは誰に聞こえるでもなく呟いた。


「お前は!」


フェイは三人組の一人を見て言った。


「どうしたんっすか?」


「カシュア村でぶつかった三人組の一人だよ」


「あ〜!そういえばそうっす!」


三人組は立ち上った。


「何だか逃げた方が良さそうだる」


「一体、何者です?」


「誰かと聞かれたら教えてあげるわ!やるわよ」


「あれをやるですかぁ…?」


「早くしなさい」


三人組はそれぞれポーズを取ると言い始めた。


「この世にまだ見ぬ秘宝が有る限り」


「宝が俺らを呼んでいるぜ」


「……だる」


「だるじゃないわよ、最後は決めるわよ」


「その名はロリック団!」


三人組は声を揃えて言う。


『決まったわね…』


その瞬間、時間が止まった…ようにフェイ達はポカーンっとしていた。


「…さぁ、逃げるわよ」


「ヘイ」


「だる」


フェイ達が呆けているうちに三人組は逃げた。


「あっ!逃げたっす」


「なんだったんじゃ、今のは?」


「さぁ何なのでしょうか」


そして、フェイ達は部屋から出ようとした所をクレイルは遺跡の守護者エラネークに呼び止められた。


『そこの銀色の髪の者よ いや 賢者殿かな』


声がクレイルの頭の中に流れ込んできた。


『そうですが…』


『これをあの大精霊に』


守護者エラネークは正八面体の透き通った緑の小さな石を渡した。


『これは…?』


返答は無く守護者エラネークは石を渡すと背後にあった穴へと入って行った。


「クレイルさん、どうしたんっすか?」


「いえ、何でもありません。さぁ行きましょう」


フェイ達は祭壇のあった部屋から出て外へと向かった…。


外は全ての霧が晴れ、遺跡を飲み込んでいる大きな木から木漏れ日が差し込んで地面が輝いている。


「霧が晴れてる」


「霧がないと心地良い所っすねぇ」


「これからのことですが?どうしますか?」


「まずは麓町ゼルゼに向かおうフィーのこともあるし」


フィーは少しフラフラしていた。


「フィーちゃん大丈夫っすか?」


「う〜ん、なんだか眠い…」


「乗って」


フェイはしゃがみフィーの前に背中を向けた。


「ん〜」


フィーは生返事でフェイの背中に埋まって眠った。


「いろんなことがあって疲れたのでしょう」


「そうっすね…」


フェイ達は森を抜け、ストレイヤ山脈の麓町ゼルゼへと向かった。


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