表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

戦え!気力の続く限り!

私「ネタが無いからネタ帳から好きなの選んで~」


お友達「王様ゲームがあるじゃない!

コレは王様ゲームで書いて貰うしかないですね!」


私「え・・・」


登場人物表

霞日(カスガ) エウナ

吸血鬼 なんだかんだで付き合ってくれるいい人 人じゃないけれど


霞日(カスガ) メリー

幽霊 遊び大好き


(カナエ) (ユメ)

メイド 何考えてるのかわからないとの談


霞日(カスガ) シュン

人間 普通の男子です、本当に 長期休みで帰省中


柚香(ユウカ)

人間 少し変でシュンに惚れてる普通の女子です 乙女パワーがすさまじい


ミツキ

クラゲ 愛してます


 そして柚香がシュンの手をぎゅっと握り返した瞬間、羞恥心か日ごろの恨みか、彼女の左腕が動いた。


「ぐほっ!」

「シュ、シュン君!?」


 メリーの叫びが夜闇に響く中、真っ赤になった柚香の拳に顎を打ち抜かれたシュンがゆっくりと地に伏せていった。…アレはもうダメね。


「ただいま戻りました」


 シュンを別室に連れていったユメが帰ってきた。ちなみに柚香も看病という名目で付いていっている。後遺症、ないといいのだけれど…。


「お帰りなさい…で、まだ続けるの?」

「当然ですよー!まだゲームは始まったばかりです!」


 勢いよくそう言うと、メリーは6本から4本へと棒の数を減らしたコップをテーブルに置く。


「そう…それじゃ始めるわよ…?」


 私はため息をひとつ付くとコップに入っている棒を手に取った。

 他の二人と1つも同じく別々の棒に手を伸ばす。確立は4分の1…分は悪くないわね。


『王様だーれだ』


□ □ □ □


 テラスでお茶を飲んでいると、メリーがポーテールを揺らしながらコップと棒を持ってきた。

 ちなみに今日のお茶会はいつもと違って帰省中のシュンと柚香が来ている。


 服装はユメはいつもと変わらずメイド服で宙にはクラゲがふよふよと浮いている。私は淡い水色のドレスにメリーは金魚の柄が入った藍色の浴衣。シュンは何も気にせずジーパンとトレーナー。一番気合が入ってる柚香は黄緑色のチェックが入ったスカートに同じく黄緑色の…たぶんシャツ?がんばっておしゃれしてきましたって感じの服装ね。

 シュンはともかくとして柚香は何で居るのかしらね…?まあいいけれど。


「王様ゲームしましょう!」


 真っ赤な顔をしながら必死に家に来た言い訳をする柚香のことを思い出していると、メリーが楽しそうに宣言した。うわ…めんどくさそう。


「王様ゲーム…?」


 柚香がきょとんとして聞き返す。


「知らないんですか?」

「んー…と…」


  知らないらしい柚香にメリーが身振り手振りで説明を始める。そう…今頃は王様ゲームってしないのね…私もしたことないけれど。

 正直言って係わり合いになりたくないので、シュンと同じく遠く見つめながら紅茶を啜る。いや、カップの中は空なんだけれど。そしてクラゲ邪魔よ、いちいち視界に入らないで。

 …空のカップでいつまでも飲んだ振りをしているのはなかなか辛い。


「ところでユメ」

「何でしょうか?」


 私が戻したカップにお代わりを注いでくれる、ユメに暇つぶしで話しかけてみると、彼女は人形の様な無表情のままこちらに視線を向けた。


「あなた王様ゲームって知ってる?」

「はい、王様が命令したからには、血を吐き体を砕くようなことがあっても実行しなくてはならないゲームのことですね」


 …間違ってはない、と思う。


「そう、知ってるの。いつも美味しい紅茶ありがとう」


 私がそう言うとユメはぺこりとお辞儀をして、再び私の膝の上に乗っかった。

 メリーの説明はまだ続きそうなので、さっきと変わらずユメの頬を突付いたり抱きしめたりして暇をつぶすことにする。


「…お前らさ」

「…何よ」

「いや…もういいや」


 そんな一連の動作を見ていたシュンがあきれた様にしてこちらを見ていた。…言いたいことはわかってるわよ。でも意外と癖になるのだからしょうがない。しょうがないわよね?しょうがないはず。


「と、いうことなのです!」

「す、すごいゲームなんだね…」


 しばらくそうやって過ごしているとやっと説明が終わったらしく、メリーと柚香が戻ってくる。


「あー、メリー?」


 意気揚々と1本の棒の先端を赤く塗ってるメリーに無駄だとは思うけれども話しかけてみる。


「何でしょうか?」

「私は参加しなく「さて始めましょうかー」」

「…」


 やっぱり無駄だった。…こうなったら腹を喰らうしかないわね。何か違う気がするけど気にしないことにしよう。


「王様ゲームですか?」

「はいー、ユメさんもやりますか?」


 私は強制なのにユメには聞くの!?

