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久しぶりに王都へ帰還 中編

半年以上ぶりの隊員達全員集まっての食事だ。 

訓練終わらせて、みんなで食べることにした。 昼から豪勢に牛魔頭のステーキ、ポテト、温野菜だ。

「ギース殿、豪勢ですね」ってテッド。

俺はエール飲みながら「魔王領の魔物討伐してると、もう万単位にあるから俺らにとったらロコモ鳥のほうが高級な肉だよな」っていうと、頷く珍獣組だ。

「「半年間、どうでしたか?」」って双子だ。

「記憶がねぇーくらい、魔物討伐に明け暮れた。 最長で12日間寝ずで、普通で1週間寝ずだ。 ヴォルおんぶして、討伐しながら飯くてった。」

「まじ、俺らだけ範囲広すぎだぜ。」ってグリ

「本当よ、アウドス国、アルタイト王国、トートガ帝国で魔王領に面してるところ一帯ってなによ。」ってラミ

「本当、働きすぎでやんす」ってフェン


俺と珍獣組の活動範囲はやたらと広すぎ! ヴォルっている移動手段もあるし、ラミとグリだって空から移動できるからっている理由だな。 この半年、手分けして移動、討伐、合流そして討伐を繰り返してた。

そんな俺らの話に、唖然とする人間組。


「お前らも討伐でてたんだろ?」

「ええ、王都からでた北中央は、傭兵団と僕たちで行きましたけど、さすが魔王領の魔物で、数百規模で数回ぐらいでしたから、僕、双子、馬鹿2人でほぼ駆逐して、残りを傭兵団が倒すって感じでした。」ってテッド。

「僕らも戻ってきたのは、1か月前くらいです。」

「はぁー、だから、宿舎に被害がでたんだな」って呆れながらタバコに火をつけて一服した。

「あのその」っていらない女、ウルカだ。 2年ぐらい前に、対抗戦で俺が勝って、第二王女の近衛辞めて無理やりきた女。

「言い訳いらねぇーよ。 もう、お前これから実家から通え。 んで、トリス、お前がその女の面倒みろ。 命令だ」

「「はい」」っていういらない女とトリス。


「ギース殿、今日の予定は?」ってテッド

「うーん、風呂はいって、報告書だろ、んで夕飯食べたら、繁華街か」っていう。


「ウルハ師匠、また如何わしい場所にいくんですか!」っていういらない女。

「あん、師匠って呼ぶなっていっただろ! それに、てめぇーが作った損失を賭博で補填すんだよ。 ったく、今回金貨500枚だぞ。 んで、合計で金貨1,250枚だ、この2年でお前がやった損失。 文句言うなら、今すぐ耳揃えて払え」っていってやった。

