表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

転生作曲家、異世界にEDMを持ち込む〜<吟遊詩人>は旋律次第でバフが変わるんだなぁ

作者: さちえ

アイデアスタートなので短編から

これ描きたーいって思ったシーンだけ投稿します

 転生して15年

 <吟遊詩人>の職を得て「こんな無能はいらん!なぜ<剣聖>でないのだ!」と男爵家を勘当されて5年、

 冒険者として独り立ちしつつ、涙あり笑いありの冒険から、人との出会い、この世界の音楽の可能性、<吟遊詩人>の面白さに浸かってこれまた5年。


 ただいま私は史上稀に見るモンスターの異常増殖による大災害。モンスターの大洪水により、まさに蹂躙される一歩手前に瀕する大都市にいた。


 <吟遊詩人>たる私の役割は、都市の外でモンスターの大洪水を食い止めんと前線をはる、冒険者+領主軍のバッファーである。


 このモンスター大洪水に求められるバフは、いかに味方を長い間損耗せずにいられるかにかかってくる。かつ、時たま現れる強個体で前線が崩れぬよう、一時的なパワーアップが肝要になってくる。


 要するに、スタミナ増加、自動hp回復、自動mp回復が主旋律。一時的なストレングス増加がサブ…という組み合わせ。

 ……これはEDMが丁度いいな。


 反復的なリズムはスタミナ増加と相性が良いのだ。

 円盤を擦れば簡単に転調してストレングス増加を自然に組み合わせられる臨機応変感が良い。


 そうと決まれば話は早い、

 私はマジックバックから機材を取り出す。


 レッドドラゴンの腹膜で作成した大型スピーカー。

 重低音の響きがピカイチ。


 伝説のドワーフと一緒に作ったオリハルコン製のキーボード。

 高音域と打弦の追従性がピカイチ。

 ミスリル製のアタッチメントで魔法的に録音・再生ができる優れもの。現代の音楽機器と遜色ないばかりかめちゃくちゃ頑丈。 

 レッドドラゴンはこのキーボードで撲殺した。


 機器を接続すれば準備完了。

 モンスターの大群が迫っているというのに前線の兵士は期待した目でこっちを見てくる。

 やれやれ、「またお前は何をしでかしてくれんだ?」という熱い視線だ。

 しょうがない…こういう指揮高揚は指揮官の仕事だろうに…


 私はキーボードに構え、そして右腕をみなに見えるよう天高く突き上げた。


 うおおおおおおお!!!!!

 全軍の歓声!

 間髪入れず私は8つ打ちドラムを刻み始める!


 統率された揺らぎが全軍に浸透する。

 おお〜みんなちゃんとノッてくれる。いいなこれ。

 ついでにおれもリズムに合わせてジャンプし始める。


 オイ!オイ!オイ!

 どこからともなく掛け声が連鎖し、全軍が一体となったような統一感に包まれている。


 迫るモンスター、まただ!まだテンポは加速しない。

 ギリギリまで…最高のタイミング…ここだ!!


 8つ打ちをどんどん加速させて……

 接敵するまさにその瞬間、ビートは頂点に!

 一拍の静寂。

 ここでサビ!


 重厚なビートが兵士の身体を内側から揺らす。

 フロアは大熱狂だ!

 兵士の戦闘リズムは8ビート、凄まじいテンポでモンスターを切り刻み屠る。


 まずいぞ強個体!

 転調、ストレングス増加!

 録音したドラゴンの咆哮を加工した音楽を加える。

 崩れた前線が揺り戻し敵に襲い掛かる。

 後退と一瞬溜めての前進、気持ちの良い旋律だ。


 この後もヒヤリするシーンはあれど安定してモンスターを屠り続け3日、モンスターの大洪水は落ち着きを見せつつある。


 1日目はそれこそ戦闘に続く戦闘だったが

 落ち着いてきた2日目夜なんかは私以外の吟遊詩人らとセッションしたり、兵士はモンスターそっちのけで音楽を堪能し、音楽フェスのような状態だった。


 そして、これが最終ウェーブだろう。 

 見るからに強個体しかいない大群が押し寄せてくる。


 これは私だけのバフでは足りない。 

 他の吟遊詩人に声をかけて、最後の演奏をスタートする。

 他の吟遊詩人も奏でられるというチョイスから、この都市では定番の宴会曲だ。

 テイストは演歌に近い、ゆったりかつ深みのある楽曲だ。 

 まぁ…現代でいう、紅白歌合戦の最後でみんなで歌ってるアレだ。


 相乗効果でバフは激増している。

 短期決戦。兵士の一振りは大地も穿つ。

 モンスターの血飛沫はまるで桜吹雪。


 音楽は何もメロディだけでない。演出も化ける。 

 アイドルのライブが楽しいのはそういうこと。

 サビに合わせて私は徐に用意した花火を打ち上げ、

 ついで大砲を発射。

 発射されるは粘着性のビラビラ。モンスターを包んで行動を阻害する。


 兵士の熱狂はピークに!

 戦場が揺れる。

 中には激しく震える心のためか涙を流す兵もいる。

 これが音楽の力だ!


 まもなく未曾有の大災害は人間の勝利で終結した。


------------------


今回も大変だが楽しかった。


多分将来的に、最高の歌手(ヒロイン)に会ったり、

アイドルをプロデュースしたり、

魔法学園で学生バンドしたり.

はたまた音楽プレイヤーを自作して自己バフ→最強へ

みたいななんやかんやがあるんだろうなぁ


楽しみだ!

明日も頑張ろう!

面白かったらいいねくださいmm

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