 ユメは少し悩んだ風に首をかしげていたが、やがてこくりと首を縦に振った。


「それじゃコレで5人ですねー」


 5人…?

 私とメリーでしょ?あとは柚香とユメに…ああ、シュンね。どうやら強制参加者は2名らしい。シュンもその辺りは諦めているのか、特に何も言わない。

 そしてさっきからクラゲが私の前で自己主張して来てすごい五月蝿い。ここは我慢よ私、相手はクラゲ何だから…何を考えてるのかどころか対話が通じるかもわからない相手に怒ってはダメ…。

 私が耐えてる間もクラゲは私の目の前で不思議な踊りを繰り返してる。


「ああもう!何なのよ!」


 我慢できなかった。

 私は叫ぶとその柔らかい体を鷲づかみにする。うわ…何この感触…ぬめってしてる。


「ミツキも参加したいらしいです」


 私が手の中で自在に形を変えるクラゲと見詰め合っていると、ユメが翻訳してくれた。ちなみにミツキというのはクラゲの名前らしい。誰も呼ばないけれど。ところでクラゲって参加できるのかしら?


「ふむふむー、それじゃ1本追加ですね!」


 ありらしい…


「エウナ…」

「シュン…」

「諦めろ…」


 二人で見詰め合うとため息をつく。もう何を言っても疲れるだけね…


「ではでは!第1回王様ゲーム開始しましょうか!」


 そのメリーの言葉に王様ゲームが開始した。


『王様だーれだ』


 その一言で一斉に棒を引き抜く。5番、ね。さてさて王様は…?


「これは…えーと…?」


 メリーが呟いたが、無理もない。視線の先、王様の印である赤く塗られた棒を振り回して喜びの踊りをしているのがまさかの無脊椎動物だからだ。

 皆が振り回される棒を見つめる中、考えてることは誰もが一緒だろう。


 …どうやって指示を出すの?


「ユメ、翻訳してくれる?」


 このままだとラチがあかないのでユメに助け舟を求めてみる。


「残念ですが、それは出来ません。ボクの口からではミツキが言っていることの信憑性が証明できません。ゲームである以上は平等でなければなりませんので」


 …どうやらダメらしい。それじゃどうやって指示を出させるのか。

 まさかの1順目で最悪の王様という自体…いったいどうしようかしらね?

 私たちが悩んでる間に、ユメが手帳とペンをクラゲに渡した。


「筆談…?」


 その様子を見ていた柚香が呟く。なるほど、筆談なら指示も出せるわね。

 問題があるとしたら…それが読める字なのか、だけれど。

 私の不安もよそにクラゲは器用に文字を書き始めると、私たちに見せてきた。

 手帳には無駄に達筆な字で[3番が一気飲み]とだけ書かれていた。


「へ…え?」


 どうも3番は柚香だったらしく、メリーがこそこそと近寄るとグラスを渡す。それにしても一気飲みとは、意外と真面目な内容を考えるクラゲね。


「それじゃぐぐぐっとやっちゃってくださいなー」

「は、はい!」


 メリーに進められるままにグラスを空にしていく柚香。


「ん…ふぅ」


 グラスを空にした後には真っ赤な顔の柚香が。…真っ赤?


「それじゃ次行って見ましょー!」

「おー!」


 メリーの言葉に真っ赤な顔の柚香がノリノリで片手を振り上げる。

 明らかに様子がおかしいので彼女が飲み干したグラスの匂いを嗅いでみると…なるほどお酒、ね。 

 それにしても1杯であんなになるとは…柚香がお酒に弱いとは知らなかったわね。まぁ、強そうにも見えないけれど。

 そして準備が出来たコップから棒を1本掴む。


『王様だーれだ』


 次の数字は…2か…。さてさて王様は、と?


