次郎さんとの対話
透析センターの定位置のベッドに居た、次郎さんとの対話を試みることにした。
順子主任
「次郎さんおはようございます」
次郎さんはニコやかに
「順子主任さんおはよう」
順子主任
「次郎さんは、若い頃何をしていたのですか?」
次郎さんはニヤニヤしながら
「息をしていた。今もだけれど…」
それを聞いていた隣のベッドの鈴木さんは大きな口を開けて笑いながら
「ダメだこりゃー」
同時に向かいのベッドの佐藤さんも笑いながら
「あのおじいちゃん、もうボケたのかな」
と、言いながら手を叩く。
順子主任
「…………。はぁ~…」
順子主任は深いため息をつきながら、もう一度話を続けることにした。
順子主任
「次郎さん、じゃあ最近は何か趣味とかされていますか?」
次郎さんは少し考えてから、ゆっくりと答えました。
次郎さん
「隣町の温泉にバスで行くのが楽しみです。つい最近までは、受け付けにミドリちゃんっていう若いお姉さんいたのに…」
順子主任
「それは、ガッカリですね…。ミドリちゃん…」
次郎さんは少し寂しげに微笑みながら続けた。
次郎さん
「そうなんだよ。でも、新しい受付の人も優しいから、また行くのが楽しみなんだ。」
順子主任
「それは良かったです。温泉は体にも良いですし、リラックスできますよね。」
次郎さん
「そうだね。温泉に浸かっていると、昔のことを思い出したり、心が落ち着くんだ。」
隣のベッドの鈴木さんが微笑みながら言う。
鈴木さん
「次郎さん、今度一緒に温泉行こうよ。若いお姉さんがいるかもしれないよ。」
佐藤さんもそれに乗っかって冗談めかした。
佐藤さん
「そうだそうだ、みんなで温泉ツアーを企画しよう!」
順子主任は微笑みながら、それを聞いていた。
順子主任
「それは楽しそうですね。みんなで行けたら、きっと素敵な思い出になりますよ。」
次郎さんは嬉しそうに頷き。
次郎さん
「それはいいな。みんなで行けたら、きっと楽しいだろうね。」
その場は和やかな雰囲気に包まれ、次郎さんを中心に温かい会話が続いたのであった。