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とある不幸な高校生

俺は、向井悠斗 18歳。 日本で生まれ高校に入るまでいたって普通の生活していた。 

高校2年の時、両親が事故でなくなり、1つ下の妹と残された。 俺はフツメンだが、妹は可愛いく賢いため名門の私立の高校に通っている。 俺は近くの公立だ。 両親が亡くなった時、唯一の肉親の叔母が妹のみを引き取るって言ったが、妹が断り、親が購入したマンションで暮らしている。 

マンションの部屋の隣には、幼なじみで俺の彼女の家族が住んでいる。 家族ぐるみの仲で、高校に入る時に告白して付き合い始めた。 彼女は同じ高校で、正直可愛い。 フツメンの俺にはもったいないくらいだ。 両親の遺産もそこまであるわけではないから、俺は妹の為と生活費を稼ぐため放課後は深夜までバイトしている。


妹の為と思い、妹が欲しがったブランドバック、財布も誕生日2年分という約束で買ったし、部屋の掃除、洗濯、料理まで全てやっている。

そんな日々が、半年ぐらい続いたころ、彼女に「情けで付き合ったけど、サッカー部の高田君と付き合ってたの。」って高田とベッタリしながら言われた。 すごくショックだったけど、仕方ない。 高田はイケメンだし運動音痴の俺と違って運動神経抜群だ。

それで終わりなら良かったが、高田含めクラス中からのイジメが始まった。

「クズ、のろま、ブサイク」とか言葉の暴力に、殴る蹴るだ。 高田は、クラスの不良グループとも繋がっていて、そいつらにパシリされたり、金を要求されるまでにエスカレートした。 先生に訴えても無視だった。


それでも、妹のためってバイトも休日全ていれて増やしていた。

高校3年になり、俺は就職するつもりで面接を受けた帰りだ、いつもより早く帰宅した。 今日はバイトは休みだし、ゆっくりできるって思いつつ、玄関を開けると妹の友人達が遊びに来ているみたいだ。

「それって、限定のブランドのサイフだよね。 どうしたの?」

妹がどうしても欲しいっていって、クリスマスプレゼント2年分ってことで買った10万もするサイフだ。

「これ、下僕に買ってもらったの。 ちょろいんだ。 お兄ぃ、お願いって頼めばすぐ買ってくれるんだ」

「ちょっと美優、自分の兄にそんな事いっていいの?」

「えーだって、キモオタだよ。 あんなのと兄妹だなんて思われたくないよ。 家事も全部やってくれる家政婦、家政婦」

「きゃはっは」


なんだよそれ。 オタクって、ちょっとラベノ読むくらいだし、俺の唯一の楽しみだ。 なんか、正直どうでもよくなってきて精神的に疲れた。 あんな話聞いた俺は、この後どう妹と会えばいいんだって思い、マンションの部屋から出ようと扉を開けようとした。 最悪だ、今度は高田といる彼女が、自分の家の鍵あけながら会話が聞こえた。「今日親遅いんだ。」「んじゃぁ、思いっきりやれるな。」「もう、エッチすきね」「お前もだろ、あのキモオタと付き合ったふりして俺とやりまくってただろ」「だって、貢いでくれるんだもん。 まぁお金ないから振っただけ」って会話だ。


あはは、なんだよそれ。 俺とはせいぜい手をつなぐだけだった。 確かに彼女にも欲しいって言われたのはお小遣いの範囲や、溜めたお金で買った。

俺は知らず知らずに、現実に失望した。 なんだよこれって思いながら歩いてたら、誰かにぶつかった。

「向井じゃーん」って不良グループだ。


今日はなんて日だよ。 そいつに殴り飛ばされた。 ちょうど横断歩道で、しかも赤。 トラックが突っ込んでくる、これ死んだな。 もうなんも未練もないからどうでもいいや。

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