「給料から天引きされてます」って言い返すんだよこの女。

「ウルカ、給料から差し引いての残金です。」ってテッドだ。 たく貴族のくせに借金の金額もわかんねぇーのかよ。


やっと黙ったよ。


◇◇◇

Side:ウルカ

ウルハ師匠、いやウルハ大将の事は、王宮でブリジット第二王女の近衛兵をしていた時から噂は聞いていた。

悪い噂のほうが多い。 元傭兵で、アーサー陛下に気に入られたがためのあの地位になったと。


私、ウルカは、女性騎士でも上位で、ブリジット第二王女の人柄とかわいらしさに惚れて志願し、努力の末ようやく近衛兵になった。


あれは約2年前。トートガ帝国との戦争後、しばらくして、傭兵を含む対抗戦が実施された。 私は正直出場するか悩んでいた。

「ウルカ、さっきお父様から聞いたの。 今回の対抗戦に、初めてウルハ大将がでるんですって」って嬉しそうにいうブリジット王女だ。 なぜ、そんなに嬉しそうなの。

「ブリジット様、なぜ嬉しそうなんですか?」って聞いた。

「王宮内じゃあまりいい噂は聞かないけど、ウルハ大将の剣技はすごいってお父様が。 王国一、いえ、トートガ帝国にも圧勝するくらいらしいから、人間領で一番よきっと」

「あれは、マックレン侯爵のゴードン率いる騎士団と、ローガン大将の騎士団の功績です」って言った。

そしたら、苦笑いするブリジット王女。 苦笑いでも可愛いすぎる12歳のブリジット王女。 王女じゃなきゃ抱きしめたいくらいだ。

「うふふ、本当の所はどうなのかしらね。」


平民のくせに生意気なウルハ大将。 彼が対抗戦に出るなら、その根性を叩きなおしてやるって気合を入れて参加した。


対抗戦は傭兵が身体強化のみしか使えないので、それに合わせて木刀と身体強化のみ。

シードのウルハ大将と初戦で対決した。

「貴様が、ウルハだな。 根性たたきなおしてやる。 私が勝ったら言う事を聞いてもらうからな」って言ってやった。 いくら階級が大将でも、相手は平民。 私はこれでも、騎士の家系で育った侯爵家の次女。 幼少期から剣術、体術にそして演唱魔法を学んで、鍛錬し続けてる。 鍛錬の量なら、他騎士たちに負けてないって自信があった。


「あん? お前誰だよ」って加えタバコのウルハ。 なめられてる。

「ブリジット第二王女の近衛隊長のウルカ・バークレーよ。 いざ勝負」って言って、試合開始。


腹部に激痛が走ったと思ったら私は場外にいる。 え? 見えないし、何がおきたの。

そのまま、意識を失った私は、気づいたら医務室にいた。

その日の対抗戦は、ウルハ大将の優勝で終わった。

数日後、私は、ブリジット王女に頼んで、ウルハ大将のいる部隊に異動させてもらった。 負けた私は、私の騎士道として、彼の近くで彼の剣技を学びたいからだ。


だけど、異動した先宿舎には、侍女も料理人もいない。 いるのは珍獣組と言われる美男・美女の3人とヴォルっている見た目10歳の可愛い美少年。 そして、人間組はみんな傭兵あがり。 そのため、食事や洗濯は全て自分達でやると。 そんな事一切した事のない私は、そこでお荷物扱いになった。


ウルハ大将の料理は、いままで食べた事のないくらいおいしかった。

そして、訓練は、私が今までしていた鍛錬とはまったく違う。 異常としか言えない。 彼らはみな必死でそれをこなす。 私はまたここでも足でまといになっているっていうのは分かっているけど、私の騎士道が許さない。

何度かウルハ大将に模擬戦を頼んだけど、腹パンされて、訓練が一通り終わったら相手してやるって言われた。


訓練が終わった珍獣組達、テッドさんと模擬戦する姿をみて、ウルハ大将、いや師匠の強さにあこがれるようになった。 だから時よりその様子を見て技を盗む事にした。 隠れて素振りしてる私。

「ウルカ、お前さ、ギース殿の技盗んでも扱えないだろ。 それより、障害物コースを30週走れるようになれ」ってテッドさんだ。

「しかし、いつかは師匠の隣に立てるほど強くなりたいんです!」

「その気持ちはわかるけど、それも全て障害物コースをクリアしないとな。 お前の後にきたトリスのほうが今や障害物コースの周回が多いんだぞ」って言われた。

見習いのトリスが来たのは、私が異動してから半年後だ。


あれから2年たっても、私はまだ5周がやっとだ。 障害物コースに何の意味があるのかわからないけど、きつい。 傭兵上がりの彼らにとってはこの障害物コースというは、体力と体幹を鍛えるためにいいらしい。 それよりも剣術の訓練だと思う私だが、聞き入れられない。 悔しいけど、実績もない私だ。 いまさら近衛兵に戻れない。 なにがなんでもついていくって決めたんだから。


でも、家事の出来ない私は損失ばかり。 今日、とうとう実家から通えって言われてしまった。

あー師匠、これは私への愛のムチでしょうか。

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