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他の透析患者さん
次郎さんは透析患者なので、透析センターの決まったベッドに、ゆっくりとゆっくりと歩いて行く。
彼は、他の透析患者さんから
「次郎さんおはよう!」
と、手を振ってもらったりと何処か憎めない。
隣のベッドの50歳代の女性患者の鈴木さんとは、いつも話をしているようだ。鈴木さんの向かいのベッドの40歳代の女性患者の佐藤さんも話に加わるようだ。
鈴木さん
「次郎さんの干支って寅年でしょ?」
次郎さん
「干支は、えーと…えーと…」
佐藤さん
「ほらー、もう次郎さんったら。またボケたふりしている〜」
次郎さん
「…………」
鈴木さん
「彼は、若いナースを間に置けばちゃんと答えるかもよ」
次郎さん
「……、都合の悪い話は聞こえないもん!」
と、鈴木さんと佐藤さんの笑いを誘っている。
いつもこんな感じなので、きっと次郎さんはみんなの愛されキャラなのかもしれない。