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廃妃の呪いと死の婚姻3-3

体調不良で先週はアップできませんでした。今週は週末と2回更新できればと考えております。

皆様ご自愛くださいませ。

廃妃の呪いと死の婚姻3-3


 その日、ナイトリー侯爵邸を訪れた第3王子のクラレンスは、容姿端麗な若者と親密そうな様子で笑い合う婚約者に言葉を失った。穏やかな微笑みはそのままに、握りしめられた拳には青い筋が浮かんでいた。侍従は急降下した周囲の温度に、主人の勘気を悟り背中に冷や汗が伝うのを感じた。

「クラレンス殿下」

 クラレンスは入室した彼の姿をみとめたジェネヴィエーヴが、一瞬顔を曇らせたのを見逃さなかった。ずきりと痛む胸を強いて無視して、侍従から花束を受け取り部屋の中へと歩を進める。

「ジェネヴィエーヴ様、こちらを」

 そう言うと、アリアが立ち上がったジェネヴィエーヴの肩にストールを掛けた。その声に初めてクラレンスは部屋の中に二人の他にも人間がいたことに気付いた。

「お加減はいかがですか。熱が出たと伺っていたのですが、そのご様子ですと回復されたようで、安心しました」

 他の令嬢が目にすれば、ほうとため息をついて頬を紅色に染めること必死の極上の笑みを浮かべるクラレンスに、ジェネヴィエーヴは優雅なカーテシーで応えた。

「クラレンス殿下に於かれましては、お忙しい中、過分なお心配りを賜り誠にありがとうございます」

 ジェネヴィエーヴはいつも通りの物憂げな口調で丁重にクラレンスを出迎えたが、先程の屈託ない笑みはすっかり影をひそめてしまっていた。

「それでは、私はこれで失礼いたします」

 テーブルに広げられていた書付を手早くまとめて一礼したノクターンは、彼をじっと見つめるクラレンスに頭を下げると部屋を出て行った。クラレンスの侍従だけが、二人の眉目秀麗な若者たちの間に青白い火花が一瞬走って消えたのを感じていた。

 ノクターンが部屋を後にするのを見送ると、ジェネヴィエーヴはクラレンスにお茶をすすめた。

「先程の彼とは以前にも顔を合わせたことがありましたね。そちらの令嬢のご兄弟だったと記憶していますが」

「はい。ラトクリフ氏とラトクリフ嬢は双子の姉弟ですわ」

 クラレンスの質問の意図がつかめず、ジェネヴィエーヴは慎重にあたりさわりのない返事を返した。

「以前はさ程でもなかったように記憶していたのですが、近頃は随分と仲が良くなったようですね」

 正面に座ったクラレンスの強い視線に戸惑いつつ、ジェネヴィエーヴは言葉を探す。

「そうでしょうか・・・、そうですね、そう思われても不思議ではございませんわね。彼らとはもう、幾年も同じ屋根の下で暮らしておりますから・・・。わたくしには兄弟姉妹がおりませんし、近い親族にも同じ年頃の者がありませんので、気の置けない、友人の様にも、姉弟のようにも感じておりますの」

