王子との会話 前編
なんで、俺の名前知ってやがる。 それに、捨てた家の名前もだ。 なぜ、3歳時の俺が知ってるかって、そりゃ産婆で乳母のおばさんが言ってたからだ。
くそ、むかつく、この糞王子。 だから俺は無言のまま睨みつけた。
「君の素性を調べるのは結構やっかいだったよ。 黒猫は、貴族、裕福な市民には恐れられてたからね。
狙われたら最後生きているものはいないってね。 強奪集団確保に、我々もやっとスラムと繋がったってわかってなんとか幹部確保で、君に繋がった。
まさか黒猫が、7歳の少年とは誰も知らなかったしね。 調べたら、ウルダハーヴィ公爵家で7年前に側室が赤子を産んで、母子ともに亡くなったって記録があったんだよ。 ようやく、僕の直下の暗部がその当時の産婆見つけてね話しを聞いたらその赤子は黒髪、黒目で両親に似てないってことで君のお母さんはあんなに寵愛されたのに貞操したと当主によってその場で殺され、君は正妻の間に世継ぎが生まれるまで離れっていっても小屋で養育されていたと。
まぁそれも小屋から出られないように足枷つけて、産婆兼乳母が日に1度食事をあたえるだけだったみたいだね。もし正妃の間に男子がうまれなければ、5歳の時に本邸にいれる予定が、君が1歳の時に長女、そして3歳の時に次男、記録上は長男が生まれて、君は産婆と数人の私兵によってスラムに投げ込まれた。
産婆はしっかり口止め料もらったけど、それ以上のお金だしたら全部話してくれたよ。 黒髪って珍しいからね、そこでようやく黒猫=ギース君になった。」って王子はちょっとドヤ顔で説明する。
ふん、俺が捨てられるまでの経緯を話しやがってよ。 俺自身、細かい話はしらないが、物心ついた時は小屋で足枷ついていた。 どうやって金品やらとったかは、夜中に足枷の構造を調べて開錠しただけだ。 さすがに、夜中は、比較的に警備は少ないし、俺が行くのは、屋敷じゃなくて食糧庫や従者や私兵の宿舎でいろいろ拝借してたしな。 それに、産婆兼乳母は、俺が立って歩けるようになってから日に一度しかこなかったしな。 足枷外して、何もない小屋で、なんとなく魔力操作とか可能な運動していた。
って王子の話を聞いて、俺はちょっと物心ついた後の捨てられる3歳までのあの小屋の生活を思い出した。
「さて、最初の話しに戻る。 黒猫の罪状はすざまじい。 成人だったら、死罪だ。 未成年でも犯罪奴隷だ。 なんせこの2年での殺人が分かっているだけで100人超えているからね。」って王子だ。
それ以上な気もするが、まぁスラム内での殺し前提のデスマッチとかあったし、殺した人数なんていちいち数えちゃいない。
「ふーん、じゃぁ犯罪奴隷でいいんじゃねぇー。 俺は生きる為にしてただけだし。」
「貴様、殿下の温情を」ってオッサンが怒鳴る。 いちいち煩いオッサンだ。
「グリトニーには黙れ!」っていう王子にシュンとするオッサン。
「ギース君、君は犯罪奴隷っていうのがどうなのか知っているのか?」って聞かれた。 まったくわからない。