「きゃっほーい!」


 メリーだった…


「なーにーにーしーよーうーかーなー」


 彼女は楽しそうに赤い棒を振り回しながら考えると


「んー、まあ最初なので軽めにしますかー。

 それじゃ、1番と3番は手をつないじゃってください!」


 意外とまとも…ね?

 どうも1番はシュンらしい。3番は…と?誰…?


「3番は?」

「ひゃ、ひゃぃ…」


 聞いてみると柚香が真っ赤な顔でおずおずと手を上げた。2連続指名…運が悪いのか運がいいのか…。


「それじゃぎゅぎゅぎゅーっと!」

「あーはいはい、手つなげばいいんだな?」

「はぅ…」


 コレもさっきと同じようにメリーが催促すると、真っ赤になったまま動かない柚香の手をシュンが取った。


「見てください、初めての共同作業です!」


 そしてその様子を見て煽り始めるメリー。正直言って何が共同作業なのかわからないけれど、何を想像したのやらさらに赤くなる柚香。…大丈夫かしら?


「ほらほらー、ちゃんと二人ともニギニギしないとダメですよー」

「はふぅ…」


 そして柚香がシュンの手をぎゅっと握り返した瞬間、羞恥心か日ごろの恨みか、彼女の左腕が動いた。


「ぐほっ!」

「シュ、シュン君!?」


 メリーの叫びが夜闇に響く中、真っ赤になった柚香の拳に顎を打ち抜かれたシュンがゆっくりと地に伏せていった。…アレはもうダメね。


「ただいま戻りました」


 シュンを別室に連れていったユメが帰ってくる。ちなみに柚香も看病という名目で付いていっている。後遺症、ないといいのだけれど…。


「お帰りなさい…で、まだ続けるの?」

「当然ですよー!まだゲームは始まったばかりです!」


 勢いよくそう言うと、メリーは6本から4本へと棒の数を減らしたコップをテーブルに置く。


「そう…それじゃ始めるわよ…?」


 私はため息をひとつ付くとコップに入っている棒を手に取った。

 他の二人と1つも同じく別々の棒に手を伸ばす。確立は4分の1…分は悪くないわね。


『王様だーれだ』


 数字は3、まったく王様当たらないわね…。


「王様はー?」


 メリーもはずれだったらしく見回すと


「どうもボクらしいです」


 ユメが手を上げた。ふむ、まぁ…特に問題はないでしょう…?


「それでは失礼ながら言わせてもらいます」


 ユメはそこで一度切ると周りを見渡して、この後3連続で続く悪魔の一言を告げた。


「2番さまと3番さま、腹筋100回お願いします」

「…え?」

「はい、2番さまと3番さま、腹筋を100回どうぞ」


 気のせいかと思って聞きなおすと無表情の顔をしたまま同じように告げた。…本気らしい。


「エウナさん…3番?」

「そういうメリーは…2番?」


 私たちはお互い顔を見合わせると、腹筋を始めるのであった。まぁ、腹筋くらいたいしたことないわね。


~腹筋中~


「ファイトォー!」


 2度目の罰ゲームとなる98回目の腹筋で隣のメリーが叫ぶ。


「いっぱぁーつ!」


 3度目の罰ゲームとなる99回目の腹筋をしながら私が叫び返す。


「お二人ともお疲れ様です」

「「…」」


 二人とも息があがってそれ以上続けられない。ふと横を見るとクラゲも腹筋のせいで地面に伸びていた。ふ、腹筋ってこんなに辛かったかしら…


「それでは、ゲームを続けましょうか」


 クラゲが差し出してくる飲み物を一息で飲んでいるとユメが続きをしようとする。


「ちょ、ちょっと休ませてくれない?」

「はい?」

「…」

「…」

「…続けましょうか、メリー?」

「は、はぃ…それじゃ…」


 決してそのときのユメの顔が怖かった訳ではない。断じてない。


『王様だーれだ』


 1番、呪われてるのかと思うほど王様の番が来ない…

 他の顔を見ると、メリーは肩で息をしながら棒を見ているし一番怖いユメは…無表情でわからないけれど何も言わないところを見れば違うのだろう。

 そしてあえて見ないようにしているけれど、復活して小躍りするクラゲが一匹。


「で…指示は?」


 放置してもよかったのだけれど、放っておくといつまでも踊ってそうなので催促する。そうするとサラサラと手帳に何かを書き込み始めるクラゲ。


[2番が3回まわってわん]


