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Shining Heart  作者: 201Z
10/71

3−2


イフェリア〜深き霧眠る森の遺跡〜


男はクック、ロゼ、スリックの三人に訊ねた。


「村の方はどうでしたか?」


「順調ですぜ」


「彼等は森へと誘導しましたわ、ここまで辿りつけるかは知りませんけど」


「あとはこっちでやります、報酬はこの奥に」


クック、ロゼ、スリックの三人は遺跡の奥へと進んだ


「早く頂いてこんな所からはおさらばですわ」


『では、さようなら』


男は壁の一部を押すと三人の居る床が抜けてた。


「ふぇ…」


「姉さんなんか足元が…」


「ないでる」


「呑気に言ってないでなんとかしなさ〜い」


三人は抜けた穴へと落ちた。




イフェリア〜深き霧眠れる森〜


フェイ達は森に入り、森の奥へと歩んだが霧とモンスター達に阻まれて中々進めない。


「全然進めないっす」


「次から次へと出てきますね」


「何かに怯えているみたい」


「怯えている?この森に何が」


「まだ来るよ」


フェイは剣を構え、霧の中へと振り掛かった。


「ひぃ〜」


フェイは剣を声の人物の直前で止めた。


「あなたは!?」


「商人のゴートさん!」


「これはいつぞやの、こんな森の中でどうしたんですか?あれ?この間の娘さんがいないようですが」


フェイは理由を商人ゴートに話した。


「そんなことがあったのですか」


「えぇ、そうだ商人でしたらこの森のこと何か知りませんか?」


「そうですね……この森の奥には遺跡がありこの霧もその遺跡が何等かの関係があると言われております」


「森の奥に遺跡が…フェイくん!もしかするとレイナちゃんはその遺跡に居るかも知れませんね。そして、一緒にいた者も」


「でもこの霧じゃ、何処に進めばその遺跡があるかわかりません」


「それはお任せください。私が案内しましょう地図もございますし」


「ありがとうごさいます。ゴートさん」


フェイ達は商人ゴートの案内によって遺跡へたどり着いた。

遺跡は石造りで表面にはコケが生え、地面は太い木の根が張り遺跡を飲み込むように伸び遺跡の上で絡み合うように一つの木を造り、そして、不思議と周囲はスッポリと穴が空いたように霧がなくなっている。


