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師匠の独白(視点:サリーネ)

すみません更新忘れてました!!!

「寝た……かな?」


 道中誤魔化そうとしてたけどずっと思い詰めてる雰囲気だった。


「でもスッキリしたみたい」


 アルクの頬を軽く撫でる。


「ん〜」


 一瞬起きたのかと思ったがただ私の手に顔を寄せてすりすりとしてきただけだった。


「まぁ、冒険者、それも勇者なんかじゃなければまだ親と居ても何らおかしくない年齢だしね……」


 この子はまだ17歳で。


 冒険者としても人としてもまだまだ若い。


 冒険者としては私もそんなに歴があるわけじゃないのだけどもね。


 初めて会った時は色男だと思った。幼馴染とはいえ女の子3人と男1人でパーティを組んでいたから。


 勇者と知った時は驚いた。幼なじみの陰に隠れてギルド長とや私との会話には自ら参加してくることがなかったからこんな子でいいのかと。


 ただ、何度も会ううちにその認識は改めることになる。


 この子は自分の意思を突き通すと決めると止まらないって。勇者にはこんなに突き抜けた気持ちが必要なのかとさえ思った。


 今回だってそうだ。朝起きて呼び出され、直ぐにパーティから追い出されたそうで。そこからギルドに歩いてくるまでの間に聖剣を抜けばなんて考えたか何かは知らないが私が居なければ何も用意せずただ突き進んで行こうとしただろう。


 そして、この子が冒険者になってから1年すぎた頃だろうか。


 私はあの時は詳しくは知らなかったけど、あの日オリビアがとても不機嫌でアルクが憔悴した様子だったのを覚えている。


 あとから聞いた話なのだがあの日にスキルが覚醒してしまったのだろう。


 脳筋スキルが。


 勇者は多くのことが未だ分かっていない。


 聖剣を触るだけでスキルが覚醒することがある様だ。


 聖剣を抜きに行った時、聖剣に触れたら脳筋スキルが覚醒してしまい抜けなかったのだろう。


 あの日からあのパーティはおかしくなっていたように思った。私が声をかければ良かった。


 恐らくオリビアは幼馴染だからとかじゃなく、勇者だから、アルクとパーティを組んでいたのだろう。


 こんなこと、この子には絶対言えない……


 私はそっとベッドから抜け出しテントの外へ出る。


「さて、明日からどうしようかな」


 この子をナトレ村へ送り届けたあと私は何も出来ない。


 聖剣の祠が観光名所になっているとは言っても聖剣の封印場所なんて言う大層な場所に勇者以外は入れないのだ。


 観光できるのはその祠の手前まで。


 祠の前で待っておくのもいいけどなにか依頼があれば受けとこうかな。


 聖剣が抜けたにせよ、抜けなかったにせよ、私は変わらない。


 君に対する態度が変わるのは聖剣を持った勇者を利用しようとしている人間だけだということに気付いてくれれば君の心は休まるんだろうが。それは私から伝えることじゃない。


 というか、さっきは私が一緒にパーティを組もうかなんて言おうとしてしまっていた。


 私は戦闘の都合上、本気を出すとなると周りを巻き込んでしまうためそんなこと出来ないというのに。


 でも、この子が1人で冒険者を続けようとするくらいなら、ついて行こうと思えるくらいにはこの子のことが大事に思ってしまっているみたいだ。


 この子に合わせて冒険するくらいならまだ力に差があるはずだから本気も出さなくていいはず。なんてことまで考えているのだから。


「いつの間にこの子にこんな入れ込んでたのかな……」


 あのパーティが冒険者始めたての頃から面倒を見ているから?


 でも、正直この子以外なら、特にオリビアだったら助けようとも慰めようとも思わなかっただろう。


 私はテントの中へ戻る。


 結界の魔宝具の効果もあと5時間ほどは持つだろう。


 4時間ちょっとは眠れそうだし私も寝ようかな。


 アルクはスッキリした顔でぐっすりと眠っている。


「おやすみ」


 私はアルクの頭を撫でベッドの横に座りベッドにもたれかかって目を閉じた。

昨日の忘れてしまっていた分なので今日の分はまた夜に更新します!!


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