閑話 テッド
僕はテッドで、今22歳。
今でも忘れられないのが、あの対抗戦の日だ。 15歳だった僕の決勝戦の相手は、当時8歳のギース殿。
それも、階級は2級になったばかり。 8歳で、2級っていうのは最速での昇給で凄いけど、それでも僕はすでに1級だった。 剣技の速さで負けたことはない。 が、それ以上の速さでギース殿は動き、僕は追いつけず、あっさり負けた。
彼の強さを知りたくて、無理やり異動した。
僕を慕ってた当時の見習いのジョンとジョジュアも来た。 29番隊は、ガフ少尉4級が厳しいというので10人だけだ。 だから異動後も問題なかった。 僕たちが異動した時、1人が別の部隊へ異動していった。 ガフ少佐4級曰く、彼はきっとこの部隊の遠征にはついていけないっていう事だったらしい。
最初の町へ移動中に盗賊に襲われてる行商人に遭遇した。
僕は今まで人を殺したことないから足がすくんでた。 ガフ少尉が指示だしするが、気づいたらギース殿が1人で30人ほどの盗賊討伐完了してた。 顔色かえずだ。 手には漆黒の剣とは違う魔武器を2本を持っていた。 黒髪と黒目で容姿は整っている美少年に似合う魔武器だ。
少年の剣技は自己流で、本人いわくまだまだらしい。 それからだ、特効していく彼に必死に追いつくため自分なりに努力した。 他部隊と合流すると、数名が29番隊から離れた。 ギース殿の活躍で、死地へ行かされることが徐々に増えたから、ついていけない傭兵はみな自分の命を守るので精一杯だ。
たまに、ギース殿は、アーサー殿下の依頼で王都へいったりする。 どうやっていくのかと思ったら走っていくと。 200KM離れてたけど、その時は翌日には戻ってきた。
どんだけ早いんだよ。 そこから色々あって、じゃないが最後の決めてが帝国の隠密調査なはずが、単機で数千の帝国軍葬って、それも数時間での出来事だ。 なぜか途中で出会ったフェンリル連れてきた。 この時点で、29番隊は人間組はガフ少尉1級、僕、ジョン、ジョジュア、そしてガフ少尉を慕っていた2名だ。
その後、ギース殿は王都の聖獣の森の調査でまた隊からぬけた。 今度はグリフィン連れてきた。
そして、1年後、アウドス国の調査とかで僕たちはアウドス国国境の砦にいた。 ギース殿と珍獣2人でいったが今度は不死鳥だ。 表向き、朱雀となっているらしい。 政治的な動きがあったみたいだ。
そして、この時点で、ガフ少尉を慕ってた2人は別の隊に異動になった。 アーサー殿下が、珍獣が増えてこれ以上は不味いってことらしい。 珍獣組の事を知っているのは、アーサー殿下、グリトニー騎士団長、ガフ少尉、僕、ジョンとジョジュアだけだ。 それからアーサー殿下の依頼で魔王領の魔物調査だ。 たぶん、ここで2年くらい人間領と魔王領の境を行き来した。
ギース殿とフェン、グリは奥までアーサー殿下の依頼もあって行ったようだ。 魔王領の魔物は奥に行くほど強いから、俺たちはラミさんに守られて待機だった。
そして、また魔王領に向かったギース殿たち3人は、数ヶ月後に戻ってきたと思ったらギース殿が石を抱えてる。 今から2ヶ月前、その石は卵だったみたいで黒竜が生まれた。 また珍獣持って帰ってきたのかよってみんなで突っ込んだ。
ギース殿自身きっとわかってないが、君、化け物ぐらいの強さだよ。
それでも、僕は彼がどこまでやらかすか、また少しでも強くなりたいから一緒に行動してる。
きっと双子もそうだろう。 ただこれ以上、珍獣が増えないでほしい。




