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Shining Heart  作者: 201Z
11/71

3−3


イフェリア〜遺跡の地下〜


ロゼ達は道に迷っていた…


(あね)さん、さっきもここ通りましたぜ」


「そうだったかしら」


「完全に迷ってるだる…」


「そんなことないわよ」


「いや、迷ってると思いますよ…」


「いいからあんた達は私について来ればいいのよ!」


ロゼはまた一人で先に行ってしまった。


「姉さ〜ん待ってくださいよ、一人じゃ危険ですぜぇ〜」


「いつもこの展開だる」


二人はロゼを追い掛けた。


「宝箱ですぜ」


ロゼ達は宝箱を発見した。


「何が入ってるかしら♪」


「ノリノリだるさっきまで怒ってたと思えないだる」


「ほんと姉さんは宝には目がないぜ」


ロゼが宝箱を開けると空っぽだった。


「からっぽですってぇ〜!!このぉ〜」


ロゼは空の宝箱を持ち上げ壁に投げつけた。


「まぁまぁ姉さん落ち着いて」


クックがなだめる中、宝箱を持ち上げたことによって仕掛けが作動した。


「二人とも静かにするだる、何か音がするだる」


二人は静かにするとカサカサという音がしている。そして、その音がどんどん近付いてくる。


「何の音かしら?」


「なんか そこの穴から聞こえる…」


宝箱の置いてあった場所に丸い穴があり、そこから蟻のような生物たくさんが出てきた。


「グリッドだる」


「逃げるわよ」


「ヘイ!」


三人は急いでその場から走って逃げ出す。


「姉さんが宝箱を動かすからこんなことに」


「うるさいわね!つべこべ言わずに急ぐわよ!」


「追ってくるだる」


ロゼ達は走りながら話をしている。


三人の後ろからはグリッドの群が通路全体を飲み込み、明かりが消えて暗闇とともに迫ってくる。


「なんかやばそう」


「というかヤバイだる」


三人の前に石の扉が見えて来た。


「あそこに入るわよ」


クックとスリックは先を行って扉を開け、ロゼが走り込み、二人は急いで扉を押す。

グリッドの群はすぐそこまで迫っており、群は蛇のように集まり飛び込んで来たがギリギリの所で扉を閉めた。


「…助かっただる」


「ハァ…ハァ…あれ…何なんだ?」


「グリッドだる、グリッドは群で来て飲み込まれると骨しか残らないだる」


「こぇ〜ホント危なかったんだな」


「それでここはどこかしら?」


「真っ暗だる」


部屋のタイマツに青い炎が灯り部屋の中の物達が自ずと輪郭を表した。

部屋の床には楕円を三つ重ねた花のような模様がある。


「なにかしら?」


「近付いて大丈夫なんですかい?」


三人は模様の上に踏み込んだ途端、石の扉を食い破りグリッドの群が入って来て飲み込むように三人に襲い掛かる。


「うわぁ〜」


三人の叫びがこだまする。


地面の模様が輝き円を描くように光が立ち上り飛びついて来たグリッドの群を受け止めた。

グリッドの群は蛇の形から光の円柱を包み込むように張り付いている。そして、ロゼ達は光とともにどこかへ消えた。




フェイ達はスライラスから逃げ切り、薄暗い場所に辿り着いた。


「どうやら逃げれたようですね」


「あぁ〜かなり走ったぁ〜」


「はぁ…はぁ…」


『グレネリス…どうしたんだ』


フェイは腕輪を見ながら思い、腕輪のオーブは心無しか色褪せて見えた。


「ここはどこで……ん?」


「どうしたんっすか?……!」


目の前には光が二つ、こちらを見つめている。


「またモンスターっすか!?」


「いえ…違うようです」


そこは行き止まりで上半身だけの石像があった。

石像は顔が二つ、腕が六本、手にはそれぞれ違うものを持ち、深い溝のある壁から出ている。


「フェイ!これなにっすかね」


「…」


「フェイ!」


「ん?」


「どうしたんっすか」


「いや なんでも…」


「…」


クレイルは通路にあった一本のタイマツを取り石像と周りを調べ始めた…


「クレイルさん、手伝うっすよ」


リーシュも一緒に調べ始め、フェイは目を閉じ心の中でグレネリスを呼んでみた。するとぼんやりと緋色の髪のローブの男がでてきた。


『グレネリスはどうしたんですか?』


『覚えてないんだな』


『なにを』


『地底湖での力の解放』


『力の解放?』


『オーブに封印された精霊は他のオーブに封印された精霊と契約することで元来の力を徐々に取り戻すんだ。だから力がない状態で強い心の力が解放されると精霊の力は大きく消費される。それで今は眠りについてる』


『じゃあ、なんで分身の貴方が出てこれるんだ』


『すこしは回復したって事だろう』


『そうか、よかった』


『だが、まだ…力が…』


緋色の髪のローブの男の姿が揺らいで消えた。


「…ェイ!…フェイ!」


「どうしたんだ?」


「どうしたって何度も呼んだんっすよ」


「フェイくんこの遺跡について少し分かりましたよ」


「なにが分かったんですか」


「この遺跡はこの森に住んでいた精霊達を守るための守護たる力の持つガーディアンが住んでいて、そのガーディアンが外の霧とフィーちゃんがいなくなったことに関係ありそうです」