 相変わらず綺麗な字ね。クラゲなのに。


「2番って誰…私は違うわよ」

「はい、私ですね。それではさせて貰いま「ふっ…ふっふー…」」


 ユメの言葉をさえぎってメリーが不気味に笑う。不気味に、笑う。正直に言うと、息が整ってなくて途切れ途切れに笑う姿はかなりシュール。


「こ、こんなこともあろうかと!」


 冷めた視線でメリーの方を見ていると慌てたように何かを取り出した。


「…何それ」

「何って、犬耳ですよ?」

「それはわかってるわ。それを何に使うの?」


 私が聞くとメリーは素早くユメの後ろに回りこんで


「ユメさんにテイクオーン!」


 頭に犬耳を乗っけた。意外と…いやかなり似合ってる。


「ユメさんにはコレを付けていて貰いましょーう!」

「…わかりました」


 あ、少し反応が遅れたわね。この子が人間らしい仕草をするのって結構珍しいから少し嬉しい。


「…わん」


 私がぼーっとユメの姿に和んでいるとくるくると3回まわると小さな声で鳴いた。


「っ…!」


 その様子を見たメリーがすごい勢いで顔を背けて呟く。メリー…あなたの言いたいことはわかるわ…


「コレでよろしいでしょうか?」

「あ、はい。ごちそうさ…いえ!それじゃ続けましょうか」



 視界の端で、ユメに気づかれないようにしてクラゲがグッと触手を差し出してきたので私とメリーは小さく頷く。今、種族を超えた何かが伝わりあった瞬間である。


「ではではー、次いってみましょう!」


『王様だーれだ』


 3番…来ない…本当に王様が来ない…。

 嘆いていても始まらないので気持ちを切り替える。


「あ、ボクですね」

「…」


 種族を超えて気持ちが1つになった瞬間である。というよりコレは拙い!今度腹筋したら私は再起不能にされる!


「それでは、1番さまと3番さま、腹筋を100回どうぞ」


 しかも私指名だった。…何か恨みでもあるの?

 見ればメリーが絶望した顔でユメのほうを見ている。…ここは、負けれない!


「ちょっと待って、ユメ」

「はい、何でしょうか?」

「あなた同じ罰ゲームをしすぎよ!」

「はぁ…何かいけなかったでしょうか?」


 首をかしげてこちらを見てくる。くっ…ここで怯んではダメ!もう腹筋はしたくない!


「ダメなことはないけれど…たまには別のをしたほうがいいんじゃないかなーって…」


 語尾が弱くなるのは仕方ない。というか目から光が消えてる!消えてるって!


「そ、そうですよー!せっかくの機会なんですから別のもしたほうが面白いじゃないですか!」


 心が折れそうな私にメリーの援護射撃が飛ぶ。クラゲもユメから見えないところで必死に触手を振っている。今、種族を超えた共同作戦が動いた。

 しかしメリーは未だに足が震えてるし(主に腹筋のせいで)私はびくびくしてるし(主にユメに見つめられて)クラゲは見えないところでしか意思表示をしない(たぶん怖くて)、誰もが弱腰である。


「そうですか…」


 そんな私たちの努力が功をなしたのかユメが残念そうに俯く。目から光はまだ無い。すごく怖い。


「別の、ですか」


 しばらくそうやって俯いていたが、やがて星空を見上げると考え始めた。


「それでは、1番さまと3番さま、ポッキーゲームをどうぞ」


 へぇ…ポッキーゲームねー。いいじゃない平和そうで…うん、腹筋よりも数倍マシよ。ポッキーゲームってアレでしょう?ポッキーを二人で両端から食べ合って先に離した方が負けっていう。ん?両端から食べ合うってつまり…?


「負けた方は腹筋をお願いします」

「「…」」


 負ける=口を離す。つまりは…ちょっと!…本気で!?


「ではどうぞ」


 いつまでも動かない私たちにユメが催促してくる。見ればテーブルの上にはご丁寧にポッキーがおかれている。


「えっと…エウナさん?」

「メリー…覚悟を決めて…」


 私はポッキーを咥えると、不安そうに上目遣いで見てくるメリーへと顔を近づけると、彼女も覚悟を決めたように片方を咥えた。


…ポリポリポリ


 少しずつ、しかし確実に真っ赤になっている顔の彼女との距離が縮まっていく。じりじりと縮まるからかなり恥ずかしい。だが私は引かない!負けられない戦いがここにはある。


 そしてやがて距離は無くなり…


「ふぅ…こ、これでいいわよね?」

「はぅ…」


 関係ないけれど味は甘かった。


「残念ですが腹筋は諦めましょう…」


 やった!やったわねメリー!

