ナトレ村への旅路
サリーネの口調を変更しています。
「アルク〜もう疲れたの〜?」
4時間ほど歩いたところでサリーネさんが声をかけてくる。
「いや……もう4時間も歩きっぱなしですよ……それも2回くらい魔物と戦闘してるのに……誰だって疲れますよ……」
「誰だってって。目の前の私はその中に入らないのかな?」
「A級冒険者なんて人外じゃn痛い!!」
「ん〜?また頬を真っ赤にしたいのかなぁ?」
少し間開けてたし、絶対叩かれたりすると思ったので少し離れたのだがその瞬間に一瞬で間を詰められた。
こやつっ、やるなっ。
まぁ、実際にすごい人なんだけどね。
「なんでもないですよ〜というか普通にもう日も暮れかけてますしここら辺で野宿しませんか……?」
「もう少し行きたかったんだけど……まぁ、いっか。このペースなら昼頃に着くことになるだろうし大丈夫だね。急ぎでもないんだし」
そう言って近くの落ち葉や枯れ木などを集め始める。
これは出来るだけ自然のものを活用して万が一の時のために持ち物を置いておくためらしい。
集め終わった落ち葉に火の魔道具を当て火をつける。
「アルクはテントを立てておいてね」
俺にテントを渡してサリーネさんはご飯の用意を始めた。
先程狩った魔物の肉を解体している。
その手さばきは玄人そのもので、俺は見とれていた。
「アルク。私に見とれてないでテントを立てなさい」
「み、見とれてなんてねぇし!!」
図星だった。急いでテント立てよ。
……あれ?1つしかなくね?
立て終わったらもうひとつ渡されるんだよな。うん。そうだよな。変なこと考えず早く立てよ。
無心無心……
気付くとテントはほとんど完成していた。
「サリーネさん。1つ目出来ましたよ〜」
「おう、こっちもそろそろご飯できるからちょっと待っといてね〜」
「あれ?2つ目は?」
「2つ目?そんなのないよ。テントはそれ1つだけだ」
うっそだろ。マジで言ってるんですか?
「えっ……と」
「あれぇ。顔真っ赤だよ?何考えちゃったの?ねぇねぇ〜?」
絶対この人揶揄うために黙てただろ!!
「一応言っとくけど2人で来てるんだから2人で中で寝ることなんてありえないからね?見張りってものがあるんだから」
……2人で寝るなんて考えてなかったですぅ〜
「君がどうしても一緒に寝たいって言うならこの結界魔道具使えば出来るけど?」
「別にそんなこと思ってませんから!!早くご飯たべましょう!!」
俺は近付いてきていたサリーネさんから離れてご飯の用意が出来ている所へ行く。
美味しそうな匂いがする。さっきまでからかわれていた事なんて忘れてしまうくらいに。
「さっき狩った角うさぎのシチューだよ。こういうシチューとかはなんの肉入れても美味しいから冒険者の始めたての頃に覚えてずっと作ってるから自信作。ほら」
さらに掬って俺に渡してくれる。
「ゆっくりお食べ。で、その後先に寝たらいいよ。またある程度時間が経ったら起こしてやるから。見張りについてもその時教えてあげるよ」
俺はその言葉を聴きながらシチューをガツガツ食う。
これは米かパンが欲しくなるな……
そういえばバックの中に、
あった。たまたま買ってたパン。保存用だからか少し固めだからあんまり好きじゃなかったがシチューに合わせたらぜってぇ美味しい。
「美味そうに食べるねぇ。私としても嬉しいよ。元気も出たみたいで。ちょっと私にもそのパンちょうだい」
俺はそのパンを渡してサリーネさんと談笑しながらご飯を食べた。
そして、俺は
「サリーネさん。じゃ、先に寝させてもらいますね〜熟睡してても時間になったら叩き起してください〜」
そう言ってテントの中へはいる。
今日買ったばかりの自分の寝袋を荷物の中から取り出して寝ようと中に潜った時
キュイィィィーーン
なにかの音が聞こえてくる。
その次の瞬間、サリーネさんが先程見せてきた結界の魔法具を手に持ち、テントの中に入ってきて
「やっぱり一緒に寝よっか」
えっ。
次回更新は明日4月19日の夜を予定しています
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