 ねえ、と後ろに控えるアリアを見やってジェネヴィエーヴは穏やかに微笑んだ。アリアもまた頬を染めて、くすぐったそうに笑みを返す。

「そうですか。親しい友が近くにいてくれることは喜ばしいことです」

そう口にしつつ、クラレンスは以前よりも更に距離の近づいたジェネヴィエーヴとノクターンの様子を思い出して、黒い感情が胸に去来するのを感じた。

「殿下、本日はどういったご用向きで?頂いたお手紙は直接会って話したいと書かれていらっしゃいましたが」

 例の通りクラレンスの見舞いを断り続けていたジェネヴィエーヴだったが、相談したいことがあると言われ、仕方なくクラレンスの訪問を受け入れたのだった。

「そんな風に素気無くされると、胸が痛みますね」

 胸に手を当てて、憂わし気に目を伏せたクラレンスに、ジェネヴィエーヴは

「まあ、殿下がご冗談をおっしゃるなんて珍しいですわね」

 と首をわずかにかしげながらおっとりと返した。

「これは、手厳しい」

 クラレンスは苦笑すると一通の手紙を差し出した。

「こちらは?」

「今度、王宮で開かれる舞踏会の招待状です。新しくデビューする貴族子弟たちの紹介も兼ねているものです」

 手紙をひっくり返していたジェネヴィエーヴは眉を顰めた。

「デビュタントパーティーの件でしたら、父を通して既にお返事を差し上げたはずですが」

 クラレンスとジェネヴィエーヴは今年デビューの年を迎えていた。通例として、国王陛下への謁見の後、その日の夜に王宮で開かれるデビュタント・ボールに、高位貴族の子女は参加することになっていた。最たる権臣であるナイトリー侯爵家のたった一人の令嬢であり、第2王子クラレンスの婚約者であるという立場上、ジェネヴィエーヴは国王への謁見は避けて通れないと諦めていたものの、その後のデビュタント・ボールへの参加は体調不良を理由に断っていた。勿論それはクラレンスのパートナーとして社交界に出ることを忌避したが故の口実だった。

「はい。ですがその決意をどうか覆していただきたく、本日は参りました」

 クラレンスの返答にジェネヴィエーヴは眉をノの字の形にして、困惑の態を示した。

「そう申されましても、困ってしまいます」

 ジェネヴィエーヴが王宮のパーティーに参加しない理由はもう一つあった。アリアとノクターンもまたデビュタントの対象者であったが、準貴族で両親のない彼らが王宮のパーティーに参加することはできなかった。ナイトリー侯爵は彼らとともにデビュタントを迎えることを望んだジェネヴィエーヴのために、数か月後、改めてナイトリー邸で盛大なパーティーを開催することを決めていた。

「ジェネヴィエーヴ嬢、どうか婚約者として私のパートナーになっていただきたいのです」

 そう言って頭を下げたクラレンスを前に、ジェネヴィエーヴはますます眉根を寄せた。いくら側室腹の第3王子とは言え、王族である彼がわずかであっても頭をさげるなどあり得ぬことであった。クラレンスといえば、どれほど屈辱的な台詞を浴びせられ、不当な悪意さらされたとしても、いつでも柔らかな笑みを絶やさず、受け流して見せる人物だった。柔弱と揶揄されることもあるクラレンスだったが、実は非常に頑固で誇り高い人間だったから、そうやすやすと首を垂れるなどということはなかった。

「どうか、顔をお上げください。殿下にしっかりとお伝えできていなかったようで大変恐縮ですが、私の身体はダンスパーティーに堪えられるほど丈夫ではないのです。殿下のパートナーが、それもデビュタントを飾るファーストダンスの相手が、一曲として躍り通せないなどあってはならないことです。私にはその任を果たすことは到底できませんし、殿下に恥をおかかせすることを私は望んでおりません。ですので申し訳ございませんが、このお話はなかったことにさせていただきたいのです」

 ジェネヴィエーヴがクラレンスの顔を覗き込むように、身を乗り出すと、さらりと髪が一筋、肩から滑り落ちた。

「お話は存じています。ジェネヴィエーヴ嬢の願いはできうる限りかなえて差し上げたいと考えておりますが、ですが、こればかりは受け入れることはできないのです」

 食い下がるクラレンスの様子に、ジェネヴィエーヴは訝しみ、怪しんだ。

「何か理由がおありなのでしょうか」

 ジェネヴィエーヴの台詞にクラレンスが顔を上げた。思いがけず見つめ合うかたちになったジェネヴィエーヴはびくりと肩を揺らした。クラレンスは身を引こうとした彼女の細い手を取って、懇願した。