 そう心で言いながら彼女のほうを見るけれど、彼女は赤い顔のまま何処か遠い方向を見ていて反応が無い。


「それでは続きをしましょうか。メリーさま?」

「…へ?あ、ああ続きですね…それじゃ行きますよー!」


 復活したメリーが勢いよく叫ぶ。


『王様だーれだ』


 3番…来ない!本当に来ない!いくらなんでもこなさすぎる!もしかして私何かに呪われてるの?


「久しぶりに来ましたー!」


 メリーが楽しそうに腕を振るので、王様は聞かなくてもわかった。

 ただ正直言ってユメ以外なら何でもいい気がしてくる。それくらい腹筋は辛かった。インターバルで300回…どこのトレーニングよ。


「それでは発表しましょー!」


 ハイテンションのままメリーが宣言する。


「2番が3番に口移しで!」


 また私か…クラゲ以外すべて指名されてるって本当に呪われてるのかしら…それにしても口移し、ね。ん…?

 そこで気づいてしまった。この中で1つだけ無脊椎動物が混じっていることに…まって!下手すればクラゲからの口移し?冗談でしょう!?


「エウナさんが3番ですかー…ではでは2番はー?」


 メリーが私の棒を見て周りを見渡す。お願いユメ、クラゲとするのは嫌よ。


「2番です」

「ありゃりゃ、ユメさんでしたか…それじゃコレをお願いします」

「かしこまりました」


 私の願いが届いたのかどうなのかはわからないけれど、2番はクラゲではなかった。メリー…クラゲ狙ってたわね。

 私がメリーに対して密かな殺意を抱いていると、ユメが目の前にやってきてなにやら背伸びをしたりしてがんばっている。どうも届かないらしい。


「エウナさま、少々かがんで貰えますか?」

「ん、ああ。はい、どうぞ」


 もう少し見ていたかったのだけれど、それをして怒られるのは嫌なので素直にかがむ。


「それでは失礼します」


 そう言うとユメは私に唇を重ねてきた。


「ん…んん!?」


 やがて、私の口の中にユメの舌が入り込んできた。ちょ、ちょっと!?

 私が驚いている間にユメの舌からお酒のような物が少しずつ流し込まれていく。


「わお…」


 メリーの驚く声がしてきたが、その間にもユメの舌からお酒が流し込まれていてそれどころではない。

 そして含んでいるお酒も尽きたらしくユメが口を離すと、私とユメの間に細い糸が繋がる。


「ん…ユメ今のって…?」

「コレでよろしいでしょうか?」


 ユメは私の呟きには応えずにメリーのほうへと視線を向ける。


「あ、はい…いいです」

「そうですか」

「そ、それじゃー…次行きましょうかー?」


 メリーがこっちの顔色を伺いながら聞いてくるので頷いて返す。


『王様だーれだ』


 勢いよく引く。さてさて棒は赤!やっときた!


「おー?エウナさん王様ですかー」

「エウナさまが王様でしたか」


 私の棒を見てメリーとユメが反応する。


「ついに…ついに王様よ…それじゃ早速行くわね」


 そう笑いながら言うと、私は大きな声で宣言をした。


「ゲームセット!」




 こうして、多大な犠牲(主に腹筋とか)を払ったゲームは終了し、屋敷内に平和が訪れた。ところで、その後の彼女たちがどうなったかはいう必要は無いだろう…筋肉痛である。

 しかし忘れないで欲しい、このゲームの名前は第1回王様ゲームである。つまり第2回や第3回も無いとは言い切れないということを!

 この先、第2回や第3回王様ゲームがあるかどうかは神のみぞ知る…ということでどうかひとつ。

久しぶりのお友達のリクエスト回です

ちなみに百合タグは半分以上この回のせいで付けられました


関係ないですが誤字チェックして貰っているお友達のお気に入りはメリーさん

ミンナハダレガオキニイリカナ

誰かしらお気に入りの子が居たとしたら感謝感激です


それでは、読んでいただきありがとうございます


後2話程度続きます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