1・異世界転移
高坂 免悟は人生捨ててる系のフリーターだ。
ある日、免悟は道端でゲームソフトを拾った。
と言うかファミコン用のROMカセットじゃんこれ…。
振ればカラカラ音が鳴る。一応ボロい箱に説明書も入っていたが、これは売れないだろうな。
しょうがないので持って帰って動かしてみる事にした。と言うのも、なんと免悟は古〜いファミコンの本体を未だに持っていたからだ。さっそくソフトを差し込んで電源オンにするとタイトル画面が現れる。
つーか動いたぜ…。すでにその感動でもう一仕事終えてしまった感じだ。
とは言えゲームは始まったばかり。
そのゲームのタイトルは「魔法世界エグゼリンド」と言った。ま、ありがちなオープニングだった。
どうやらロールプレイングゲームのようで、まずはキャラ作成から始めるようだ。ちなみに免悟は、説明書は分からない事があった時に開くタイプだ。
古風なゲームっぽく、キャラのステータスはざっくり大雑把。
年齢、性別、種族、所持金、アイテム等…。
ちょっと…、雑過ぎないか?。それよりHPとかMPとかは無いのか?。
とりあえずスタートボタンを押すとスロットマシン風に動き出し、ストップボタンで止めると未設定のステータスがランダムで決定する。
45歳、女、ヒューマン、5000万G、不動産…。
待て!、なんだこれ。くそっ、どこから突っ込んでいいかわかんない。
ま、いいや…、どうしようも無いので、まるっとスルーしよう。そう、免悟は何も見なかった。
それにこのキャラ作成スロットは、何回でもやり直す事が出来るのだ。
なのだが、どうもロクなステータスが出て来ねえ。つーかこのゲーム、ファンタジーだよな?。何でもありと言うかもはやカオスだ…。
あかん、たぶんこれクソゲー街道まっしぐらな感じがする…。
・年齢:101歳、ってゲームスタートの時点ですでに限りなくエンドに近いじゃねーか!。
・所持金:−400万G、って借金?、借金スタートなんか嫌だよ俺。
・種族:「ユニキン」…?。なにそれ?、説明しろ。(つーかそこは説明書読め!)
その後免悟は数十分かけてスロットを回し続け、ようやくまともなステータスにありついた。
ちなみに、この手の作業にありがちな、つい高望みしてまあまあ良さげなキャラを何度かスルーしてしまったのはお約束だ。
15歳、男、ヒューマン、80万G、魔導書…。
まあこんなでいいや。これなら間違いなく魔法使えるっぽいし。
ついついキャラ作成に熱くなってしまったが、良く考えれば別にこんなのどうだっていいのだ。問題はゲームの中身なんだし。まあ大して期待はしてないが、今の所ある意味プレイヤーの意表だけは突けている。
んで、更にゲームを進めていくと…。
それでは魔法世界エグゼリンドにトリップします、用意はいいですか?。YES/NO
ん?、なんだそれ…。つか、NOにする意味あんの?。
YESを選択→はい、異世界トリップ決定〜!。