「はい。是非ともそうせねばならぬ理由があるのです。その日は亡き私の産みの母の命日にあたります。そして、長く国境の護りを務めている母方の祖父が、一人娘の忘れ形見である私のために、十数年ぶりに参内します。私としては初めてお目にかかる方ですが、辺境伯として中々領地を開けることもできず、後ろ盾としてもはかばかしいしいことをしてやれない孫息子のことを不憫に思ってくれているようなのです。私としては、祖父に心配な思いをさせたくないと思っています。ジェネヴィエーヴ嬢にとって無理を強いることは重々承知の上ですが、どうか初めて会う祖父を安心させたいと願う私の思いを汲んではいただけないでしょうか。勿論、ジェネヴィエーヴ嬢のお体には細心の注意を払い、最大限配慮させていただくことを誓います。王妃様にもこの件をご相談させていただいたところ、初めの一曲をゆったりとした曲調の物に変更してくださいました。どうか、私を助けると思って諾と言ってはくださいませんか」

 ジェネヴィエーヴは言葉を失い、眉根を寄せてじっと考え込んでしまった。その彼女をクラレンスが熱のこもった瞳でじっと見つめていた。彼女の後ろではアリアがハラハラとした表情を浮かべて、ジェネヴィエーヴとクラレンスを交互に見やっている。

「分かりました。殿下のお気持ちは十分察せられます。それに、王妃様にまでご配慮いただけるのであれば、臣下としてお断りすることはできません」

 ジェネヴィエーヴの答えにクラレンスが愁眉を開いた。

「ですが、一つ我儘を聞いてはいただけないでしょうか」

クラレンスの手の下から、ジェネヴィエーヴがさりげなく自分の手を引き抜くと、クラレンスはちらりと惜しそうな表情をした。

「勿論です。こちらの無理を聞いていただくのですから、なんなりと仰ってください」

 クラレンスの快い返答にジェネヴィエーヴは後ろにいたアリアの手をそっと取って言った。

「舞踏会にはシャペロンの他に、アリアの同行を許可していただきたいのです。御存じの通り、彼女は稀有な魔力を持っております。私がこうして何とか日々を送れているのもひとえに彼女の尽力があってこそです。デビュタント・ボールという慣れない場所で長時間緊張と人目にさらされながら過ごすとなると、彼女なしにはとても無事に過ごせるとは思えません。身分の問題があることは重々承知しておりますが、彼女の人となりは父侯爵も補償いたすところですし、何より私にとってなくてはならぬ存在です。是非とも参加をお許し願えませんでしょうか」

 いかがでしょうか、そう言って憂わし気にクラレンスを見返したジェネヴィエーヴに、アリアがそっと寄り添った。どんな難題を突き付けられるのかと内心感じていたクラレンスは、ほっと息をつくと微笑みを浮かべた。

「分かりました。それ位でしたら問題ないでしょう。では、後日もう一通ラトクリフ嬢宛に招待状をお送りいたします」

ジェネヴィエーヴがクラレンスへ感謝の言葉を述べた後、二人の間には沈黙が下りた。ジェネヴィエーヴは急激な疲れを感じていた。クラレンスも彼女の微笑みの中に隠しきれない疲労の色に気付くと、彼女を気遣いながら、暇乞いを口にした。

「突然の訪問に応じてくださりありがとうございました。長居をしてしまったようです。ジェネヴィエーヴ嬢から色よいお返事もいただけたことですし、本日はこれで失礼させていただきます」

 ジェネヴィエーヴが見送りに立とうとすると、こちらで結構ですと言ってクラレンスは部屋を後にした。


 クラレンスの姿が見えなくなると、ジェネヴィエーヴはぐったりと長椅子に倒れこんだ。そんな彼女をアリアが心配そうにのぞき込む。

「ジェネヴィエーヴ様、お顔の色があまりよろしくありません。今日の調査は延期にした方がよいのではないでしょうか、ご無理をなさってはせっかく下がった熱がまたぶり返してしまいますよ」