突然、石像の首が回り、腕が壁の溝に入り光の粒が出てきて光の粒とともに石像が消えると扉が現れた。


「なにが起きたっすか」


「わかりませんが誰かに導かれたような気がしますね」


扉がゆっくりと開いた。


「入ってみましょう」


「大丈夫なんですか?」


「わかりませんが他に道がありませんし」


開いた扉の先には下への階段があり下へと明かりが灯った。

三人は照らし出された階段をおりて行った。


数分後…


「長いっすね」


「どこまで続いてるんだろう?」


「どうやら着いたみたいですよ」


三人は広く大きな部屋に着いた。


その部屋だけ他の場所と違う造りになっていて中は柱が並んでおり、奥に祭壇のような物が見える。


「誰かいますね」


「フィーちゃん?」


祭壇の前にフィーが立っており、祭壇には大きなモンスターの石像がある。その上に黒のローブを着た者が立っていた。

三人はフィーに近付いて名前を呼び掛けたがぼんやりした様子で返事はない。


「フィーちゃんに何をしたんですか?」


「私は何もしていませんよ」


「その声は!」


「声で気付きましたか」


黒のローブを着た者はフードを取るとその人物は商人ゴートだった。


「ゴートさんがなんで?それにそのローブ」


「全くあなた方、人間はいとも簡単に操れる、姿と声が同じであれば気がつかないんですからでも私は…」


「ゴートさんじゃありませんね」


「先に言われてしまいましたか」


そういいながらローブを翻し、フェイ達の視野から顔が見えなくなり、次に現れた時には金色の髪の女となっていた。


「それが本当の姿ですか」


「うん、僕って美しいでしょ?」


「それは偽りの美しさです」


「なんだって!まぁいいや…」


女は指を弾くとクリスタルが現れ、その中に眠るように目を閉じたレイナが居た。


「レイナ!!」


「なにが目的です、やはりオーブですか?」


「まぁそれもあるけど、デュカスを倒した力どれだけのものか試して見たくてね」


「それだけの為にレイナを」


「レイナを返すっす!」


「ちゃんと返すよ、コイツを倒せたらね」


女は宙に浮き上がるとモンスターの石像が振動し表面が剥がれ落ちていく。


「これがガーディアン…でもどうして」


「知りたい?ここはね元は聖域と呼ばれていて、僕らにとってはこいつは邪魔だったから闇の力で石にしてたんだけど力を試すにはちょうど良いから使おうかなって…」


ガーディアンが雄叫びをあげフェイ達はフィーの前に立ち武器を構えた。そこでフィーの意識が戻った。


「ダメぇ〜戦っちゃダメ」


その声に反応し、ガーディアンの腕がフェイ達に向かって襲い掛かってきたがフェイはフィーを抱えて避けるとリーシュとクレイルも避けた。


「なぜダメなんですか?」


「苦しむ声が聞こえるの」


「苦しむ声?」


「恐らくはガーディアンの声、まだ完全に闇に侵されていないのでしょう」


「それじゃあ、手が出せない」


「それに守護たるガーディアンを倒すのは得策ではないですね、この森にどんな影響があるかわかりません」


『それに倒さないにしてもグレネリスがあの様子では…ここは』


「どうするっすか?」


「ここは私にまかせて皆さんは下がっていて下さい」


「でも、一人で…」


「いいから下がりなさい!」


クレイルは強く言った。


「あとフェイくんの剣を貸して貰えますか?」


剣を渡しフェイ、リーシュ、フィーは下がった。


「へぇ〜一人で来るんだ、でもお兄さんには興味はないんだ」


金色の髪の女がそう言うとガーディアンはクレイルへ黒い風を吐き出した。

だが、クレイルはエレメンタルブレードを一振りして黒い風を消し去る。


「なかなかやるぅ」


「それはどうも」


クレイルは自分の剣を引き抜き、剣の刃を口許へ近付け、呪文を刃に吹き込むと地面に刺した。すると剣から文字が鎖のように流れ出てガーディアンに巻き付き動きを止めた。


「これで準備はできました」


クレイルはエレメンタルブレードでガーディアンを思い切り、上から下へと縦に振り抜いた。


ガーディアンに巻き付いた文字が強く光、闇が煙となり溢れ出て、女の元に集まり球体となった。


「予想外に面白いものが見れたから、この子返してあげるよ」


レイナが封じ込められたクリスタルは地面に移動した。


「じゃあ、またどこかで…」


そう言うと空間が開き、暗闇に消えた。




廃墟


帝王ヴァルキリアと布で目隠しをした金色の髪の黒いローブを着た男が話をしていた。


「アインが勝手な真似をして申し訳ありません」


「構わん懐かしい者を見れたからな。さがって良いぞ、ワグ」


ワグは一礼して暗闇に消えると廃墟の一室に現れた。


「アニキ、どうだった?」


黒のローブを身に纏う金色の髪の女がワグに言う。


「お咎めなしだ」


「よかったね」


「よかったねって…アイン…少しは反省しろよな」


「はいはい、してますよ」


反省の色も見えない軽い返事をしながらアインは部屋を出て行った。


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