ユウトのその後 前編
シレラが言ってた通り、ギースが魔王を討伐したという話は、俺たちが王都に戻った時には隠蔽されていて、勇者の俺が討伐したって話になっていた。
そうだよな、勇者が魔王を討伐してこそ意味があるんだよ。
アーサー陛下に事実かって確認されたけど、事実だって言いきった。
その時のアーサー陛下の表情はよみとれなかったけど「そうか」としか言わなかった。
あとはギースさえ言わなければって思ったけど、彼は何も言ってこなかった。
でも、奴は、レイナを虐げたり、アーサー陛下をだまして今の地位にいる。
正式にシレラの婚約者になって、王太子としての日々を過ごしながらギースの排除に取り組んだ。
そうすれば、ギースの部隊にいる虐げられている彼らも解放する事ができる。
だけど、アーサー陛下は、「ギースは虐げてなんかいないし、僕との契約で働いてもらっているんだよ」っていう。
「しかし、彼はスラム出身とも聞きます。 あくどい事をいつしでかすか!」っていった。
「確かにギースはスラム出身だけど、あくどくないよ」ってアーサー陛下。
結局、陛下がいるかぎり、大将の地位からギースを追いやる事ができない。
そんな日々が続いたけど、転機が訪れたのがアーサー陛下が病気で倒れた時だ。
重い病気らしく、面会謝絶になった。 すぐ僕とシレラは婚姻した。 結婚式はシレラの要望で盛大におこなった。
そこから、俺たちはギース排除のために動いた。
まず、魔族狩りだ。 シレラの情報によると、いつ魔王が爆誕するかわからないという事だ。 宰相も同じ意見だ。
また魔王討伐で、ギースの力を借りたくない俺は合意した。
ただ、、奴隷解放した吸血鬼族の侍女たちも対象にしたくないから、それ以外、つまり北の地にいる魔族、鬼族、吸血鬼族狩りを対象としてとりつけた。
どこからこの会議を聞いたのか、ギースが会議室にのりこんできた。
「ユウト、てめぇー、約束を齟齬するつもりか!」ってギース。
「約束って何のことだ。 それよりも、君はこの会議に出席する立場でもないんだ、出ていきたまえ」っていって追いだそうとした。 そう、この時点で、彼の大将の地位もいろいろ理由をつけてはく奪したし、彼はただの平民の傭兵だ。 レイナとの婚約も破棄してある。
「アーサーはどうした?」
「ギース殿、ちょっと」って言ったのは暗部の長だ。 彼と共にギースは出ていった。
そんな事もあって、これはチャンスだと思い、ギースは、魔族と通じているという情報と、魔王を討伐した際の邪念によって悪魔に取りつかれたって与論に風潮した。 滅多にいない黒髪は悪魔の象徴とし、ギースをさらに追い詰めた。 これで、彼らの部隊は解放する事ができるし、あの戦力を俺の手元におけるって思った。
その矢先だ、ギースの部隊が姿を消したって情報がはいった。
だから、ギースを捕まえる必要があるため、クーシャ町の近くにある孤児院の子供を王都で保護するという名目で裏で取引した。 事前の情報で、無理やり貴族を脅して彼が支援してる孤児院って聞いていたからだ。 ギースの手柄になるものを全て消したい俺だ。
簡単に彼だけ出頭してきた。 ただ、拷問しても彼の部隊の居場所だけははかない。
しかも精神崩壊してもおかしくない状態なのに、壊れない。 苛立つ。
3年間、いろいろしたが無駄だった。 もう、彼の部隊の事は諦めて、ギースを処刑した。
魔族狩りも、悪魔狩りも定着していた頃だったからだ。
ギースを処刑後、グリフィンが襲ってきて驚いた。 顔面にケリをくらった。
ただ、シレラ、エイナ、レイナ、それに近衛たちによって無事拘束し、従属の首輪をつけた。
だけど、動かなくなった。 従属の首輪はまだ開発途中だからその影響かもしれない。 剥製として宝物庫に保管した。
その後は、俺は領土を拡大していった。
名前もわかりやすく、アルタイト王国とトートダ帝国を合併してサウス帝国、ウエスト領、北の地をノース領、そしてアウドス国はなかなか併合に時間はかかったがイースト領にした。
もう俺も歳だ。
結局、統一したが、その後はどうなるかは不明だ。
転生前の知識を使って、トートダ帝国の魔道具開発技術をつかい冷蔵庫、扇風機、オーブン、外灯、ランプ、水洗トイレ、ポットとか広げた。 あと学校も作ったし、識字率あげるため義務教育も導入した。
ファンタジーって言ったら、ギルドだろって思って、ギルドがなかったから中立組織として冒険者ギルドを設立した。
俺の嫁はシレラ、エイナ、レイナの3人で、かつ奴隷解放した侍女たちを子供は作らない約束で妾にして夢のハーレムを実現した。
国王としていい暮らしもできた。
邪魔のギースが居なくなってから、俺の人生は最高だ。
が、最近になって知ったが、死産と伝えられた赤子はじつは黒髪だったと。 元日本人の俺の遺伝子のせいかもしれない。 急いで、悪魔は既にギースで駆逐されたから黒髪の赤子の処刑を禁じるようにした。 それだけが悔やまれた。
それからいつもみる綺麗な王都の景色を晩年は国王を息子に譲り、隠居生活を過ごした。 いろいろあったけど、全てに恵まれたギースから、全てを奪った時が1番爽快だったって思いながら俺は家族に見守られて深い眠りについた。