 ジェネヴィエーヴは額につけていた腕をほどくと、どんよりとした瞳でアリアを見返した。

「それで舞踏会に出席しなくてよくなるのなら、その方がずっといいわ。体調不良は物心つく前からの旧友ですもの、彼らとならずっとうまく付き合っていけるわ」

 ふふふ、と暗い笑みを浮かべるジェネヴィエーヴに、

「そんなにお嫌なら今からでもお断りしてはいかがですか?侯爵閣下に申しあげれば、うまくとりなしてくださいますよ」

 とアリアが言う。

「そうね、でもそれは次の機会に取っておくわ。今回ばかりはクラレンス殿下の願いを無碍にするわけにはいかないのよ」

 原作開始の段階で、クラレンスに近しい母方の親族は一人もいないとされていた。祖父である辺境伯があとどれくらい生きているのかわからないが、少なくともそう長くはないことだけは確かだった。そんなクラレンスが祖父を安心させるために一緒に舞踏会に出席して欲しいと懇願してきたのだ。どうして断ることができようか。

「ごめんなさいねアリア。勝手に貴女の参加を決めてしまって」

 アリアの頬に手を添えてすまなそうにするジェネヴィエーヴにアリアはにっこりと笑った。

「それはまったく気にしていません。むしろ一晩中やきもきしながらお留守番をしている方がずっとつらかったはずですから」

「そう、そう言ってくれると嬉しいわ。ああ、ドレスを手直ししてもらわなければいけないわね。それに我が家のパーティー用にもう一着仕立て直さないと」

 その言葉にアリアはポンと手を叩いた。

「それなら心配いりませんよ。実は侯爵閣下が念のため別のドレスも誂えておくようにと仰せでしたので、最終選抜で採用とならなかったドレスも用意してあります」

 ジェネヴィエーヴはパチクリと瞬いた。

「まあ・・・。では、お父様はこうなることを予想されていたのかしら」

「ええっと、そうですね、閣下の深いお心のうちは私には到底推し量れませんのでどうでしょうか」

 ナイトリー侯爵としては、羸弱ゆえにめったにみられない愛娘の煌びやかに装った姿を、あたうる限り多く、それも様々な姿で着飾った姿を見たいが故の行動に違いなかったが、アリアは敢えて指摘することもあるまいと考え、賢明にも口を噤んだのだった。

「とにかく私のドレスの件は解決したとして、後はアリアのドレスね。とりあえずすぐにオーダーするとして、万が一間に合わなかった時のために次善の手を打っておかないといけないわね。ねえ、あなた去年私が誂えた薄紅色のドレスを覚えていて?結局、数時間と経たずに終わってしまったあのドレスのこと。もしあなたが嫌じゃなければ、あれを手直ししたらどうかしら、共布で肩に大きな飾りをつけて、裾のデザインを少しアレンジすれば、ずっと良くなると思うの。そもそもあのドレスは私よりも、貴女によく似あっていると思っていたから、ちょうどよいかと思うの。それがいいわ。もしドレスの注文が間に合ったとしても、あのドレスは流行を選ばない型だし、もう一着持っていても悪いことはないもの。そうと決まれば、あとはあなたのパートナーを決めればよさそうね。貴女のデビューダンスのパートナーですもの、見知った紳士がいいわね。そうだわ、お父様にお願いしようかしら」

 頬に片手を当てて、よいことを思いついたという風に顔を明るくしたジェネヴィエーヴに対して、アリアは驚愕して何度も首を左右にふった。

「いいえ、いいえ、まさか、そんな恐れ多いこと、絶対にダメです。閣下のお相手はもっと相応しい身分の高い貴婦人でなければ務まりませんって。絶対に無理です」

あなたなら親族だし一緒に暮らす家族なのだから、大丈夫だと思うけれど、それにあなたはただの令嬢ではなくて光の魔力を持つ奇跡の乙女なのだし、とあくまで真剣に検討するジェネヴィエーヴに、アリアは若干涙目になりながら丁重に、しかしきっぱりと断った。