「ここだけ霧がない!」


「やはり遺跡と霧は何らかの関係がありそうですね」


「はやく中に入ってレイナを捜そう」


フェイは一人、先に遺跡の中へと駆け出した。


「フェイ、待つっすよ」


「そうです、レイナちゃんを連れ出した犯人が待ち構えているかもしれないんですよ」


フェイの後を追いリーシュ、クレイル、フィーも遺跡の中へ入った。

遺跡の中に踏み込むと通路にあったタイマツに火が次々に灯り通路を照らし出した。

照らし出した通路は細いツタが辺り構わず張り廻らされている。

フェイは通路の明かりを頼りに奥へ進むとやがて大きな部屋に出た。部屋は円柱状で中心は吹き抜けになっており明かりが地下へと徐々に灯っていったが底は全く見えない。

その部屋でようやく三人はフェイに追いついた。


「うわっなんて大きな部屋っすか」


「この穴もかなり深いよ〜」


フィーは吹き抜けを覗き込み言った。


「いやはや、これは凄いですねぇ〜」


「このどこかにレイナが!」


「まぁまぁ落ち着いてレイナちゃんはきっと無事ですよ」


「なんでそんなことが言えるですか!?」


「村から連れ出したってことは何か目的があるからでしょう。だから危害は加えないと思いますよ」


「目的って何ですか!」


「そこまでは私にもわかりませんよ」


「フェイ!落ち着くっすよ」


「すみません…クレイルさん」


「いいんですよ 気持ちはわかりますから」


「あれ、ゴートさんは?」


「そういえばいないですね」


「道は一本道だったから迷うことはないはず」


「では、きっと外で待っているのでしょう」


「そうっすかねぇ」


「そうですよ」


三人が話している中、フィーは何かを感じ部屋の壁の方へ歩いて行った。


『誰?誰かが呼んでる』


フィーは壁に五角形の五つの窪みに指を入れた。するとカチャっと音がして壁と地面が静かに横回転して壁の中に入った。


「あれ?」


「どうしたんっすか?」


「フィーちゃんもいない!」


「えっ!さっきまでそこにいたのにどこへ」


「壁や床を調べてみましょう 何か仕掛けがあるのかも知れません」


フェイ達は調べ始めた。




イフェリア〜遺跡の地下〜


ロゼ達は部屋の中で重なるように倒れていて上には落ちてきた穴が見える。


「まったく酷い目に遭いましたわ」


「そうだる」


「あの男ぉ〜 次会ったら覚えてらっしゃい」


「落ち着くだる」


「あんたは落ち着き過ぎでしょ!」


「それより早くどいてほしいぜ」


「そうだる」


「おまえもだぁ〜スリック!」


三人は立ち上がった。


「でっ姉さん これからどうするんで?」


「ん〜そうねぇ〜?」


「これだけの遺跡なら物凄い宝があるかもしれませんぜ」


「こうなったらこの遺跡の財宝を頂きますわよ!ついてらっしゃい!」


「ヘイ 姉さん」


クックとスリックは同時に返事をする。


ロゼを先頭に三人は明かりの灯っている室内を歩き出すと目の前の通路を女の子がスゥーっと通りすぎ遠くの方で崩れるような音がした。


「姉さん今の!みっ!見ましたか!」


「女の子が通ったようね」


「まさか幽霊だる!?」


「幽霊なわけないでしょ」


「でもこんな所に女の子なんて」


「怖がってないで行くわよ!」


「待ってくださいよぉ〜」


「姉さ〜ん」


ロゼは一人先に部屋を出るとクックとスリックはロゼを追いかけるように続いて部屋を出た。




イフェリア〜深き霧眠る森の遺跡〜


「こちらに扉らしき物があります」


クレイルが示す、そこには壁に四角い線が入っている。


フェイとリーシュはクレイルの元へ集まった。


「普通の壁に見えるっすよ」


「近くに扉を開くための仕掛けがあるはずです」


フェイは調べるために一歩踏み出すと踏んだ床の一部が沈みゴトッという鈍い音がした途端、床が崩れ三人は下へ落ちた。


「いててて…」


「どうやら違う仕掛けが作動したようです」


「すみません」


「二人とも大丈夫っすか」


「えぇ」


「うん、大丈夫だ。リーシュは?」


「俺も怪我はないっすよ」


「さぁ、二人を捜そう」


「そうっすね」


「下へ行きながら捜しましょう、階段がそこにありますから」


クレイルはすぐそこにあった階段を指差しながら言った。


「上に行く階段もあるみたいだ」


「さっきの扉の向こうは階段だったってことですね」


「そうみたいっすね」


「それじゃあ下へ捜しに向かおう!」


三人は下り階段へと向かった。


「気をつけて下さい。まだ他にも仕掛けがあると思うので」


「うわっ」


フェイは何かに滑ってコケた。


「いってぇ〜何なんだ」


床を見ると青い液体があった。


「これなんだ?」


フェイは青い液体に触ろうとした途端…


「危ない!」


クレイルがフェイを引っ張った。


「どうしたんですか!?」


フェイは青い液体を見ると口みたいな物があり、噛み付こうとしていた。


「!?」


「なんっすか!?これ」


「危ない所でした。あれはスライラス 刺激を加えると動き出し襲って来ます」


スライラスは獲物を変え、リーシュへと近付いて行った。


「うわっ!こっちに来たっす」


リーシュはボーガンを取り出しスライラスに矢を放ったが全く効いていないのか徐々に近付き、襲い掛かってきたがリーシュは避けた。


「無駄です!スライラスには物理な攻撃は効きません」


「じゃあ、グレネリスの力ならグレネリス!」


フェイはグレネリスの名前を何度も呼んだが返事が返ってこない。


『まだ地底湖でのことが…しょうがない』


「ここは逃げましょう!」


クレイルの言葉を聞いたリーシュはスライラスがまた襲い掛かってきた所を避けてフェイ達の所に行き、三人は急いで階段を降りた。


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