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ナトレ村着

本日2話目の投稿です。

「起きて……」


 誰かに肩をゆらされる。


「オリビア、あと少し寝かせて〜」


 そう言うと頭を叩かれる。


「私はオリビアじゃないわよ。さっ、起きて。見張りで重要なこと教えるから」


 あ、そっか。俺、昨日……


「ほら、また胸で泣きたいの?そんな顔して。子供だなぁ」


「そ、そんなつもりじゃないですから!!見張りのことちゃんと教えてくださいよ!!」


 俺はベッドからテントの外へと急いで出る。


 外はまだ少し暗かった。朝日の光がほんの少し山の方から漏れ出ている程度だろうか。


「はいはい、そんな急いでも何も変わらないから落ち着いて」


 俺の後からサリーネさんが出てくる。


「じゃあまず見張りの時に絶対忘れちゃったらダメなことから――」


 見張りの時の大事なこと、注意しなきゃ行けない事。それを教えて貰っているうちに朝日はいつの間にか山から既に出切っていた。


「こんなもんかな。今回は結界の魔法具使ったから特に苦労もなかったけど本当はあんなの使えるものじゃないから頑張ってね。私が一緒に居れば慣れるまでは手伝ってあげるよ」


 と言ってくれた。


 もし、もしだ。俺が聖剣が抜けなかったらこの人と冒険したいなって思った。


 この人はA級冒険者で僕みたいなB級冒険者の中でも新米の僕を相手なんてしてくれないから無理な話だけれども。


「どうしたの?疲れたの?」


「特に何も無いですよ。さ、ナトレ村に向かいましょ」


 サリーネさんを見ながらそんなことを考えていたら心配されてしまった。


「今から大体歩いて4時間くらいだから頑張ってね。でもしんどかったらちゃんと言うこと。分かった?」


「はい、ありがとうございます。でも、大丈夫なので行きましょうか」


「うん。まぁ、少し行ったら街道にも出れるしそんなに気負わなくていいよ」


 なんだろう。昨日よりも暖かい目を感じる。


 まぁ昨日、子供みたいに泣いたらそんな目で見られるか……


 そんなことを考えながらサリーネさんの後をついて行くこと4時間ほどが経つ。


「着いたね」


 ナトレ村というくせに昨日まで居た街よりも頑丈そうな外壁に包まれた場所に着く。


「止まれ。身分証明出来るものを出しなさい」


 門番に声をかけられる。


 俺とサリーネさんはギルドカードを差し出す。


「冒険者か。片方はA級と。よし、通っていいぞ」


 いつもなら来た理由なども聞かれるのだが……


「A級冒険者ならこんなに検問が楽なんですね」


「まぁ、村としても実力がある冒険者が居れば安心だと言うのとA級になるためには貴族の推薦状などが必要になってくるからな。簡単に言えばね。貴族に認められているということだから」


 そんな相手は疑うこともないってことか。


「私は届け物をしてこの村のギルドに行ってくるから。アルクは祠へ行くんだろ?」


「はい。早速行ってきたいって思ってます」


「何かあったら直ぐに逃げること。で、終わったらギルドに来てね。私が依頼で居なかったらそこの酒場で待っていてくれると嬉しいな。一緒に帰ろうよ」


「はい、もちろんです。抜けるか抜けないかなんてすぐに分かるので夕方までには戻れると思います」


 前もそうだったからな。聖剣に触れた瞬間何かが流れ込んできて、そしたら脳筋スキルがステータスに現れていた。


 そして、俺は聖剣に認められなかった。


「よし、元気だして。いってらっしゃい」


 バシッ


 背中を叩かれる。


 でも前の時のことを思い出して気持ちが下がっていた俺には何故か気持ちよかった。


 Mとかそういうのじゃない。


「じゃ、いってきます」


 俺はサリーネさんと一旦別れて祠へ向かった。

次回更新は明日の夜を予定しています


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