魔王爆発
バチバチと音を立てている魔王。 まじ爆発するのかよ!
「グリ、いますぐ超特急で魔王領はなれろ」って通話した。
「ギースの兄貴、魔族が事前にきて俺たちすでに人間領だ」って連絡がきた。
マジよかったよ。 せめてお前らだけは生き残ってほしい。
爆発寸前だ、俺もだけど、ほぼ疲れて動けないユウト達の前に側近の吸血鬼族が立っている。
「私は、魔王様の側近、吸血鬼族の最後の真相。 魔王様の言いつけにより爆心地のここを我が命を持って、魔王様を倒していただいた方をお守りする。 爆発によりほとんどの魔族、吸血鬼族、鬼族は死ぬ。 女、子供のみ北方へ避難させた。 保護しろとはいわん、せめて安住を約束してくれないか?」って爆発の中いう。
結界が張られているのか、全くもって閃光の中、俺とユウト達はダメージを負わない。
「約束する」そう言ったのはユウトだった。
吸血鬼族の真相は、満足したのか閃光が消えるのと同時に灰になって崩れた。
その後、
「俺たちは魔王を討伐したぞ!」ってユウトが叫ぶ。
「「「やりました」」」「おっしゃー」っていう女共とタイガ。 こいつら喜んでいる。
なんで、喜べるんだ。 あまりにも多くの魔族達の犠牲者がでたんだぞ。
俺は正直、こいつらの感覚がわからない。
すぐヴォルがラミ、グリ、フェン連れてきた。 瘴気がなくなって魔王領を飛行できたみたいだ。
ラミがみんなを回復させて、騎士団が勇者一行を迎えに来るまで待っていた。
その後、俺と珍獣組は、ヴォルに乗って王都へ先に帰還。 テッド達も王都へ戻ってくるらしい。
◇◇◇
Side:ユウト
魔王が1人で戦うって言った時は、ちょっとラッキーって思った。 ギース曰く、魔王には側近は常についているって聞いていたから、側近との戦いも想定していた。
くそ、いくら力を抑えているとはいえ、魔王があそこまで強いとは正直思ってなかった。
ギースがいなければ、俺たちは全滅していたのかもしれない。
しかも最後は魔王の爆発って。 俺たち全滅じゃないかって正直怖かったけど、吸血鬼族の真相のおかげで命拾いした。
そして、このままでは、俺たちの計画が破綻するかもしれない。
今、俺たちは魔王領に迎えに来てくれた騎士団の騎馬に乗って移動して、人間領と魔王領の砦で休息してる。
爆発の影響で、魔物は激減し、かつ、森は半壊し騎馬での移動が可能になったからだ。
「魔王を倒したのが、ギースかぁ」って俺の愚痴だ。 本来であれば勇者の俺なのに。
「ユウト様、その辺は大丈夫ですわ」ってシレラ。
「何が大丈夫なんだ?」
「ウルハは、なんて言っても平民ですから。 それに、私に名案がありますの。 ご安心ください」
「よくわからないけど、シレラを信じるよ」
「でもよ、これでユウトは確実に王太子だな」ってタイガだ。
あ、そうか。 魔王を討伐したあかつきには俺は、シレラの正式な婚約者になるんだった。
そして将来はここの国の王だ。 王配かと思ったが、ここは男子のみが後継者になる。
そんな事考えてたら、
「その時は、例の件頼んだぜ」ってタイガ。
「ああ、約束だからな」って返事した。
「ええ、それは私のほうでも助力しますわ」ってシレラ。
タイガの顔は嬉しそうだ。 なんせ、女好きのタイガだが、本命は、第二王女のブリジット。 彼女にはまだ正式な婚約者がいない。 候補は、複数いて、有力候補は、アウドス国のハリー殿下らしい。 なんせ、ブリジット王女も可愛いし、しかも純粋。 彼女も俺の好みだ。さすがに俺は姉妹をハーレム要因に入れるわけにはいかないから、タイガに譲る約束してる。
それよりも、ギースだ。 奴さえいなければって、嫉妬心で胸がえぐられる。