「そう?残念だわ。ではどうしようかしら」

「あの、ノクターンにお願いしてはいけませんか?こちらのお屋敷で開かれるパーティーにもノクターンと一緒に参加する予定でしたし」

「ノクターン?まあ、姉弟だし問題ないけれど」

「本当ですか、ではノクターンに頼むことにします」

 ぱっと笑みを浮かべたアリアに、ジェネヴィエーヴは首をかしげた。

「でもノクターンが引き受けてくれるかしら?ノクターンはクラレンス殿下のことをあまり好いていないでしょう?ノクターンがいるとクラレンス殿下も機嫌が悪くなることが多いし。どんなに顔が整っていても、不機嫌な殿方に囲まれるほど居心地の悪いものはないわ、顔の良いのも考えものね」

と言って首をすくめるジェネヴィエーヴに、アリアは苦笑いを浮かべた。胸の前に挙げた両手の指先を付けて、視線をそらせる。

「理由ははっきりしているというかなんというか」

 アリアのつぶやきにジェネヴィエーヴが顔を上げた。

「あら、理由って?」

 アリアは頬をポリポリと掻くと言葉を濁した。

「ええ、と。私から申し上げられる内容ではないのではないかなと」

「なあに、こそまで言って・・・」

 その時、軽やかに扉をノックする音が響いた。アリアはこれで助かったとばかりに体を翻すと、扉へと駆け寄って行ったのだった。



「ふーん、そんな話になっていたんだ」

 アリアからクラレンス訪問の真意を聞かされたノクターンは、そう言うと読んでいた本をぱたんと閉じた。

「あれ、驚かないの?」

「何に対して?ジェネヴィエーヴ様が出席しないと言っていた舞踏会出席を決めたこと?それとも、アリアが勝手に僕をパートナーにするって決めたこと?」

 ノクターンの返答に、アリアはぐっと言葉を詰まらせた。

「う、どっちも?」

「別に驚くようなことでもないだろう。そもそもクラレンス殿下がそう簡単に諦めるはずないと思っていたしね。一生に一度しかないデビュタント・ボールに、殿下がジェネヴィエーヴ様以外の令嬢を伴うなんてありえないことだろう。ああ、違うか。ジェネヴィエーヴ様の記念すべき特別な日に、彼女の手を他の男に委ねるほど殿下は寛容でも愚かでもないだろうからね」

 ふっと暗い笑みを浮かべたノクターンに、アリアは苦笑した。

「ノクターンの話だけを聞いていると、世間の噂とは反対に、クラレンス殿下が随分と裏表のある方に感じるわね」

「その通りじゃないか」

「まったくもう。ノクターンだって殿下のことをいえないと思うけれど。とにかく、舞踏会の件よろしくね」

 ノクターンは分かったよ、とそっけなく答えると、再び本に視線を落とした。アリアは肩をすくめて小さくため息をつくと、ジェネヴィエーヴの部屋へ戻ろうと扉に向かった。

「明日」

「え、なに?明日?」

「明日こそ作業を進められるんだろうね」

 ノクターンの声音には、本当なら今日行うはずだった調査が、クラレンスの突然の訪問ですっかり予定を狂わされて、全く手付かずであることに対する不満がありありと見て取れた。

「うん。ジェネヴィエーヴ様もそうおっしゃっていたわ。午前中は授業がおありだから午後からになるけれど、昼食後には始めるおつもりのはずよ」

 分かった。と本から目もあげずに言うと、ノクターンは部屋を出て行くアリアにひらひらと手を振った。

お読みいただき誠にありがとうございます。

誤字脱字等ございましたらご指摘いただけると幸いです。

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