第二幕:狩りの集会
【第二幕】
やあ、君。どこか別の世界を夢見たことは...あるかい?そこはとても美しい場所で、誰からも傷つけられる事がない。そんな夢を見たことはーー?
第一幕では、人魚姫セリーナが海の世界から逃れたがる様子を見た。
では、次は?
海の世界は、素晴らしいのか?
ボクらの見た世界はこうだった。
「同朋諸君、そろそろ狩りの時間が始まるわ!」と、ひときわ美しい黒の髪をした人魚が、水晶宮の広場で、彼女の仲間たちに思念を飛ばす。
人魚たちが集まっていた。
彼女の喉から発せられる泡の振動が、他の人魚たちの鼓膜に届いた。
これらは興奮したように、魚の部分をはねさせたり、打ちつけたりする。
ボクらは見ていた。
そこは、開けた場所だった。
珊瑚や沈没船の残骸に囲まれてた。
水晶で敷き詰められた床に、魚顔の化け物が寝そべった。
大きな海蛇が鋭い牙を見せつつ、口を開閉させて周りを威嚇してた。
大きな目をした魚たちがその間をゆったりと泳いで回る。何匹かが大きな魚によって、味見された。その魚は剥き出しになった骨だけで泳いでた。
それだけなら、君は水族館だと思ったろう。
そいつらの大きな特徴は、何かしらの人の部分を備えていた。
これらすべては、人魚であった。
深海の中で、彼らは闇の中で囁くように、大声で意見を交わしあう。
『狩りの時だ。狩りの時だ』
これらの食料事情を説明しよう。
どちらかと言うと、全員が飢えていた。
これらの海の生き物は、
ある程度の意思疎通が互いにできた。
だが、生命として維持するためには多くの食料を得なければならない。
栄養に富んだ海ならいい。
でも海と言っても、広いんだ。
ほんのちょっとだけ過酷な、
生存競争が必要な場所もあった。
我らは海の子
大海原を泳ぐ深海の子だ
旅をするのも楽しいが
腹を満たすと
なお楽しい
満たしすぎたら
ご用心
今度は誰かの腹の中
これらが狩りをするのは、
海がある所なら、
どこへでも行った。
海賊も海軍もお構いなし。
狙われたら、海の藻屑というものさ。
そして、
これらはその日、
狩りをするつもりだ。
美しい女の人魚たちに率いられ、
ひときわ大きくて、
鈍重そうな船を狙う。
船という殻の中で動いている、
美味しいお肉が目当てだ。
その広場から遠く離れたところで、
ボクらの人魚姫は、陽の光が差し込む海で優雅に泳いでいた。
無邪気な顔をして、
楽しいことを求めてた。
(こうして、第二幕は無邪気な人魚で幕を閉じる)




