ヴォルに乗って、王都へ
村人たちと別れて、俺たちはまたヴォルに乗って急いで王都に向かっている。
「ギースの大将、よかったんでやんすか? 村人達に全部あげちゃって。」
「あの村人達は、真面目なやつらだ。 死を覚悟して、女と子供達は先に逃したろ。 ちゃんと、あの資金使って農地開拓するんじゃねぇー。」って俺、タバコに火をつけて一服中。
「フェン、しなくても、あとはあいつら次第だぜ。」
「魔王が、魔物使役して人間領襲ってるってうわさ本当なのかしら?」
「さぁーな。 魔王が代替わりしたのは事実だ。 前魔王の側近から手紙がきたし、今の魔王がどんな奴か俺もしらないしな。」
「ギースの兄貴の言う通りだぜ。 俺やヴォル坊、それにラミだって魔王領へ空からいけないだろ」
「ええ、瘴気が濃すぎてね。 身体に悪いわ。」
「ヴォルがもう少し成長すりゃ、あの瘴気やぶれんだがな。 仕方ないな」
[兄貴、俺、生まれて5年っす。 それでもきっと成長は早いほうだと思うっす]
[毎日、俺の魔力くってるだろ。 まぁお前はちゃんと成長してるよ]
[超都級で王都でいいっすか?]
[ああ、糞アーサーがうるさいからな]
ってわけで、ヴォルに乗って王城上空までいって、宿舎の訓練場に飛び降りて着地するのが、俺たちのいつもの帰りのパターンだ。
「ギース殿、お早いお戻りで」っていうのはテッドだ。
「ああ、2日寝ずで片付けたからな。 んで、双子と馬鹿2人は?」
「彼らなら、王都の森のオークの集落討伐へ。 数が800なんで、4人で向かわせました。」
「800なら、馬鹿2人の経験になるな。 そうそう、帰りがけに、クーシャ町の北にある村が魔王領から出てきた魔物の群勢に襲われてかけてたから討伐しておいた。 クーシャ町へ避難するってよ。」
「はぁ、またですか。 報告書に書いておきます。 で、陛下がお待ちです」
「風呂入ってからでいいか?」
「ダメです。 シャワーのみで、着替えていきますよ」っていうテッド。
「ちぃ、仕方ない、珍獣組、俺アーサーとこ行くからお前ら適当にな」
「「「「了解」」」」」って訓練場で遊んでるし。
面倒だな。




